M&A実施を社員へ伝えるタイミングとは?
- M&Aコンサルティングレポート
コンテンツ
1.はじめに
M&A交渉が進んでいくにつれて、特に売り手側の方からよく相談される件として、承継について社内への通知のタイミングをいつにすれば良いかということ。
社内でもキーパーソン、その他幹部社員、中小企業になればなるほど社員間の関係性が近く、M&A情報をいつ彼らに伝えるべきなのかの適正なタイミングを決めかねていらっしゃる経営者(代表者)の方は多いようです。
特に売却後、業務を継続する彼らのモチベーションにも深く関わってくる問題ですので、より良い職場環境を提供できるよう、情報公表のタイミングには慎重を期したいところです。
2.適正なタイミングとは?
通常ですが、M&Aを進める際には以下のようにお願いをするケースが多いです。
①基本合意締結前:基本誰にもお話ししない(ビジネスパートナーと思われる役員のみ)
②基本合意締結後:キーパーソン及び財務経理の責任者+α
③クロージング後:すべての従業員
基本合意前はM&Aの話は出ては消えということが多いので、基本情報統制の観点から中小企業の場合、社長おひとりで検討していただくことが一般的だと思います。
基本合意後は、その後のインタビューやDD(調査)に備えるためにもキーパーソンと財務経理の責任者への説明はM&Aを進めるうえで必要となってきます。
最終契約を締結して、株式の譲渡を行う日をクロージング日といいますが、その日にすべての従業員の方を集めて説明会を行うのが一般的です。
ただ、最終契約からクロージング日までの期間や買収相手先の会社の状況、相手先の希望などによっては、クロージング前に従業員の方への説明を行うこともケースとしてはあります。
3.おわりに
従業員にとってこのM&Aは最もふさわしいものだと胸をはって従業員の方に説明できる相手先であれば、クロージング日の説明であっても従業員の方は納得いただいているのが一般的です。ですので、そこの部分はご心配にならなくても結構かとは思います。
船井総研入社後は専門サービス業の経営コンサルティング部門の統括責任者として多数のM&Aを経験。現在は、M&A部門の統括責任者をつとめる。買って終わり、売って終わりではなく、M&A後の企業成長を実現するマッチングに定評がある。過去経営支援を行ってきた企業は200を超える。
光田 卓司の紹介ページはこちら 船井総研のM&Aの特徴とM&Aに関する解説ページはこちら