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株式譲渡

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株式譲渡によるM&Aとは?

株式譲渡によるM&A(合併・買収)は、企業が他の企業の株式を取得することで、その企業を統合する方法の一つです。このプロセスでは、主に買収する企業が買収対象企業の株式を取得するために、買収対象企業の株主に対して現金や株式を交付します。また、買収する企業は、買収対象企業の株式の過半数を取得することにより、経営権を獲得します。

株式譲渡によるM&Aは、企業の成長戦略や市場進出戦略など、多くの理由で行われます。例えば、企業が自社の業務を拡大するために、市場で競合する企業を買収することがあります。また、新たな製品や技術を獲得するために、競合他社を買収することもあります。M&Aは、企業の競争力や市場シェアを強化するために、戦略的な重要性があると考えられています。

株式譲渡が成立するまでの流れとは?

株式譲渡が成立するまでの一般的な流れは、次のようになります。

・株式譲渡契約の締結

買い手と売り手が株式譲渡契約を締結します。この契約には、株式譲渡の条件や価格、決済日などが含まれます。

・機関決定

 取締役会及び株主総会で株式譲渡の承諾決議をおこないます(譲渡制限会社の場合)。なお、買い手も同様の機関決定が必要となります。

・書類及び引渡物品の準備

 株券(株券発行会社の場合)、株式名義書換請求書兼株主票、会社実印、印鑑証明書、銀行印、通帳、鍵等を準備します。

・譲渡価格の支払い

決済日になると、買い手は売り手に対して、株式の譲渡価格を支払います。

・株式譲渡の完了

支払いが完了すると、株式譲渡は完了します。買い手は株式の所有者となり、売り手は株式の所有権を失います。また、取締役等の変更登記が必要な場合は登記申請をおこないます。

株式譲渡には、上記の流れに加えて、契約書に従うことが重要です。契約書に明記された条件に従わない場合、株式譲渡が成立しない可能性があります。また、株式譲渡には税金や手数料が発生する場合がありますので、それらについても事前に確認しておく必要があります。

株式譲渡の対価・企業価値の評価法とは?

株式譲渡の対価として、取引当事者は譲渡価格を合意する必要があります。企業価値の評価は、譲渡価格を決定する上で重要な要素となります。

企業価値の評価法は、様々な方法がありますが、一般的な方法としては以下の3つが挙げられます。

・業界平均法

業界平均法は、同じ業界の企業の財務指標や評価額を参考にして評価する方法です。この方法は、業界内の企業の評価を比較することで、相対的な評価を行うことができます。

・割引現在価値(DCF)法

割引現在価値法は、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価する方法です。この方法は、将来のキャッシュフローの予測に基づいた評価方法であり、将来の収益性や成長性を反映しているため、成長企業や未上場企業に対して有効な方法とされています。

・時価総額法

時価総額法は、株式市場での企業評価額を基に企業価値を評価する方法です。時価総額とは、企業の発行済み株式数に市場での株式価格を掛けた金額です。この方法は、市場の需要と供給に基づいた評価方法であり、市場価値を反映しているため、株式市場に上場している企業に対しては有効な方法とされています。

上記の評価方法を総合的に考慮し、企業の業績や成長性、市場環境などに応じて最適な評価方法を選択し、譲渡価格を決定することが求められます。

株式譲渡の際の会計処理・税金の注意点とは?

株式譲渡に際して、会計処理と税金の注意点は次のようになります。

会計処理

株式譲渡による収益は、営業外収益として処理されます。譲渡益は、譲渡価格から取得原価を差し引いた金額となります。取得原価には、取得時に支払った金額や手数料、税金などが含まれます。また、譲渡益は会計年度ごとに計上されます。

税金

株式譲渡による譲渡益には、所得税と住民税がかかります。ただし、譲渡した株式が1年以上所有していた場合は、譲渡益にかかる税金が軽減される「特定口座譲渡等の課税制度」があります。この場合、所得税と住民税の課税率は最大20.315%となります。

また、法人が株式を譲渡する場合には、法人税もかかります。ただし、譲渡益が一定額以下の場合には、法人税が免除される「中小企業等経営強化税制」があります。

さらに、譲渡された株式が非上場株式である場合には、贈与税や相続税の問題も考慮する必要があります。譲渡前に専門家に相談することが望ましいでしょう。

株式譲渡の譲渡(売り手)側のメリットとは?

株式譲渡の譲渡(売り手)側のメリットはいくつかあります。以下にいくつか挙げてみます。

売り手のメリット

・資金調達が可能

株式を譲渡することで、資金調達が可能になります。譲渡された株式に対する代金を受け取ることで、現金を手に入れることができます。

・リスクヘッジ

株式を所有している場合、リスクが存在します。株式譲渡により、リスクを軽減することができます。また、株式を持つことで、企業の経営状況に依存するため、リスクを回避するために譲渡することもあります。

・ROEの向上

株式譲渡により、企業に対する株式所有比率が減少するため、資本収益率(ROE)が向上する可能性があります。

・所有権の解消

株式を譲渡することで、企業に対する所有権を完全に解消することができます。所有権を解消することにより、企業とのかかわりを絶つことができます。

以上が株式譲渡の譲渡(売り手)側のメリットの一部です。ただし、株式譲渡にはデメリットやリスクも存在するため、注意が必要です。

株式譲渡の譲り受け(買い手)側のメリットとは?

株式譲渡の譲り受け(買い手)側には以下のようなメリットがあります。

買い手のメリット

・拡大・多角化

買収側が、譲渡先企業の事業や技術、顧客ネットワークを取得することで、自社の事業を拡大し、多角化することができます。

・市場シェアの拡大

買収により、譲渡先企業の市場シェアを取得することができます。これにより、自社の市場シェアを拡大し、競争優位性を高めることができます。

・財務的なメリット

譲渡先企業の事業により、新たな収益源を確保することができます。また、譲渡先企業の資産や知的財産を取得することで、財務的なメリットを享受することができます。

・経営陣・人材の取得

譲渡先企業の経営陣や人材を取得することで、自社の経営力や人材力を強化することができます。

・リスク分散

買収により、自社が従来手掛けていなかった事業や市場に進出することができます。これにより、自社のリスクを分散し、事業の安定性を高めることができます。

ただし、買収には多くのリスクが伴います。買収後に予想外の問題が発生した場合、買収側の企業価値や株価に悪影響を及ぼす可能性があります。よって、買収前に十分なデューデリジェンス(事前調査)を行い、リスクを把握することが重要です。

株式譲渡の譲渡(売り手)側のデメリット・注意点・税務上の留意点とは?

株式譲渡の譲渡(売り手)側のデメリット、注意点、税務上の留意点は以下の通りです。

売り手のデメリット

・譲渡益による税金がかかる。

・株主としての権利や利益を失う。

売り手の注意点

・譲渡価格や条件について、契約書を交わす前にしっかりと検討する必要がある。

・譲渡価格を調整するための条件付き売買契約が結ばれる場合がある。

・個人的な事情や企業戦略など、譲渡の理由を明確にする必要がある。

売り手の税務上の留意点

・譲渡益には所得税及び住民税が課税される。

・譲渡所得がある場合は確定申告を行う必要がある。

・譲渡益が一定額を超える場合は、源泉徴収される可能性がある。

・損失が生じた場合には、損益通算により所得税や住民税が軽減される場合がある。

株式譲渡の譲り受け(買い手)側のデメリット・注意点・税務上の留意点とは?

 株式譲渡の譲り受け(買い手)側には、以下のようなデメリットや注意点が存在します。また、税務上の留意点もあります。

買い手のデメリット

・買収側は、買収にかかるコストや手数料、そして譲渡先企業の負債を引き継ぐ可能性があるため、支払う金額が大きくなる場合があります。

・譲渡先企業の業績不振や問題が、買収側にも影響を与える可能性があります。

・譲渡先企業の株式を取得したことにより、買収側にはその企業に対する責任が生じることがあります。

買い手の注意点

・譲渡先企業の事業内容や業績を詳しく調べる必要があります。買収にあたっては、専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。

・譲渡先企業の株式を取得する際には、M&A(企業買収・合併)契約書を締結することが必要です。この契約書には、買収の条件や保証、禁止事項などが定められます。

・買収に伴い、譲渡先企業の従業員や顧客、サプライヤーなどにも影響が及ぶため、適切なコミュニケーションが必要です。

買い手の税務上の留意点

・譲渡先企業が法人である場合には、法人税の問題もあります。

最後に、中小企業の多くはオーナー企業となりますが、長年、個人と法人が一体となった経営を続けてきた会社が多く見られます。具体的にはオーナー貸付金や個人保証などが挙げられますが、その他として、株主の分散(所在不明など)や名義株の問題(名義株を証明する証憑等がないなど)などは厄介な問題と言えるでしょう。

業歴が長い会社になるほどこれらの問題が後から判明することが多く、当時を知る人物の死亡や所在不明などで問題を複雑にすることが多々あります。売り手様におきましては、売却のご検討と併せて、専門家による事前調査をおすすめします。

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