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不動産仲介業界におけるM&A事例

  • 住宅・リフォーム M&Aレポート

不動産仲介業を経営されているオーナー経営者向けの記事です。今回は、昨今の不動産仲介業界においてのM&A事例についてお届けします。そこから不動産仲介業界における、買い手・売り手の特徴について整理します。活発化している不動産仲介業界において、その実際の事例では、背景はどうなっていて、M&Aを実践する企業はどのような戦略を描き、実践しているのか、そのヒントを見つける機会になれば幸いです。

不動産仲介業界におけるM&A事例

【事例1】不動産売買仲介業→注文住宅・請負建築会社

不動産売買仲介・建設を営む、福屋ホールディングス(大阪府)は、注文住宅・建築請負を営むジェネシス(東京都)の全株式を取得しました。ジェネシスは都内でデザイン性の高い注文住宅を取り扱っています。一方福屋ホールディングスは、関西を中心に、東京、福岡においても、不動産売買仲介、建設事業を展開しています。福屋ホールディングスは、注文住宅の建築やリノベーションなどの建設部門を強化し、さらには東京での拡大展開を目指す意図で、買収を進めました。

【事例2】不動産賃貸仲介業→不動産賃貸仲介・管理業の不動産賃貸仲介店舗

全国で、不動産賃貸仲介業の運営を行う、ハウスコムは、不動産賃貸仲介、管理業を営む、宅都ホールディングスから、不動産賃貸仲介店舗23店舗を運営する事業を約10億円にて買収します。宅都ホールディングスは、これに先立ち、不動産賃貸仲介事業以外の事業を、宅都ホールディングスのグループ会社に分割移管します。ハウスコムは、関西圏での不動産賃貸仲介店舗23店舗を取得することで、関西圏での事業拡大を図ります。また宅都ホールディングスと業務提携し、不動産テックを含む両者間の持続的な関係を維持し、情報の共有など協力関係に基づい新聞やへの発展を目指します。

【事例3】不動産売買仲介業→不動産売買仲介業

ハウスフリーダム(大阪府)は、シティーホーム(愛知県岡崎市)の株式を取得(子会社化)しました。大阪府全域、福岡市街地域で住宅を提供していましたが、中長期的な成長に向け、更なるエリア、シェアの拡大を目指しました。愛知県岡崎市を中心に不動産の売買仲介を中核事業として、地域に根差した事業活動を行うシティーホームをグループに迎えることで、新たな中部地方への進出を果たし、東日本進出に向けた足掛かりとなりました。

不動産仲介業界における買い手企業の特徴

不動産仲介業を営む企業にとって、さらなる商圏・シェア拡大を狙うため、同業を買収するケースが増加しています。また不動産仲介業が、より生産性を出せる企業体へ成長するために、自社の足りない事業として、建築業、リフォーム業などの、関連業種企業の買収するケースも増加しています。

不動産仲介業が、DXを推進する企業が増加しているが、グループ内にシステム会社などを直接取り入れ、DXを加速したり、そのノウハウを同業の不動産仲介業に売り込む動向もあります。今回の事例には入っていないが、建築業、不動産開発業の企業が、自社の直接販売網を確立する為、不動産仲介業(店舗展開)を買収するケースも出てきています。

いずれにせよ、成熟した業界事情の中で、買い手側、売り手側ともに、より成長・シナジー効果を目指したM&A戦略が基本となります。

不動産仲介業界における売り手企業の特徴

圧倒的に多いのは、事業承継者の問題がある。親族、従業員への承継予定者が固まらず、第三者M&Aをすすめています。また昨今では、まだ経営者自身がより成長に向けて事業経営を進めて行ける状態にあっても、経営者自身のセカンドキャリア(ハッピーリタイア、別事業などへの挑戦)を考えた上での譲渡が出てきています。

またコロナ禍をきっかけに、新規客数拡大などの施策がとりにくくなり、今後の売上向上が見込みにくくなる予想があったり、既にその状態に陥り、譲渡へ進める場合もあります。上記の中で、買い手企業は、自社よりも売上規模の大きなグループに入る事により、成長へつなぐ動きもあります。

売り手の経営者自身は、経営者として残る場合、また社員を継続雇用する場合などになっています。決して、マイナスの理由での譲渡だけでなく、より成長を目指して譲渡という手段を選択する場合も増えてきています。

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