M&A失敗の要因解説
- M&Aコンサルティングレポート
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・M&Aの問題点
企業の経営状態を急速に変革できるM&A戦略は、近年日本国内でも注目を浴びています。しかしながら、M&Aも必ずしも期待通りの利益を獲得できるものではありません。
企業規模の大きさによって問題も異なりますが、一般的に「期待していたシナジーが得られない」、「買収した企業が経営戦略にうまく活用できない」と言った問題が起きることは少なくありません。
買い手と売り手の両社にとってWin-WinなM&Aが成功するために、失敗例と、その原因、成功のための対策をご紹介します。
・M&A失敗例
M&Aを行った際の失敗例として、以下のようなものが挙げられます。
・不正や隠蔽の発覚
買収後に売却企業の不正会計や未払い給与などの簿外債務の隠蔽が発覚すると、不正会計の影響や債務の引継ぎによって、買収企業の経営が悪化する可能性があります。
また、このような不正、隠蔽の結果、買収企業との信用に影響をもたらす可能性があります。
・投資対効果が合わない
文字通り、買収企業の費用に対して得られた利益が少なかったケースです。
売却企へのリサーチが十分に行われていない場合や、他の買収企業と競う中で、実際の価値よりも高い価格で成約してしまった場合などに見受けられます。
・企業イメージの悪化、従業員や取引先からの信用低下
単に金銭的成功に限らず、M&Aを行うなかでコンプライアンス問題よる企業イメージ悪化や、M&A検討中での情報漏洩による従業員、取引先からの信用低下が起こる可能性があります。
・M&A失敗の理由
・売却側
買い手の見誤り
買収企業の絞り込みの段階で十分なリサーチを行わなかった結果、失敗する場合があります。
不誠実な対応
買収企業からの質問や、開示を求められた情報に対して、虚偽の回答や、不誠実な対応をしたことで、買収企業との関係悪化や統合後の摩擦を招くケースです。
買い手優位の交渉
買収企業側の交渉力によって、買収企業に優位な条件や価格で交渉が進む場合があります。このような事態は、売却企業内での反発を招く危険や、売却後に不利益を被る危険があります。
・買収側
M&Aへの目的が不明確
前提としてのM&A戦略に乗り出す理由目的が不明確だったゆえに、自社に必要なM&Aを行えない場合や、特定の企業の買収そのものが目的となってしまう場合があります。
デューデリジェンス不足
成約前の売却企業の財務状況などの調査不足や、専門知識の不足したアドバイザリーの活用などが原因で利益が得られないM&Aを行ってしまうケースがあります。
成約後のPMI対策不足
買収成立後のPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)が、準備不足や売却企業との認識の相違などによってうまく行えなかったために、業績悪化につながる場合があります。
・成功のための対策
上で述べたような失敗の原因に対して、以下のような点に注意して対策をおこなうことでリスクを軽減することができます。
・M&A戦略の目的を明確にする
M&Aが目的ではなく、利益向上のための手段であることを理解したうえで、自社がM&Aに求めている目的を明確にしましょう。
・調査を徹底する
企業絞り込み前の時点の比較・検討から、デューデリジェンス、統合後のPMI対策まで十分な情報の精査と実態調査を行うことで、考えられるリスクを軽減します。
・専門家を活用する
交渉時や成約後に知識不足や対策不足に陥らないためにも、専門知識をもったコンサルタントやアドバイザリーを活用し、考えうるリスクや課題に対して適切な対策をとれるようにしましょう。
・まとめ
M&Aが目的化してしまった場合や、十分な対策が取られていなかった場合、自社の経営に悪影響をもたらす危険があります。専門知識をもったアドバイザリーを活用することによって目的の明確化や十分な対策を行い、自社に期待以上の利益をもたらすM&Aを行えるようにしましょう。
船井総研では、50年以上にわたる業種別コンサルティングの経験を活かした、M&A 成立後の業績向上・企業の発展にコミットするM&Aを目指しております。業種専門の経営コンサルタントとM&A専門のコンサルタントがタッグを組み、最適な成長戦略を描きます。