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工事業界における2022年のM&A振り返り

  • 建設業 M&Aレポート
工事 M&A

建設・工事業市場動向

建設需要の影響を色濃く受ける工事業。2022年1月から12月の大手50社の建設工事受注総額は16兆5482億円で、前年比4.8%増加しました。工事種類別受注高では、建築が11兆4984億円(前年比8.4%増)、土木が5兆498億円(前年比2.5%減少)という結果でした。(建設工事受注動態統計調査報告(大手50社調査)について)

2022年は新型コロナウイルスの影響が根強く残ってはいたものの、2021年から好調である新築住宅向けの工事や、リニア中央新幹線の開通工事、老朽化した下水管・首都高速の再整備、災害対策に向けた公共工事などもあり、前年に続き底堅く推移しました。

一方で課題も多く残されているというのが現状です。

人材不足

工事業を含む建設業全体では長時間労働や休日稼働、職務の危険性といった悪いイメージが未だ先行しており、新規の人材獲得が思うようにいかず慢性的な人手不足が続いています。また他業種との人材獲得競争や、新型コロナウイルスの影響から貴重な人材である外国人労働者の確保も低迷しており、より一層人材不足に拍車をかけている状況です。総務省による労働力調査では、1997年約685万人いた建設業就業者数は、2021年には約485万人と約200万人減少となっています。

高齢化

人材不足が進む中で、さらに深刻なことに建設業界の高齢化は加速しています。2021年の建設業就業者数では、55歳以上が35.5%、29歳以下が12%と高齢化が進行しており、次世代への技術承継が大きな課題となっています。その中でも特に深刻な問題なのが建設技能者数の高齢化です。総務省による労働力調査によると、2021年の建設技能者数のうち60歳以上が全体の4分の1を占めており、10年後にはその大半が引退することが見込まれています。若年層の処遇改善、働き方改革、生産性向上を一体として進めることが重要であると考えられます。

建設・工事業のM&A動向

建設・工事業界は毎年非常に多くのM&Aが行われる業界です。

その理由の1つとして広大な業界規模があげられます。日本の就業者数約6,700万人に対し、建設業就業者数は約485万人と全体の約7.2%を占めています。これは卸売・小売業、製造業、医療・福祉に次いでの大きさとなります。この業界規模の大きさから毎年多くのM&Aが行われています

また先ほども述べた通り、業界全体の高齢化もM&Aが多く行われる要因の1つです。高齢化に伴い事業から引退したいと考える経営者は多いものの、後継者となる人材の不足や、後継者候補になる従業員の高齢化などから会社を売却される経営者は多くいます。そのため、事業承継を目的として売り手から積極的にM&Aを行うケースも近年増えてきています。

一方で若手従業員の確保や技術承継を目的として、経営資源の1つであるヒトを目的としたM&Aも増加傾向にあります。このように建設・工事業界は売り手・買い手ともに非常に需要の高い業界であり、今後もM&Aは活発に行われていくと予想されます。

建設・工事業界の2022年M&Aのピックアップ事例

事例① 譲受:ジェコス株式会社 × 譲渡:株式会社オトワコーエイ

2022年2月にはジェコス株式会社による株式会社オトワコーエイの子会社化が発表されています。

ジェコス株式会社は仮設工事の設計施工など、建設業界の総合的な支援を重仮設工事の領域から行っている企業です。

株式会社オトワコーエイは、静岡県沼津市を中心に、地盤改良や本杭工事などの基礎工事や仮設工事などの施工工事を手掛けています。

ジェコス株式会社の高い営業力と、株式会社オトワコーエイの特殊環境下における高い施工技術力を組み合わせ、シナジー効果を期待してのM&Aとなっています。

事例② 譲受:株式会社テノックス × 譲渡:大三島物産株式会社

2022年4月には株式会社テノックスによる大三島物産株式会社の子会社化が発表されています。

株式会社テノックスは建築基礎工事大手で、テノコラム工法やガンテツパイル工法など、独自の工法を生かした基礎工事を行っています。

大三島物産株式会社は、静岡県を中心に建築・土木のパイル工事や、地盤改良工事等を行っています。

今回のM&Aにより、株式会社テノックスの高い技術力と、大三島物産株式会社がもつ静岡県及び周辺地域の基盤を組み合わせ、次世代スマートシティの構築や産業基盤整備等の狙いがあります。

事例③ 譲受:北陸電気工事株式会社 × 譲渡:株式会社スカルト

2022年9月には北陸電気工事株式会社による株式会社スカルトの子会社化が発表されています。

北陸電気工事株式会社は北陸地域を中心に電気工事や管工事等の設備工事を行っています。

株式会社スカルトは、総合設備業者として電気工事はじめ、土木、通信、建築工事まで幅広く業展開をしています。

今回のM&Aによって北陸電気工事株式会社は北陸地域でのさらなる商圏拡大につなげる狙いがあります。

おわりに

急速な変化に対応するための1つの選択肢としてM&Aを選択される企業は年々増えてきています。船井総合研究所は、日ごろから行っている現場コンサルティングの延長としての「企業永続の1つのあり方としてのM&A」をご提案させていただいております。単なるマッチングに終わるのではなく、その企業が永続的に発展できるためのサポートに力点を置いたものであり、船井総合研究所独自のM&Aのご提案になります。企業経営の大きな転換点となる決断を、そしてその先にある明るい未来に向かうために、船井総合研究所は全力でサポートさせていただきます。

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