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建設業の2023年の時流予測と建設業におけるM&Aの活用方法

  • 建設業 M&Aレポート
建設業 M&A

建設業の2023年の時流予測

建設投資の見通し

国土交通省総合政策局から「2022年度 建設投資見通し」(国内における全建設活動についての出来高ベースの投資額)を推計したデータが公表されています。これによると、建築・土木全体の建設投資額は2018年度で約62兆円、2022年度(見通し)は約67兆円ですから、ここ5カ年の傾向が続けば、2023年度は2~3%の成長率と考えられます。
建築の内訳では、住宅は減少、非住宅と建築補修(改装・改修)は増加という傾向は今後も続くと思われます。また、建築、土木ともに、公共は減少、民間は増加という傾向も大きく変わらないと考えられますが、国土強靱化関連の支出も加味すると、公共の下振れリスクも限定的ではないでしょうか。

資材価格

2023年1月に発表された日銀の展望レポートでは、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐとしつつも、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向をリスク要因として見ています。
国土交通省の資料(最近の建設業を巡る状況について)によれば、主要建設資材(異形棒鋼、H形鋼、セメント、生コンクリート、型枠用合板、ストレートアスファルト、再生アスファルト合材、軽油、厚板、鉄くず)の価格は、2020年の秋以降、急速に上昇しています。この影響による、建設投資の見直しや先送りのリスクは依然として続くものと考えられます

2024年問題

第三次安倍内閣下で成立した「働き方改革関連法」により、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用されます。
厚生労働省の資料には以下のような記載があります。

『これまで、建設業については、36協定で定める時間外労働の上限の基準(大臣告示)は、適用除外とされていましたが、令和6年4月1日以降、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができなくなります。また、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、以下の上限を超える時間外労働・休日労働はできなくなります。

・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について、 「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」 「5か月平均」「6か月平均」が全て1か月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月まで

上記に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。』

これらは、少子高齢化による労働者の人材不足、賃上げを迫られる中での対応になりますので、1人当たりの生産性低下、原価(労務費)の上昇リスクが懸念されるところです。

ESG・SDGsへの取り組み

ご存知の通り、企業規模を問わず、ESG(E:環境 S:社会 G:ガバナンス)、SDGs(貧困・飢餓をなくす、健康・福祉・教育の充実、働きがい・平等・安全安心・クリーンの追求、平等、エネルギー・環境・気候変動対策、まちづくりなどに関する目標)に対する各社の動きが活発化してきており、上場企業のIRでは必須のコンテンツの一つとなっています。「柳モデル」のように、ESGの取り組みがどの程度の価値を生み出しているかを論理的に算出するケースも増えてきています。
自社のホームページなどを活用して、対外的にESG・SDGsの取り組みをアピールする企業は更に増えていくと考えられます

M&Aの活用方法

時流から顕在化した課題

上記の時流から、各社が取り組むべき課題を大まかに整理すると以下の様になります。

1.リスク分散
2.低成長市場下での売上拡大
3.資材価格上昇対策
4.人材不足・人件費(労務費)上昇対策
5.ESG・SDGs対策

既存の経営資源のみでこれらの課題に対応していくのはかなり難易度が高いのではないでしょうか。

課題解決としてのM&A

そこで活用するのがM&Aです。5つの課題を解決するためのM&Aとしては例えば以下の様なものが挙げられます。

<例>
1.リスク分散             → 事業領域拡大のための資本提携
2.低成長市場下での売上拡大      → エリア域拡大のための資本提携
3.資材価格上昇対策          → メーカー・商社との資本提携
4.人材不足・人件費(労務費)上昇対策 → AI・DX会社・大手企業との資本提携
5.ESG・SDGs対策           → 環境関連会社との資本提携

ストラクチャーの多様化

M&Aのストラクチャーも、株式の100%譲渡のみならず、部分出資(第三者割当増資またはマイノリティ取得)+業務提携、事業譲渡、ジョイントベンチャーの立ち上げといった複数のパターンを上手く活用する企業が増えるはずです。
M&A仲介会社としては、より戦略的付加価値の高いトランザクションアドバイザリー全般を網羅する形への進化が求められるのではないでしょうか。

下記の建設業界2023年時流予測レポートも合わせてご覧ください。

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