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医療・介護 M&Aレポート

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医療業界(クリニック)M&Aのメリット・デメリット

医療業界(クリニック)M&Aのメリット・デメリット

  • 医療・介護 M&Aレポート

医療業界のM&A・特にクリニックのM&Aのメリット、デメリットについてお伝え致します。

病床20床以上が病院、19床以下を診療所(クリニック)と定義がなされており、当コラムでは、主にクリニッククリニックのM&Aについて解説していきます。

医療業界の動向とクリニックM&A傾向

近年、後継者不在によるM&A件数が増えていますが、株式会社だけではなく医療業界でも対象となります。

医療法により後継者には「医師であること」が求められるため、下記のような理由で承継を希望したタイミングでも適切な後継者が出てくるとは限りません。

✓医師(院長)が高齢・体調不良となり診療の継続が困難となった

✓子供が医師にならなかったケース、医師となっても帰ってこなかった。

✓診療報酬の改定の影響を受けた

✓経営難でも地域医療貢献のため閉院が難しいケース

✓建物の大規模修繕の予定や機械の大幅な入れ替えなど承継する子供に金銭的に大きな負担となるケース

管理者として医師免許を必要とされるため、後継者(親族)が医師以外の進路を選択した場合や、
医師でも別場所で開業・勤務医として継がないケースがあります。

また、親族外の医師を後継者として採用・育成することが難しいケースや、医師ではなく一経営者としての素質など複数の理由から第三者への譲渡を検討されています。

クリニックM&Aのスキームの選択と評価方法について

第三者が受け継ぐM&Aの場合に譲渡方法が個人事業か、医療法人によって譲渡方法が異なります。

譲渡を行う際のスキームについて

✓持分譲渡…持分あり医療法人に適用。許認可の承継が可能。内部留保を退職金として充てる方法も可能。

✓事業譲渡…施設のみ譲受を行う。持分なし医療法人や個人事業主の場合に適用。
      持分あり医療法人にもにも適用は可能だが一般的には持ち分譲渡スキームを活用します。
      行政届け出関連書類、賃貸借契約、従業員の雇用契約など全ての契約のまき直しが必要。

✓退社入社方式…持分なし医療法人の場合よく使われるのが、譲渡者である社員が退社をし、
        譲り受ける側の社員が入社し、社員の入れ替えを行うと同時に役員(理事、監事)の
        変更を行う手法です。この際の対価は役員退職金で受け取るのが一般的です。

✓合併…買い手の既存医療法人へ合併を行う。都道府県知事の認可が必要になるので、
    事前に合併の認可申請の手続きを行う必要があります。

それでは、譲渡対価の計算方法について手法とともにまとめたものが下記の内容となります。

✓持分譲渡

ネットキャッシュ(現預金同等物-負債)+EBITDA(営業利益+正常収益力)3倍前後
※診療科目・立地によってはEBITDA倍率が変動します。

事業譲渡

事業譲渡では、企業価値=事業用資産+営業権を指します。
※事業用資産とは、決算書上にある医療用機器含む文字通りの事業を行う上で必要な資産です。
一方、非事業用資産とは、会員権など私的なもの含め事業を運営する上で譲受側が必要としないものになります。

✓一般的な退職金の計算方法

役員退職金=最終月額報酬×勤続年数×功績倍率
※理事長の功績倍率は通常3倍程度とされております。
これ以上の金額を支払う場合は、医療法人の損金算入できなくなる場合があります。

医科・歯科問わずクリニック譲渡の譲り受ける側の目線のとしては下記の通りです。

買い手の目線は、「ゼロからの新規開業費用>M&A費用」であれば新規での出店をM&Aによって決断します。

そのため売り手の譲渡希望価格と買い手の譲渡希望価格の目線が折り合わないケースも出てきます。

その際に参考値としてお考えいただきたいのは、買い手・売り手にとって今、手にできるものと将来発生しうるコストとのバランスです。

買い手は定期的・継続的な患者の集患の難しさ、スタッフの採用、知名度の向上など出店以外でも対応すべき経営課題とその対策として将来的に発生しうるコストは多々あります。

売り手は今売却すると現金が手に入ることと、院長として給与をもらい続けた場合など「手にする現金の価値とタイミング」を重視しがちですが、M&Aではなく閉院にも手間と時間がかかることを検討材料の一つとしてご検討ください。

例えば、廃業時の設備・建物を撤収するにも原状回復費用がかかること、院長の高齢化に伴って患者の年齢層も高齢になり自然減による財務状況へ影響が出ることなどから決定を後倒しにするほど選べる選択肢が少なってしまうためタイミングを慎重に見極めることが重要です。

医療業界M&Aにおけるメリット

医師には定年がないため、医師自身が勇退のタイミングを決めるべき時がきます。また医療法により後継者には「医師であること」が求められるため、承継を希望したタイミングで適切な後継者が出てくるとは限りません。

✓医師(院長)が高齢となったが、患者のため閉院ができなくなっている。

✓子供が医師にならなかったケース、医師となっても帰ってこなかった。

✓診療報酬の改定の影響を受けた

✓経営難でも地域医療貢献のため閉院が難しいケース

✓建物の大規模修繕が予定され、承継する子供に金銭的に大きな負担となるケース

何らかの事情があって閉院できないと、医師自身の勇退がいつまでも目途が立ちません。
また地域医療貢献のため診療の継続が求められている地で、後継者に負担を大きく残さず上記の経営課題を解決する方法としてM&Aが選択されています。

✓地域医療を守ることができる

売り手のメリットとして、継続してきた診療活動を続けていくことができます。
一方、買い手としては新しい地で集患活動を行う前に患者を引継ぎことができます。

✓清算・新規参入に関する費用を抑えることができる

売り手のメリットとして、清算にかかる手間・費用を抑えることができます。
買い手も、新規でのスタッフの採用や集患活動の手間・費用を抑えることができ、新規開業するよりも採用・集患対策が省略でき、初期投資費用も抑えることができます。

医療業界M&Aにおけるデメリット

M&Aを行った場合に下記のようなデメリットもあり、事前に適正な評価の査定、引継ぎ条件のすり合わせを慎重に行う必要があります。

✓適正な価格での成約が実現しにくい

前述の通り、買い手は「ゼロからの新規開業費用>M&A費用」で新規開業を行うか、M&Aを行うか判断材料とすべきですが、主に当事者同士の場合、売り手は高く売りたい、買い手は安く買いたいといった観点から適正な価格での売買が実現しにくい傾向にあります。

知り合いだから相場より安く売ってしまった、高く買ってしまったというケースもございます。弊社では無料価値算定も行っておりますので、是非お申し付けください。

✓管理医師の引継ぎ期間が明確になりにくい

一定期間、引継ぎとして残れるか他業種M&Aでも必ず論点に挙がる点になります。
仮に管理医師が引継ぎで残れる場合に、どういった役職、給与、期間で残るかといった諸条件の調整が必要です。

また管理医師が引き継げない場合、買い手は自ら管理医師を送員できるか、採用できるかといった人事配置を検討する必要があります。

上記の引継ぎ期間・条件を事前に整理しておかないと、売り手は想定より完全引退に時間がかかった、買い手は想定より早く代替管理医師を用意する必要ができてしまったなどトラブルにつながりやすいケースです。

医療業界M&A後の対応について

買い手側の計らいとして前任のベテラン医師と新任ドクターの引継ぎ期間は双方合意の上で希望されることがあります。

また売り手側からも患者さんへの責任感から完全引退は気がひけるという売り手側の声も伺います。
双方との相談で詳細条件を定めていきますが、常勤ではなく非常勤として診察に携わるなど譲受後のライフプランは多様です。

船井総研では、医療業界専門の経営コンサルタントとM&A専門のコンサルタントがタッグを組んで譲渡側・譲受側の先生方とひざを突き合わせながら、患者さん、スタッフとの関係構築を図る条件調整など、ご希望の条件をご相談にのりながら調整してまいります。

医療業界・クリニックのM&Aを検討される際は、ぜひ船井総研M&Aまでご相談ください。

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