M&Aの進め方【1】(M&Aの相談相手)
- M&Aの進め方
多くの方のご相談を受けさせていただいていると
「地域の同業他社の社長さんより、会社を買って欲しいと相談されている」
「社員急増に伴い、M&Aによる事業拡大を検討中」
「現事業を売却し、新事業に乗り出したい」
「個人事務所で長年やってきたが、息子は既に別の仕事をしており、第三者に承継してもらう事を検討中」 等々
と様々な質問をうけることがありますが、意外に多い質問以下の質問です。
「M&Aを誰に相談し、どの様に進めるべきか、分からない」
確かに、会社規模を問わず、M&Aを経験する機会は多くて1,2度程度までが一般的なので、当然の質問と言えるでしょう。
「M&Aの進め方」について数回に渡りお伝えしたいと思いますが、なにぶん、大きなテーマとなりますので、コメント程度の分量となる事、ご容赦頂ければ幸いです。
1.M&Aを誰に相談するべきか?
会社や事業を売ろう(買おう)と思った時、先ず誰に相談するべきなのでしょうか?
売る場合と買う場合の進め方に違いはありますが、双方共通する点をお伝えしたいと思います。
〇売却検討も購入検討もメンバーを限定する必要がある。
売却検討の場合、当然ながら社員に知られると不都合なので社長および腹心の2名程度が望ましいでしょう。また、顧問税理士や弁護士は売却検討が本格化した後の実務関与でも遅くはありません。
初期のポイントは、「どの様な希望条件でどの候補先に打診すべきか?」になりますので、業界のM&A動向に詳しい専門家が望ましいでしょう(手前味噌ですが、弊社の様な業種に明るいコンサルティング会社や業種専門のM&A会社が良いと思います)。理由としては、会社規模を問わず実際に買う意向が強い会社の情報を持っている点と、取引事例による市場価格を知っている点です。
市場価格が全てではありませんが現実的な水準を知った上で交渉すべき金額やその他条件を整理し望む必要があります。買う意思がない会社を五月雨式に打診する事は情報漏洩リスクも高まりますので得策ではありません。また、親しい先だからといって社長様によるTOP交渉は相手方も困るのが実情ですので、専門家に任せる事が良いでしょう。
購入検討の場合も検討メンバーを限定する必要があります。
社内の関係部署を巻き込み検討したい気持ちになりますが、意外と多いのが社内のメンバーによる情報漏洩です。社内メンバーの1人がうっかり外部に漏らした事で相手方の会社の耳に売却の話が入った場合、案件そのものが無くなる可能性があります。また、資金調達が気になり金融機関に相談するケースもありますが、正直、信用できない場合もあります。
売却検討も購入検討もメンバーを限定する事。さらに言えば、専門家による検討および交渉を依頼する事が最適と言えます。
船井総研入社後は専門サービス業の経営コンサルティング部門の統括責任者として多数のM&Aを経験。現在は、M&A部門の統括責任者をつとめる。買って終わり、売って終わりではなく、M&A後の企業成長を実現するマッチングに定評がある。過去経営支援を行ってきた企業は200を超える。
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