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M&Aコンサルティングレポート

M&Aの流れ~「売る」までの10のステップ

M&Aの流れ~「売る」までの10のステップ

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M&A

M&Aを検討し始めたら最初に行うべきことは「自社の企業価値を知る」ことです。そのためには、まずはM&Aのサービスを提供しているプロに査定を依頼することが重要です。

1社だけでなく、数社に査定をすることで市場の相場観を正しく知ることができるので、数社に査定を依頼することをお勧めします。

特に、業種に特化したM&Aサービスを提供している会社のほうが、相場観を熟知している傾向にあります。あるM&A仲介会社では譲渡査定額3億円だった企業が、業種特化の仲介会社が手がけたことで13億円で成約したケースもあります。

決算書の数字が重要な指標であることは、どの査定においても変わりませんが、M&Aサービスを提供する会社が、業界の特性、会社の特性を正しく理解しているかどうかでM&A対価は大きく異なりますので、気を付けましょう。

「売る」までの10のステップ

下記が、M&Aの一般的な流れです。

  1. 企業価値査定
  2. M&A仲介契約の締結
  3. 企業概要書の作成
  4. 譲り受け候補先の選定
  5. 譲り受け候補先への提案
  6. トップ面談
  7. 基本合意契約
  8. 買収監査(デューデリジェンス)
  9. 最終条件の調整
  10. 最終契約の締結・クロージング

①企業価値の算定

決算書の数値、業界における譲渡対象企業の強み、特徴などを加味しながら、企業価値の査定を行っていきます。

価額を出す手法は一般的にはどのM&A仲介会社でも同じですが、その中に業界特性や会社の強み・特徴を加味することができるかどうかにより、成果が大きく異なっていきます。

②M&A仲介契約の締結

納得のいく、相性のよいM&A仲介会社が見つかった場合、仲介契約を結び次のステップに進んでいきます。

仲介契約は、専任契約と非専任契約があります。専任契約は1社のM&A仲介会社のみが会社の情報を取り扱う形です。一方、非専任契約の場合は、数社のM&A仲介会社が譲渡対象企業の情報を取り扱うことになります。

また、M&A仲介会社によっては、仲介契約を結んだ時点で、着手金が発生する場合もあります。

③企業概要書の作成

M&Aの業界では、インフォメーション・メモランダム(IM)と呼ばれる、譲渡対象企業の状況・特徴をPRするための企業概要書を作成します。

この企業概要書次第で、譲渡対象企業の強みや特徴が譲り受け企業に伝わるかどうかが決まります。

M&A仲介会社には、「業界的にはこれは一般的かな」と思う内容も話をすることで、自分たちでは気づかない自社の強みに気づくことができる場合もあるので、しっかりとM&A仲介会社と対話をしながら進めていきましょう。

④譲り受け候補先の選定

M&A仲介会社が、譲り受け企業の候補となる企業を挙げます。通常は、ロングリストという100社近くの候補先企業の中から、候補となる数社の企業を選定していきます(数社のリストをショートリストと呼びます)。

ただし、業界に精通しているM&Aコンサルタントは、最初から精度の高いショートリストを作成し提出してくることもできます。どちらが良い悪いということはありません。自社の視点になかった企業と交渉できる可能性もありますので、しっかりとリストを精査していきましょう。

⑤譲り受け候補先へのアプローチ

譲り受け企業に対して、「ノンネームシート」を使ってM&A仲介会社が声がけをしていきます。

ノンネームシートとは、企業が特定されない基本情報が書いてあるシートとなります。

そのシートを使い譲り受け候補企業へ声かけを行い、M&Aに興味があるかどうかの意思を確認していきます。

意思があると表明された譲り受け企業とNDA(秘密保持契約書)を結び、企業概要書(IM)を見せます。企業概要書を確認してもらい、譲り受け企業に興味を持った場合は次のステップに進みます。

⑥トップ面談

譲渡対象企業の経営者(orオーナー)と譲り受け企業の経営者(orオーナー・責任者)が面談を行います。お見合いのような形で、両社がお互いのPRを行いながら、お互いの相性が合うかどうかを確かめます。

また、企業概要書から読み取ることのできなかった点に対して、譲り受け企業側から質問が出る場合もあります。一方で、譲渡企業側からも、譲り受け企業に対しての質問を投げかけながら、お互いの目に見えない不安の解消を行っていきます。

⑦基本合意契約

トップ面談を通じ、両社の相性を確かめ合い、お互いが次のステップに進むことを決断した場合、条件を織り込んだ基本合意契約書を譲り受け企業側が作成します。基本合意契約書の条件を基に、この後のステップの交渉が進んでいきます。

売主(譲渡企業)側からの要望も正確に伝えながら、基本合意契約書に織り込んでもらう必要がありますので、要望はM&A仲介会社に正確に伝えるようにしましょう。譲り受け企業側からは数か月間の独占交渉権を希望される場合が多くあります。

基本合意契約の時点で、中間報酬が発生するM&A仲介会社もあります。

⑧買収監査(デューデリジェンス)

譲り受け企業が本格的な調査を開始します。会計、労務、法務、ビジネス、その他の面で簿外債務やリスクがないか、自社とのシナジー(相乗)効果、市場環境の確認、業績を伸ばすために取り組むべきことは何か等を調査します。

譲り受け企業にとってのリスクの把握、そして、何よりも譲渡企業がM&A後にどのように成長していくのか、を細かく調査していくステップです。

期間としては通常1~2か月が目安ですが、まれに3か月程度かかることもあります。

⑨最終条件の調整

デューデリジェンスを受けて、条件の最終交渉に入ります。デューデリジェンスが順調に進み、簿外債務等がない場合は基本合意契約通りの条件で進む場合もあります。一方で、簿外債務が見つかった場合、何らかのリスクが発見された場合は、減額交渉や条件を付け加えられることもあります。

お互いが納得した時点で最終ステップの契約締結・クロージングへと進んでいきます。

⑩最終契約の締結・クロージング

最終の条件のすり合わせができたら、最終の契約書となる、株式譲渡契約書(SPA)の作成に入ります。譲り受け企業側が雛型を作り、譲渡企業側が確認、修正依頼をかけていくという手順を踏むのが一般的です。

双方が納得したうえで、調印を行った後に、株式譲渡対価が支払われクロージングとなります。

中小企業のM&Aの場合は、調印日と株式譲渡対価の支払い日が同日というケースも多くあります。クロージング日と同日に、M&A仲介会社に成功報酬を支払います。

>>株式譲渡についてはこちらのページもご覧ください

M&Aでの価値のつけ方 3つの考え

企業価値の算出方法には大きく分けると3つの考え方があります。

①コストアプローチ(譲渡企業の純資産価値に着目し算定する評価方法)

中小企業のM&Aにおいて使用することが多いのが、コストアプローチでの算出手法です。企業の保有している資産および負債をベースにして株式価値を算出します。

その中でもよく用いられるのは「時価純資産法+のれん(営業権)」の計算方式です。BS(貸借対照表)を時価換算し時価純資産を出します。

しかし、それだけでは将来的な収益力を加味することができないため、「営業利益×3~5年」をのれん代(営業権)として、時価純資産に足し戻して算出します。

※業種・業態によって、掛け合わせる年数が異なります。

②マーケットアプローチ(株式市場やM&A市場における取引価格を基準に算定する評価方法)

株式市場やM&A市場におけるM&A取引価格を基準に算定する方法です。中小企業のM&Aは、同じビジネスモデル、かつ、同規模の上場企業を探し出すことが難しいという欠点があります。マーケットアプローチの中でも特に日本で一般的に使われるのが、類似企業比較法です。

・類似企業比較法

類似企業比較法は、業種や企業規模、収益性という観点で類似した上場企業を複数選出した上で、類似企業の事業価値(株式時価総額+純有利子負債)をEBITDA(償却前利益)で割り出し、EBITDA倍率(マルチプル)を算出します。

類似企業のマルチプルの平均を出し、自社のEBITDA(償却前利益)にかけ戻して、自社の企業価値を出すという方法です。

③インカムアプローチ(譲渡企業の収益力に着目し算定する評価方法)

インカムアプローチとは、譲渡企業に今後見込まれる収益やキャッシュフローから、リスクなどを考慮して企業価値を算出する評価方法です。

新規事業を手掛けている最中の場合、現在は赤字でも将来的には大きな収益を上げる可能性を秘めている場合もあります。その際は、事業の将来価値を見込んで企業価値を算出する必要があります。

一方で、あくまでも将来の収益力を見込んで企業価値を算出するため、情報に対する恣意性が排除されづらいという難点もあります。その中でもよく用いられる1つの手法は「DCF法」です。

・DCF法(Discounted Cash Flow =割引キャッシュフロー法)

将来、見込まれるキャッシュフローから、リスクの大きさに合わせて設定した割引率(将来的な価値を現在の価値に直すための利子率)を引き算出します。事業計画を作り、将来のキャッシュフローの予測を出すことが必要になります。

会計上に現れない無形の資産(のれん代)についてもDCF法では加味されるため、現在の決算書やキャッシュフローだけでは測れない企業価値を測ることができます。

ただし、事業計画通りに事が運びそうかどうかを、デューデリジェンスで判断し、割引率の設定をしていく必要があります。

M&Aの譲渡対価の算出の方法は上記以外にも様々な手法があります。1つの手法で企業価値を算出するのではなく、複数のアプローチ方法で企業価値を算出することをオススメいたします。

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