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飲食業界M&A:飲食店は閉店するな!原状回復するな!現金化せよ!

  • 飲食 M&Aレポート

飲食店の動向

現在飲食店経営者の皆様におかれまして、コロナ渦での飲食店経営は非常に苦慮していると思います。実際に私のところへもたくさんの閉店相談を頂いております。特に立地ではインバウンドエリアや、ビジネス街、繁華街の地下店舗や空中階のご相談が多く、業態別だと居酒屋や高級飲食店や多人数をターゲットとしていた飲食店からのご相談が増加しております。

飲食店のM&A手法

飲食店のM&Aは大きく分けて、株式譲渡事業譲渡に分けられ、事業譲渡の中でも大きくは下記の3つのパターンがあります。

1、店舗造作譲渡

 ・店舗造作資産(設備・機器・内外装)

 ・土地建物賃貸借権(不動産契約)

2、店舗事業譲渡(店舗造作資産・営業権)

 ・店舗事業営業権(店舗造作以外にも従業員(人財)、マニュアル、取引先、のれん)

 ・土地建物賃貸借権3、フランチャイズ店事業譲渡(営業権譲渡・難易度高)

 ・FC店舗事業営業権・土地建物賃貸借権

 ・FC加盟権(加盟金・保証金等、別途FC本部が定める費用と契約が生じる場合が多い)

船井総研のM&Aコンサルティングでは、他のM&Aブティックが行っていないような1店舗からのM&Aマッチングが可能です。

飲食店の閉店にかかる費用

飲食業を含む店舗事業者様におきましては、店舗が赤字に陥った場合、当然「そろそろ閉店しようか・・・」と考えられることもあると思います。しかし、飲食店の閉店とは簡単に言いますが、閉店することは財務上大きく資産のマイナス要因となってします。また、大きなキャッシュアウトも伴い、時には企業の存続に関わる重要事項となり、簡単に判断することが出来ないのが飲食店の現実ではないでしょうか。例えば、店舗を賃貸借契約にてお借りしている場合は契約内容によって、

・契約期間満了まで借りていないことによる敷金

・保証金の没収・賃貸借契約解除に伴う空家賃や違約金の発生

・原状回復義務に伴う店舗解体工事費の発生

・リース品の買い取り及び契約残存期間の一括費用支払い

・固定資産除去損の計上

・食材消耗品や備品等の一括廃棄費用

などなど、通常は閉店するだけで数百万円~数千万円が発生するケースが多いと考えます。

しかし、このコラムを読んでいただいている皆様は悲観ばかりしないで下さい。船井総研では飲食業などの店舗M&Aに精通する専門コンサルタントが多数在籍しています。賃貸店舗はもちろんのこと、土地建物の不動産付きの店舗や、フランチャイズ店舗、赤字の不採算店舗やショッピングセンター内の店舗など、様々なケースでの売却実績がございます。店舗M&Aは売手側のデメリットである撤退費用が無くなり、現金収入が得られることにメリットがあり、買手側は新規出店するよりも安い費用で出店できることから、売手買手双方のメリットが大きいことが飲食店M&Aの魅力です。飲食店M&Aのデメリットとしては、通常の閉店とは異なり、売手側と買手側との調整が発生致しますので、売却活動から譲渡契約まで早くて3か月程度を見込む必要があります。売手側と買手側のメリットをまとめると下記の通りです。

飲食店M&Aのメリット

■売手側

・現金収入が得られる

・撤退費用最小化原状回復費(解体費用)、

 空家賃、建物賃貸借契約やリース解約に伴う違約金など

・敷金保証金の返還・雇用が守れる

・屋号や想いを引き継いでもらえる

■買手側

・開業費用が抑えられる(内外装造作及び、厨房・ダクトなどの設備投資)

・新規出店時の障害が少ない(近隣とのダクトや排煙調整、営業許可など)

・出店までのスピードが早く、空家賃が少ない

・従業員が引き継げる為に採用費が少ない(採用費最小)

・ノウハウ、取引先、マニュアルなどが引き継げる

飲食店M&Aのデメリット

■売手側

・経済条件や家主との契約内容調整に時間がかかる

・譲渡が決まらない期間の精神的、金銭的負担

■買手側

・中古設備や中古造作を引き継ぐので、メンテナンスが必要

ただし、デメリットを凌駕するメリットがあるので、積極的にM&Aを活用すると良いと私は考えます。

飲食店のM&Aで気を付けておくべきこと

飲食店のM&Aで気を付けなければいけないことは、従業員や第3者へ情報が漏れないことが非常に重要です。万が一、従業員に情報が洩れてしまった場合は、今後の不安から退職者が増加したり、良からぬ噂が出回ったりするケースがあります。また、店舗の譲渡対象物を明確にしておく必要があります。店舗設備や造作物以外にも、リースやレンタル品の取り扱いはどうするのか、従業員の処遇はどうするのかなど、電気ガス水道などのライフラインの契約、クレジット契約やその他仕入先情報やマニュアルレシピなど、様々な譲渡対象物を整理しておくことが重要です。

飲食店のM&A相場

飲食店M&Aの場合、よくある価格の算出例として、下記の算出例が使われることがよくあります。

■黒字店舗

①年倍法:固定資産額(簿価)+営業利益年2~4年

②EV/EBITDA法:EBITDA2年~4年

■赤字店舗

①無償譲渡(0円)

②固定資産額(簿価)

③アドバイザリー手数料同等額

実際に昨年私が担当した案件の中で、地方ロードサイドにて居酒屋のフランチャイズチェーンに加盟するオーナーより、閉店相談を受けた際は赤字店舗にも関わらず、残存簿価額の700万円(税別)で店舗売却することができました。もしそのまま閉店していたら、敷金の没収や建物をスケルトンに戻す費用などで、1,000万円程度のキャッシュアウトを想定していたとのことでしたが、船井総研のM&Aコンサルタントが早期に買手企業様をご紹介し、なんと1社目の店舗内見にて意向表明を頂くことができ、店舗資産譲渡契約を交わすことができました。

解雇を予定していた従業員も、買手企業様の新しい店舗に全員が同条件の雇用契約にて移籍することができ、非常に喜ばれておりました。家主様も現状の賃貸借契約の経済条件を引き継いで頂けるため、空家賃期間が無いことや、新たに仲介手数料が発生しないことから、とても喜んで頂けました。

今回のケースにおいては、買手企業様はラーメン店を積極展開する企業様でしたが、ラーメン業界も人員不足ということもあり、売却対象店舗からスタッフが移籍して頂けることは、飲食業としての初期教育が行われている従業員たちばかりということもあり、非常に助かるとのことでした。まさに、売手企業、買手企業、家主、従業員がALLWINとなった船井総研らしい店舗M&Aの成約事例でした。

この店舗M&Aのケースでは、買手様が店舗資産以上に、業界NO,1企業のナショナルチェーンがこぞって出店するような一等立地(国道の角地)で、大型駐車場を完備していたことが大きなポイントとなりました。次にご紹介する成約事例ですが、フランチャイズ加盟にて焼肉店を運営する企業様より、コロナによって遠隔店舗がマネジメントしにくくなったことと、今後スタッフの不足を予定しており、売上の減少を見込むので利益が出ているうちに売却できないかというご相談でした。

対象店舗は東日本を中心にFC展開するメガフランチャイジーの企業様で、本社より5時間程度の移動時間がかかるような店舗の売却案件でした。しかしながら、対象の焼肉店は2年前の営業利益は500万円、1年前の営業利益は700万円、直近の営業利益は1,000万円と業績が堅調だったこともあり、すぐに買手が決まり、希望価格の営業利益4年分とする4,000万円(税別)で売却が確定しました。

この店舗M&Aが成約に至った成功の秘訣は、まさに営業利益が右肩上がりだったことが大きな要因でした。2年前の営業利益500万では当然4,000万円では売却できず、1年遅れていて営業利益が下がった状態での希望価格は通らなかったと考えます。まさに飲食店の事業承継はタイミングが非常に重要であるということが分かる案件でした。

また、本案件はFC本部との交渉が発生する案件でしたが、事前に売手候補企業様がFC本部の担当スーパーバイザー(SV)にご確認頂いていたこともあり、買手候補企業様が新たにFC加盟金をお支払い頂くことが条件ということも事前に確認することができ、チェンジオブコントロールの調整も非常にスムーズに調整することができました。

飲食店のM&Aを検討し始めたら最初に行うべきこと

まず飲食店のM&Aを検討し始めたら、M&Aコンサルタントに相談することが重要です。我々船井総研の飲食業をはじめとする店舗専門コンサルタントは、飲食店経営者様に親身に寄り添い、最善のスキームと売却価格を試算し、相場取引例も含めて、現実的に売却できる価格のご提案を行わせて頂くことが可能ですし、なによりも初期相談は無料であることが経営者にとってはうれしいところではないでしょうか。

また、船井総研のご支援先企業様には成長意欲が高い企業様が多いことや、飲食業に精通したコンサルタントが在籍することも、船井総研の強みだと考えます。是非自店舗の方向性を考えた際は、閉店する前に船井総研のM&Aコンサルタントにご相談下さい。きっと明るい未来が見えてくるでしょう!

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