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税理士・会計事務所における2022年のM&A動向の振り返り

  • 士業 M&Aレポート

税理士・会計事務所業界の動向

日本税理士会連合会発表の、令和5年1月末日時点での税理士登録者数は80,467名となっており、登録者数は増加し続けている状況です。
一方で、税理士試験受験者数は過去10年の中で、令和3年度を除いて減少を続けており、税理士試験合格者数も減少を続けています。
以前実施された税理士実態調査の結果を見ても、税理士登録者数のうち50%以上が60歳以上となっています。
そのため、そう遠くない将来、税理士登録者数が純減する状況が来ることは間違いなく、廃業・解散という結果となる前に、承継としてのM&Aは今後増加してくることも間違いないといえる状況にあります。

業界を問わずM&Aの件数が増え続けている中においては、M&A事態の捉え方も変わってきています。いわゆる高齢や後継者不足に伴うM&Aではなく、M&A後も継続して事務所の経営に関わり、所長としてのポジションは継続しながら大手事務所の傘下に入り、所長の得意な業務や強みを活かしつつ、弱みとなる部分をフォローし合うような組織作りを行い、将来の不安を解消しつつも事業は継続する、「成長支援型」のM&Aが広がってきています。

税理士・会計事務所業界の2022年のM&A件数

BATONZレコフデータで開示されている情報から2022年の税理士・会計事務所のM&Aの件数としては、全体で3件程度と非常に少ない件数となっています。
しかしながら、公表されていないものの船井総合研究所が独自で収集した情報を確認すると、2022年は全国で10件程度M&Aが発生していると思われます。

税理士・会計事務所業界におけるM&Aのパターンとは

M&Aと一言で言っても、その理由や目的は複数パターンがあり、個別の事情により変わってきます。2022年私たちが聞いた税理士・会計事務所業界のM&Aのパターンも代表的な3パターンのケースがありますので、その内容をご紹介させていただきます。

2022年の税理士・会計事務所業界で発生したM&Aの中身を見ると、多くが「事業承継」を目的としたM&Aとなっており、代表のご年齢やご病気がきっかけとなり、他に資格者がいない個人の税理士事務所において、顧問先及び従業員の引継ぎを主な目的としたM&Aが多くのパターンを占めているようです。
こうした話はあまり表には出ないものの、地域内のコミュニティーや人脈の中で合話が上がり、その中でM&Aが行われているケースが多くあります。
ご病気の時などは特に期間が迫っており、短期間でM&Aの実行まで進みます。

また、それ以外に2022年頃から増加してきたケースが、「顧問先の一部売却型」のM&Aです。
コロナウィルスの影響も明けつつある中、税理士・会計事務所業界においても、採用が大きな課題となってきており、職員の退職をきっかけとした顧問先担当の再配分が事務所の中で完結せず、顧問先の絶対数を下げざるを得なくなり、一定数の顧問先のみをまとまってM&Aするパターンです。
事務所の中で何とか対応できることが理想ではあるのですが、その分の負担を職員の方に負ってもらうことにより、更なる退職リスクが高まるという負のスパイラルが起きてしまうことを防ぐため、顧問先を手放す選択をされるケースが出て来ています。

最後に、冒頭でもお伝えさせていただいた「成長支援型」のM&Aです。
税理士・会計事務所の特徴ともいえるのですが、資格者としての実務能力と経営者として求められるマネジメント能力やマーケティング能力はそれぞれ「=(イコール)」の関係ではなく、すべてにおいて力を発揮する方もいれば、どれかの能力が突出している反面、苦手な部分を持つ方もいらっしゃるのが実情です。
単独で経営をしていく中では、たとえ苦手でもそれぞれの業務をやらざるを得ないところがあるのですが、苦手な部分を補完する関係をM&Aにより達成し、事務所としての成長をさらにスピードアップさせるための選択としてM&Aの手法を考えるパターンが出て来ています。
M&Aが一般化され、人材の課題を解決できる事務所とそうでない事務所が分かれる中、今後この成長支援型のM&Aを利用する事務所は徐々に増加していくものと思われます。
売却・引退ではなく、M&Aをきっかけにさらに事務所を成長させるこの手法は、顧問先の中でも増加してくることと思われます。
今後の成長課題の解決手法としてのM&Aをぜひご検討ください。

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