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2020年8月31日まで!~事業承継トライアル~

  • 事業承継
事業承継トライアル

1.後継者不足が続くニッポン

企業を数十年と経営されていらっしゃる方は「事業承継」の言葉が脳裏に浮かぶ頃なのかもしれません。また、すぐに承継が必要しなくても、自社の長期ビジョンを考えると「事業承継」を必然的に考えないければなりません。廃業ではなく事業承継を選ぶ場合は、誰に・どう継承するかが問われますが、後継者不足の言葉が散見されます。

事実、後継者不足の状況は変わっていません。平成30年度の中小企業機構のアンケートによりますと「後継者が見つからない」と回答した2390名の方のうち、約8割が後継者候補がいないことを理由に挙げています。

これに対し、国税庁が事業承継税制を導入したり、中小企業庁が経営者保証に関するガイドラインを発行したりと、承継の妨げとなる相続税・贈与税の猶予や経営者保証の解除に向けた施策を打ち出しています。しかし、事業承継を取り巻く環境は大きく変わらず、とうとう中小企業庁が後継者不在の中小業と経営者候補人材のマッチングに乗り出しました。それが「事業承継トライアル」です。

2.事業承継トライアルとは

2-1.事業目的

事業承継トライアルHPによると
「第三者への事業承継を検討する中小企業と、後継者として入社を検討する外部人材とをマッチングし、入社後の経営者教育をサポートする中小企業庁の事業です。入社した後継候補者が未来の経営者として成長できるよう、経営の専門家であるメンターが企業の人材育成をフォローします。後継者育成を通じて、現在の経営者から未来の後継者へと円滑な事業承継が進むことが本事業の目的となります。」としています。
賛同された中小企業オーナーの方に申請書類を送付していただき、入社意思が固まった後継候補者が雇用契約を結び入社準備を進めていきます。入社後は、企業が作成した育成計画に沿って、実地訓練(OJT)と社外研修(Off-JT)が行われます。また、メンターが企業訪問し、後継者育成のフォローアップを行います。
以上のような取り組みを通して、円滑に事業承継を進めるという目的達成を目指します。
本事業は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連した緊急事態宣言に伴い、面談イベント等が中止されたため、2020年8月31日まで企業側の公募が延長されました。

2-2.特徴

特徴として「①第三者承継に向けたマッチング ②入社後の育成フォローアップ」の二つが挙げられます。
①は中小企業では得られにくい第三者承継の候補者選定の機会が得られます。第三者候補は「経営に興味がある」「自身のスキルや知見を活用したい」といった名目で公募をかけており、よりマッチングしやすい人材が集まります。
②は第三者承継の際にネックとなる後継者育成を専門家が入社後からフォローアップするため、後継者育成のノウハウがない中小企業にも参加しやすいものとなっています。
したがって、中小企業側のメリットには次の3つが挙げられるでしょう。
① 親族・自社以外での後継者候補を探すことができる
② 第三者承継の課題である自社の育成力を養うことができる
③ 自社の経営ノウハウや知見を体系的に伝えることができる

2-3.応募企業要件

次の(1)~(5)の要件を満たしていることが応募企業には求められます。なお、建設業・製造業・卸売業・小売業を営む中小企業・小規模事業者等であることが望ましいとしていますが、要件には入っておりません。
(1) 応募企業は日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。
(2) 応募企業の経営者又は役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。反社会勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。
(3) 応募企業は、法令順守上の問題を抱えていないこと。
(4) 応募企業は、経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていないこと。
(5) 応募企業の事業が、以下のいずれにも合致しないこと。
① 公序良俗に反する事業
② 公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 121 号)第 2 条において規定される各営業を含む)

2-4.必要書類

個人事業主も本事業の対象となっていますが、今回は法人に絞って紹介いたします。
①申請書(様式1):1部
②後継者人材要件書:1部
③育成計画書:1部
④誓約書兼同意書:1部
⑤応募書類チェックリスト:1部
※上記①~⑤はこちらに様式がございます
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2020/200401jigyoshoukei.html
⑥直近 3 期分の決算報告書の写し(損益計算書、貸借対照表):1部
⑦直近 1 期の法人税税務申告書の写し:1部
⑧登記事項証明書(現在事項全部証明書):1部
⑨《任意》その他、加点に資する参考資料、事業内容がわかる資料等

上記いずれも2020年8月31日に事務局必着となっております。

3.最後に

ここまで事業承継トライアルについてご説明致しましたが、いかがでしたでしょうか。

今回は事業承継の課題の一つ、後継者候補に関するタイムリーなコラムでしたが、保証や相続など他にもご不安お抱えなのではないでしょうか。弊社では経営者保証の外し方や資金繰り改善といった承継のための前準備からサポートさせていただいております。事業承継をよりスムーズに行うためにもお困りのことがございましたら、一度ご相談くださいませ。ご一緒に貴社に則した承継スキームを検討してまいります。

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