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IT業界における2022年のM&A動向の振り返り

  • IT・WEB・ソフトウェア M&Aレポート

IT業界背景と2022年のM&A市場動向

ITに分類される業種としましては、システムやアプリ・ソフトウェア・情報処理・通信インフラなど、情報技術を専門とした業界です。発展を続けるIT業界は多様化が続き、市場もさらに拡大すると予想されています。そのため、人材の需給バランスとしては、圧倒的に供給が追いついていないのが現状です。

経産省のデータによると、今後、IT業界において人材需要が上昇し続ける場合、2030年の時点で79万人のエンジニアが不足すると予想されており、ITニーズの拡大によって、IT業界における人材不足はさらに進むとされています。

IT業界が注目され始め、独立するエンジニアが大きく増加したのが、1980年代後半から2000年と言われています。成長が早い業界ですので、そこから現在に至るまで20~40年が経過する中、サービス・製品の開発や、IoT製品の需要拡大、インターネット・Webサービスを取り巻く環境の変化などが要因となって、昨今ではより専門的で最先端な「IT・ソフトウェア技術」が求められるようになりました。

従って、このような技術を社内で一から作りだしていくには、多くの時間と資金が必要です。

そのため、M&Aを活用して、すでに技術を持った企業・会社を買収することで、自社の成長・発展に必要な技術獲得を目指す企業が増えているのです。効率的に人材を確保するために、最先端技術を持っている企業であれば、新技術と同時に優秀な人材を取得するのも可能となります。

上述のような人材不足はここ数年前から叫ばれていたことであり、M&Aによる課題解決が進みつつも、現状では中小企業様を中心にまだまだ問題として残っているのが実状です。

ただ、2022年のIT業界におけるM&Aでは少し様相を変え、事業の多角化を目的とした異業種間でのM&A事例が増えてきているように感じました。一説には、2022年のIT業界のM&Aの半数は異業種M&Aとも言われています。

M&Aという経営オプションが広く企業に浸透してきているという背景もありますが、下記より、IT業界のM&A件数および主な事例をご紹介して参ります。

IT業界2022年M&A件数およびピックアップ事例3選

まず件数についての状況ですが、レコフ M&A データベースより弊社調べによると、「IT」でヒットした件数は 570 件です。(データ種別を M&A、検索期間を 2022 年 1 月 1 日~2022 年12 月 31 日と設定し、フリーワードで IT と記載した際の件の件数データ)

開示義務のない非上場企業の案件を加えると、この件数から更に推定 1.5 倍はあると言われ
ていますので、約 850 件が IT に関連するものであったと推察
されます。
更に深堀って見てみますと、IT 業界に特化した M&A 仲介企業様の成約件数としては、2022年は約 150 件(当該社のみで)でした。M&A 全体(全業種)での成約件数は約 4,000 件と言われていますので、案件毎の IT 濃度はさておき、そのうち 150 件~850 件(全体の 4~21%)を IT 関連が占めているものと思料されます。

2022年のトレンドとして、異業種間での主なM&A事例を挙げて参ります。

1.【建設コンサルティング×システム開発】

◆長大がエフェクトを株式譲渡により子会社化

譲渡企業の概要

エフェクトは組み込みシステムの受託開発やAI・IoT活用システムの自社開発などを行っている企業。

譲受企業の概要

長大は橋梁・道路・河川・港湾・鉄道などに関わる建設コンサルティング事業と道路・公共施設などのサービスプロバイダ事業を展開している企業。

M&Aの目的・背景

国土づくり・まちづくりにおいてITを駆使したインフラサービスの高度化・効率化が求められるなか、長大ではIT関係事業の拡大のためのM&Aを推進しており、長大の経営資源・ノウハウとエフェクトが有する先端ITの開発力を連携させることにより研究開発の加速新事業領域創出が可能になると判断し、同社を子会社化。

2.【システム開発×ソフトウェア開発】

◆スカラがエッグなどグループ4社を子会社化

譲渡企業の概要

スカラは、「医療と健康」「農業と⾷」「教育」「地⽅創⽣」の4つのテーマで、IT/AI/IoT技術を有し、新規事業の創出・システム開発事業を行っている企業。

譲受企業の概要

エッグは、ふるさと納税のシステムやフレイル(健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態)の早期発見システムの開発など、全国の⾃治体との取引関係を有するソフトウェア開発企業。

M&Aの目的・背景

両社の強みを活かしたシナジー効果創出を目指すとともに事業成⻑を目指す。

3.【学習サービス×ソフトウェア開発】

◆アガルートがプラハを子会社化

譲渡企業の概要

スタートアップのWEBサービスを企画・デザイン・開発まで一貫して支援。月額定額制の受託開発を行うことで、仕様変更に柔軟に対応しながらユーザーが本当に求めているサービスに近づけるプロセスを提供。

譲受企業の概要

アガルートは国家試験、検定試験等のオンライン講座「アガルートアカデミー」や医学部受験オンライン予備校「アガルートメディカル」などの個人の学習者向けのサービスを中心に提供。

M&Aの目的・背景

 アガルートグループのシステム開発力を飛躍的に向上させることができ、アガルートが展開している各サービスのクオリティの向上、システム化による業務効率の改善新規事業の展開スピードの加速を企図。一方のプラハは技術力はあるが扱う製品・サービスがない点事業への投資資金人材採用力をカバー

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