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不動産仲介業界(売買)の2023年時流予測とM&Aの活用方法

  • 不動産賃貸管理・不動産仲介M&A
不動産 M&A

不動産仲介業(売買)を経営されているオーナー経営者向けの記事です。不動産仲介業界(売買)において、長らくコンサルティング活動を実践してきました経験から、今回不動産仲介業界(売買)の2023年時流予測とM&Aの活用方法について解説させて頂いています。M&Aが活発化している不動産仲介業界(売買)において、昨今の時流を踏まえて、その背景はどうなっていて、成長する企業はどのようなM&A戦略を描き、実践しているのか、そのヒントを見つける機会になれば幸いです。

①不動産仲介業界(売買)における2023年時流予測

2022年度地価公示地価は全国全用途平均で0.6%のプラスと2年ぶりに上昇し、新型コロナウイルスの影響が徐々に緩和される中で、全体的に回復傾向が見られました。住宅地は、低金利継続、住宅取得支援施策の効果から、住宅需要は回復傾向にて、結果地価は上昇に転じていました。都市部の利便性の高い住宅地ではより上昇が継続し、コロナ禍をきっかけにした生活スタイル変化や、顧客ニーズの多様化などにより、その周辺部にも上昇範囲が拡大していました。商業地については、都心部において店舗・マンションなど事業用地に対する需要が高まり、上昇に転じた地点が多く繁華性のある商業地や地方圏の路線商業地など、上昇地点が増加しています。外国人訪日客が回復していない地域や飲食店舗等が集積する地域では、下落が継続している地域もありました。開発・流通ともに上昇傾向にあります。土地仕入についても、金融機関の融資姿勢も積極的な所も出てきており、より投資意欲・拡大意向のある、不動産仲介業(売買)は、分譲地などの仕入れを、より拡大する傾向もみられます。決して、仕入れられる土地自体が増えているわけではなくが、土地価格が上昇する中で、仲介仕入ではなく、買取仕入から、企画開発、販売へと展開する上昇傾向へ走る中堅・大手不動産仲介会社(売買)は、増加すると思われます。今後、その仕入れ数が、企業の明暗を分けてくるでしょう。

なお、2022年12月20日に、日銀総裁による事実上、長期金利の値上げが発表され、2023年4月以降、住宅ローンなどの固定金利が上がっていく方向化で、2023年の住宅購入者の市場は大きく変動を見えると思われます。

不動産仲介業界(売買)のM&A活用方法

買い手企業の場合

⇒一つは、同業での広範囲で営業する中堅・大手、また地域の一番店企業です。新たな商圏拡大や、地域シェアを上げる事で、より自社の成長拡大を目指すシンプルな理由です。同じ事業戦略で、短期間で手間なく、不動産仲介件数・売上を拡大する事ができます。

昨今増えているのが、関連業界にて、地域の中堅以上の住宅建築会社などが挙げられます。住宅建築会社にとって、土地、中古住宅・マンションの仲介を強化し、自社の総合住まい産業としての展望を実現させようとする狙いです。そのほか、リフォーム会社、賃貸管理会社、司法書士事務所など、自社事業の成長展開の為に考慮する会社も増えています。

いずれも、建築・不動産業界の再編禍の中での、成長戦略になります。企業成長には、その事業における市場拡大に合わせて、自社のシェア拡大が基本とされてきましたが、今の成熟から衰退期へ向かう日本の不動産状況禍では、手段としてM&Aが重要視されてきています。

上記に上げた、買取での土地仕入などでは、仕入情報力、融資力、買取仕入力など、より積極的に行う企業は、一桁上げた投資もありうるため、商圏内での同業、関連企業の買収により、より仕入力、に限らず、企画施工力、集客営業力などを上げようとする企業拡大策としての、商圏内同業・類似業でのM&Aは大いに活用されると思われます。

売り手企業の場合

⇒不動産仲介業では、圧倒的に後継者問題です。順調に経営を続けていたが、次の適材の承継者がいない場合に、価値のある状態のうちに、希望する買い手企業に対して売却し、第二の人生設計を立てるというものです。業務の特性から、親族が今後の経営承継を受け入れない場合も出てきています。

昨今は、経営者ご自身が55歳を超えるあたりから、次なる継承を考えはじめ、60歳前後辺りに何かしらのきっかけ(家族状況、経営状況、体調など)より、現実的にM&Aを選ばれるというケースが非常に多くなっています。

ただし、不動産仲介業における創業社長の傾向としては、営業バリバリで、会社を引っ張ってきた意識より、後を継げる人材がいないと、その時期が後手後手になってしまう方々も多くみられ、後々の企業価値に大きく影響を及ぼす場合もあります。

 また昨今増えているのが、40代から、50代の経営者にて、ある程度不動産仲介では売上を伸ばしてきたが、さらなる事業への展開を考えるうえで、中堅・大手のグループに属し、自身も雇われ経営者として、次なるステップ(一桁多い投資実施など)へ向かう方もいれば、逆にさっぱり現業の事業は譲渡し(株式分割や、事業譲渡など)、新たな事業を自身で立ち上げようとするケースもあります。いずれも、成長の為の手段として、M&Aを活用されています。

一方経営者の年代は限定しなくても、事業の停滞、業績ダウンから、このまま自力で続けていくのが厳しく会社株式譲渡を考える方も増えています。ただし、この場合は、かなり厳しさが続いた後になってしまい、企業価値が大きく下がってしまっているケースもあります。早めの判断が必要といえるのでしょう。

不動産仲介業での売却の実例を多くみてきましたが、今現在の状況にもよりますが、今すぐ売らないとしても、出来ることからすぐに何か行動を起こすことをお勧め致します。仮に売却しなくても、企業を永続させるうえで不可欠です。逆に、これが出来ないようでしたら、独力での企業経営が困難な状況にあるという一つの物差しにもなると思います。

下記の住宅・不動産業界2023年時流予測レポートも合わせてごらんください。

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