アフターコロナに向けたM&Aの考え方
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
コロナウイルス感染拡大は、M&A市場にも大きな影響を与えています。今回はコロナ収束後の業界再編の一連の流れと、それを見据えてM&Aを考える際、今何を行えば良いのかコンサルタントが解説します。
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1.はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、M&A市場においても案件の中断や延期といったような状況が増えております。一方でコロナウイルス収束後を見据えた中長期的な目線で見ると、これを機に業界再編が一気に進むことが予想されます。
そこで今回は、コロナ収束後の業界再編の一連の流れと、それを見据えたM&Aの考え方についてお伝えしていきます。
2.コロナウイルスがM&Aに与える影響
2.1業界再編の流れについて
各業種業界のライフサイクルによっても異なりますが、段階的な業界再編の流れをまとめると次のようになります。
1.同じ地域内の小規模企業と中堅・中小企業でのM&A
2.中小企業と中堅企業・小規模ファンドとのM&A
3.中堅企業と大手企業・ファンドとのM&A
4.大手企業同士のM&A
多くの業界でマーケットの縮小が進むなか、今回のコロナショックのような経済危機が起こると体力のない小規模企業ほど影響を多分に受けます。小規模企業の生き残りのかけた選択肢の一つとして、M&Aによるその地域内での再編が始まり、次第にエリアと規模を拡大しながら業界再編が進んでいく流れとなります。
2.2業界再編に伴うM&A環境の変化について
業界再編時には、業界の一番企業、または体力のある企業にヒト・モノ・カネの経営資源が集まります。積極的なM&Aによって企業規模と存在感を増していく企業がある一方で、再編の波に乗り遅れ、気付けば競合企業に囲まれていた、というような例も見受けられます。再編が始まった以上、どの企業も無関係ではなく、自社のポジショニングを再検討する必要があります。
また譲渡企業が増えることで、需要と供給のバランスから企業価値についても変化が現れます。それまで売手市場だったものが一気に買手市場へ移行し企業価値相場は下落することにな
ります。これにより資金力のある企業にとっては企業買収が検討しやすくなり、業界再編はますます加速することになります
3.アフターコロナに向けて今すべきこと
今回のコロナショックに端を発する業界再編を見据え、一部では企業価値相場の更なる下落を待つ動きもあるようですが、買収後の立て直し費用がかかることや人材の流出、取引先との信用不安など取り返しのつかないダメージに繋がってしまう可能性があるため、早い段階での動きが必要となります。また、各金融機関がコロナに対応する緊急融資に追われることから、M&Aにおける資金調達にも影響が出ています。平常時であれば速やかに融資を受けられたような場合でも、審査に時間を要すことや、融資を断られるケースが一部で発生しています。あらかじめ自社の手元資金の状況や譲渡先の担保可能な不動産を把握しつつ、資金調達の目途を立てておくことが必要です。皆様も是非ご参考になさってください。
4.M&Aを検討している企業様へ
船井総研では今後、相当数の譲渡企業が発生すると見込んでおります。今回、M&Aを活用しさらなる成長を目指される企業様向けに、買い手として譲受を希望されるニーズについて、弊社M&Aサイトのご登録をおすすめしております。是非、ご相談ください。
また、船井総合研究所M&A支援部では新型コロナウイルスの影響を鑑み、WEB会議システムを利用した無料経営相談を実施しています。外出自粛が要請されるなかでも画面越しに対面しながらご相談いただくことが可能です。些細なことでもお気軽にお問合せください。
税務監査・財務コンサルティングの業務経験に加え、事業承継・事業再生コンサルティングの成功経験を多く持つ。2017年10月に船井総研中途入社後、M&Aコンサルティングにより22件の案件成約を担当。 現在、船井総研における事業承継・M&Aコンサルティングの中核的な役割を担う。
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