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クリニックM&A(譲渡)の成功確率を飛躍的に上げる3つの視点

  • 医療・介護 M&Aレポート
医療 M&A

1.医療業界の業界再編となるトリガー

020年より世界的に影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症は、国内の医療業界にも大きく影響があり、外出自粛などの理由から2020年6月以降、回復基調にあるものの2019年ほどには活動水準が戻っていない状況となっています。

上記グラフの通り、全ての診療科目で少なからず診療件数が減少傾向であるということ、特に歯科診療所が大きく負の影響を受けていることがわかります。
また厚労省の発表した診療所に従事する医師・歯科医師の平均年齢を見ると、2018年の医師は60.0歳、歯科医師は53.5歳と高齢化が断続的に継続しており、60歳を超える医師は全体の49.8%であり、歯科医師では全体の34%となっており、クリニックにおける事業承継課題はコロナに関係なく、ひっ迫している状況となっています。


出典:平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

コロナ禍における医療経営の悪化と事業承継課題がトリガーとなり、M&Aを選択されるドクターが増えております。一方で業界的にM&Aにおける買収メリットが享受しづらい観点から買い手が非常に限られることから、いきなり大した準備もせずに譲渡を検討してもご自身のイメージした買い手との成就する可能性は低いと言わざるを得ません。

2.クリニックの買収ニーズ

クリニックにおける買い手が限定的であり、譲渡側としては相応の準備が必要となります。M&Aにおける買い手の最大のメリットは「時間を買うこと」にあり、分院展開を1からするより、既に運営できている状態を買った方が時間的に早く、かつコストが低いことが絶対条件となります。

3.失敗しないための3つのM&A対策

後継者不在のような事業承継課題を抱えている場合、買い手のニーズに合わせた自社の対策が必要となります。2でふれた買収ニーズをさらに因数分解すると、

①クリニックにおける経営状況・組織が譲渡後も継続可能なこと

これには、3期分の決算書の見るべきポイント、譲渡後の理想的な組織体制、旧オーナー先生の適正な引継ぎ期間を押さえておく必要があります。

②クリニックの企業価値が想定の範囲内であること

これには、クリニックの診療科目によって企業価値相場があり、自院がどの程度の価値なのかを把握してから動くことが交渉を上手に進められるためです。

③地域のクリニックの中でも差別化・成長要素があること

これには、自院の強みや同エリアの競合となる状況とその対策について検討しておくことが、買い手側が譲受後にすぐに走り出すためのアクションプランに役立つためです。

これら買い手の3つの視点への対抗策を確実に担保しておくことで、譲渡の成約率は高くなります。

経営戦略セミナーでは、今回のコラムのポイントとなる失敗しないための3つのM&A戦略をより詳細に解説します。今回のセミナーを参考にしていただき、貴クリニックの運営継続にお役立てください。

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