企業主導型保育から、M&Aを活用して認可保育園事業へ
- 保育・教育
岐阜県可児市に本社を構える株式会社アイキ様。祖業は、労働者派遣事業、有料職業紹介事業ですが、M&Aを活用して、保育園事業の拡大にも注力されています。今回は下記のお三方にインタビューをさせていただきます。
株式会社アイキ 代表取締役社長 井出英敏様
株式会社船井総合研究所 M&A支援部 マネージング・ディレクター中野 宏俊
株式会社船井総合研究所 子育て支援部 マネージャー 堀内 顕秀
<譲受企業>株式会社アイキ(代表取締役社長 井出英敏氏、岐阜県可児市)
<譲渡企業>有限会社クラウン(取締役 関口直人氏、神奈川県横浜市)
―まずは会社の歴史と船井総研とのお付き合いの経緯からお聞かせ願えますと幸いです。
井出氏:会社設立は、1986年6月となります。船井総研とのお付き合いの経緯としては、2017年2月に船井総研のセミナーに参加させて頂いたことがきっかけです。以前にも、何度か船井総研のセミナーには参加させていただいていましたが、当時はちょうど何か新しいことを始めようかと考えていた時期でもありましたので、参加してみました。そのセミナー参加後に、人材ビジネス支援部の別のコンサルタントの方に、コンサルティングを依頼させていただきました。
―(船井総研堀内)その後、保育事業のご相談もいただきました。
井出氏:はい。2018年5月ころから、堀内さんに企業主導型保育事業の運営安定化のコンサルティングをご依頼させて頂きました。
船井総研堀内:もう4年半くらいのお付き合いですね。
―今回のM&Aの経緯をお聞かせください。
井出氏:不安定な景気下ですので、自社が生き残るために何をしようかと考えた際に、認可保育園に関わっていきたいなという想いが芽生えてきました。しかし、認可保育園をゼロから立ち上げる力は、当時はなくて、また可児市では新規での設立ができないと回答されてしまい、どうしたらいいかなあと、堀内さんに常々ご相談させていただいておりました。そんな中で、「横浜に認可保育園の譲渡案件があるんですけど」と、堀内さんがお話を持ってきてくださったことがきっかけです。
船井総研堀内:認可保育園をゼロから、というのは大変なことだから、アイキ様にとって、良い話だと思いました。クラウン様側は、船井総研のホームページを見てお問い合わせ頂いたのですよね、中野さん?
船井総研中野:はい。事業承継に関するお問い合わせを頂きまして、私が有限会社クラウンの関口社長と、不動産のオーナー様にお会して、お話を伺いまして、第三者に譲渡をお考え、ということでした。保育事業のコンサルティングを専門にやっているコンサル会社、ということで、お問い合わせいただいた、とのことでした。
―当初、M&Aについてはどのような印象をお持ちでしたか?
井出氏:実は、身近な方が以前にM&Aをされようとして、最終締結の直前にダメになってしまったことを見たことがあります。かなり大変そうにされていたので、正直なところあまり良いイメージはありませんでした。しかし、本を読んだり、いろんな方の話を聞いているうちに、M&Aはネガティブなことだけではないと感じ始めました。
―実際にM&Aをされていかがでしたでしょうか?
井出氏:もちろん、実際、大変なことはもちろんありますが、M&Aをして良かったと思います。
―先ほど、身近な方で、M&Aが途中でダメになった、というお話がありましたが、今回のM&Aがうまくいった要因は何でしょうか?
井出氏:そうですね。検討時には、堀内さんにデューデリをやって頂いて、今後の方向性なども示して頂きましたので、その点では、安心して決めることができたかなと思います。
船井総研堀内:ビジネスデューデリをさせていただき、来年度から実際に加算取得に向け動いていく予定です。そうしたことも実施して、経営改善は、今後さらにできていくと思います。
井出氏:あとは、、、そうですね。中野さん、如何ですか(笑)。
船井総研中野:それはもう、井出社長の人間性・人間力の部分が、やはり大きいと思います。船井総研では、「素直」「勉強好き」「プラス発想」という成功の3要素を提唱しているのですが、井出社長はまさにこれに当てはまっているなと感じさせられました。
譲り受けた保育園を、アイキ色に染め上げていこうというのではなく、クラウン保育園の良さを伸ばしていくということに着目されておりました。どういう風にしたらクラウン保育園がさらに良くなっていくか、もとからおられた従業員の方と膝を突き合わせて考えておられました。
井出氏:はい。待遇などは、基本的には下がらないように気を付けました。
―保育事業は、行政が絡みますが、その点で気を付けられたことはございますでしょうか?
井出氏:そのあたりは、船井総研さんにご相談しながら、慎重に進めました。
船井総研中野:保育事業は、行政と民間企業と地域が一体となる仕事ですので、足並みを揃える必要性がありました。そこで、事前に私が行政に赴いて、課題点の洗い出し等を実施させていただきました。その後、アイキの井出社長とクラウンの関口社長と一緒に、行政まで帯同させていただきました。
―最後に、改めて、今回のM&Aの感想をお聞かせください。
井出氏:もちろん大変なこともありますが、とても良かったと思います。船井総研さんには、M&Aの実行から、その後のサポートまでとてもお世話になりました。M&Aをするということは、組織風土が異なる事業体がくっつくわけですから、組織面での課題が出てきて、そうした人に関する相談をしてくれたり、成約後の補助金の加算の件等、業種業界事情に明るいですから、そうしたところもサポートいただけるのはとても頼りがいがあると思っています。