事業承継における7つの重要ポイント
- 事業承継
日本の中小企業経営者の高齢化が進み、「事業承継」が企業経営における中小企業の大きな課題となっている中、2018年1月31日の帝国データバンクの「全国社長年齢分析(2018)」調査結果によると経営者の平均年齢は59.5歳で過去最高を記録しているようです。
これより5年から10年にかけて事業承継を行う企業が増加する一方で、いざ事業承継をしようと考えても、何をすべきか漠然としていてわからないというご相談をいただくことがあります。
今回は事業承継における重要な7つのポイントについて、ご説明させていただきます。事業承継における重要ポイントは次の通りです。
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①株式評価と承継者の選定
自社の株式価値が時価換算でいくらになるのかを顧問の税理士先生に依頼します。事業承継による税の発生についても相談しておくべきです。
平成30年4月1日より改正された事業承継税制についても活用の可否を検討しておくと税制メリットを受けられる可能性があります。
②後継者の育成
子息への承継を予定した場合の多くが、実務的な業務はできるがマネジメントについてはよくわからないというご相談があります。
会社を経営することはどういったことなのかを知るためには、後継者育成塾など外部で開催されているセミナーに子息を参加させ、基礎力をつけるのがよろしいかと思います。
③承継後の人事体制
子息が承継した後、子息の側近にはよき相談相手がいるのか、古参社員よりも年齢が比較的近く、子息が会社を動かしやすい環境にするため、人事体制を検討する必要があります。
④技術的伝承
職人技などの技術の承継の場合、本来継承するのに10年以上かかるがそうも待っていられないというケースがあります。この場合、マニュアル化や動画として保存する方法やその技術が機械化できないのか検討する必要があります。
⑤顧客の承継
子息に承継した後も得意先との取引が急に途切れない様に、人脈をしっかり引き継いでおく必要があります。
⑥債務、担保、保証人の承継
企業の借入金には代表者の連帯保証債務がある場合や自宅などの個人資産が担保に入っているケースがあります。
子息への承継では、承継により万が一返済不能になった場合には、どのようなリスクがあるのか後々の問題にならないようにしっかりと説明が必要です。
また事業承継のタイミングで金銭消費貸借契約の見直しによるリスクヘッジが可否も検討が必要となります。
⑦事業承継計画の策定
①~⑥のポイントをまとめた事業承継計画を策定し、実際に実行します。
PDCAをしっかり回すことで安定した事業承継が行える確率が高くなります。
事業承継の際は、これらをしっかり押さえておくことが重要です。
船井総研のM&Aでは、M&Aだけでなく、上記の事業承継にかかるトータルコンサルティングを行っております。
企業が永続的に継続することを弊社もバックアップして参りますのでお気軽にご相談ください。
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税務監査・財務コンサルティングの業務経験に加え、事業承継・事業再生コンサルティングの成功経験を多く持つ。2017年10月に船井総研中途入社後、M&Aコンサルティングにより22件の案件成約を担当。 現在、船井総研における事業承継・M&Aコンサルティングの中核的な役割を担う。
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