【2026年2月更新】 本記事は、2024年の確定統計および2025年の最新後継者動向データを基に、歯科医院M&Aの最新相場と未来予測を専門コンサルタントが加筆・修正した最新版です。
開業医の高齢化、勤務医割合の増加、後継者不足による黒字廃院が進み、67,000件を切った歯科医院のM&Aの振り返りをしたいと思います。
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【2026年最新】2024年確定データ|歯科医院開設数は1363件、廃止数は1748件

※厚生労働省医道審議会統計より船井総研あがたFASグラフ作成
上記は2024年の数字ですが、2017年に初めて廃止数が開設数を上回って以降、2019年、2020年(コロナ禍の影響含む)、2022年、2023年も同様の傾向が続いています。公表されている最新の2024年データにおいても廃止数が開設数を上回り、結果として3年連続の減少となりました。歯科医院数の減少はもはや常態化しつつあり、その背景には歯科医師数や開業意向の変化が挙げられます。
2025年の歯科医師合格者数2136名
歯科医師勤務医割合2008年25.2%➡2024年31.4%
歯科開設者平均年齢1994年48.9歳➡2022年59.7歳

※厚生労働省医道審議会統計より船井総研あがたFASグラフ作成
歯科医師数は2014年以降毎年2000名の推移となっており、それ以前の約2割減となっております。また歯科医師になっても開業せずに、勤務医として活躍するキャリアを選ぶ先生も増えてきており、開設数よりも廃止数が多くなる業界構造になっています。
※厚生労働省医師・歯科医師・薬剤師調査の概況より
加えて、1994年時点では診療所開設者の平均年齢48.9歳でしたが、2022年時点では59.7歳と、平均10歳高齢化しています。開業意向ドクターは減少しているにもかかわらず事業承継ニーズは激増しているという難しい課題を歯科業界は抱えており、早急に対策を講じる必要が出てきています。
※厚生労働省医療施設調査より
2025年の後継者動向について
帝国データバンク社が毎年公表している「全国「後継者不在率」動向調査(2025年11月21日)」より、新代表(後継者)の属性が発表されていました。内部昇格による就任がTOPで36.1%、同族承継が前年比-3.4ポイントの32.3%、M&Aほかが前年比+1.4ポイントの20.6%でした。
2021年時点では内部昇格が31.4%、同族承継38.7%、M&Aほかが18.6%だったことを鑑みると、出口戦略の幅が広くなっていることを実感します。当動向調査では、中小企業・会社が対象となっておりますが、歯科医院でも、今までは親族内承継が当たり前だったけれど、インターネットの普及や働き方の多様化に伴い、ご子息が別の道を歩まれるケースもよく聞きます。
特に歯科経営者からは
「息子・娘が歯科医師にならないことが確定しました。廃業かM&Aかどう思いますか…」
「息子・娘が歯科医師になってくれたはいいのですが、大手法人で勤務医していて、そこがとても充実しているらしく帰ってくる見込みがなさそうです…」
「息子・娘が独立開業することが確定しました。廃業を検討しています。」
そういったお声をいただくことが増えています。
歯科経営者にとってのM&A(第3者承継)
一昨年の秋に出た、歯科M&Aにまつわる週刊誌をご覧になった方も多いのではないでしょうか。歯科のM&Aを実行された大規模法人の譲渡側歯科医師の安堵した様子が描かれており、譲受側から好感される歯科医院・医療法人の特徴などもまとめられていて、参考になる部分もあったのではないかと思います。
歯科医院の譲渡価格(相場)はどう決まる?「年買法」による簡易算定式
多くの方が気にされる「相場の正体」は、一般的に「年買法(ねんばいほう)」という計算式で求められます。複雑な計算を省き、まずは以下の簡易式でイメージを掴んでください。
年買法の大枠の考え方として上図にまとめているように時価純資産+(税引き後実態営業利益×1~3))×「立地・規模・人財補正」で譲渡対価を算定します。

ただし、相場観はあっても、結局は譲渡側と譲受側それぞれの希望条件を交渉することで企業価値が変動するので、飽くまで一般論としてでしかお伝え出来ませんが、上記の考え方を基に譲渡対価を算定します。
※事業譲渡の場合は、譲渡する資産(土地、建物、機材、材料など)の価格を個別にまとめ、のれん代を一部加えるかどうか、というような形で譲渡対価を見るケースが多いです。
※これらの算定式や事例は、2026年の最新市場動向を反映したものです。現在の歯科業界では、単なる利益だけでなく『人財』や『理念の継承』が譲渡価格に大きく影響する傾向が強まっています。
【実例】データが示す「歯科M&A成功」のリアル
2024年の統計データにある通り、高齢化や後継者不在は深刻ですが、戦略的なM&Aによって「理想の出口」を迎えた先生方も多くいらっしゃいます。ここでは、当社の支援で成約した代表的な3つの事例を紹介します。
| 事例タイプ | 譲渡の背景と決断 | 成約の決め手 |
【実話1】 故理事長の想いを継ぐ | 理事長の急逝という困難。奥様が「地域とスタッフへの愛」を守るため、信頼できる承継先を模索。 | 今まで積み上げてきた雰囲気や文化が壊れないか、うまく融合できるのかを重視された |
【事例2】 40代での戦略的グループイン | 開業12年目、40代での決断。医院を「個人の持ち物」とせず、永続性を求めて広域化を目指す大手医療法人へ参画。医院やスタッフ、患者さんを「守るための選択肢」と考えた。 | 売却後も「院長」として臨床に専念。経営・採用の重圧から解放され、組織力を活かした「攻めの承継」を実現。 |
【事例3】 50代で世界へ。戦略的引退 | 15分院、スタッフ数百名を抱える巨大グループを築き上げたが、それを自分一代で終わらせるのではなく、「次の10年、20年を託せるリーダー」に譲ることで、法人の永続性を図った。 | 早期の出口戦略設計により、歯科医師人生の価値を最大化(イグジット)。理想のセカンドライフへの切符を手に。歯科診療と「違う関わり方」を実現している。 |
自院はどうなのか、自分はまだ働きたいのだが譲受側次第では働き口を失うことにもなるのではないか、そういったご不安もよく聞きます。実際のところ、M&Aにおいて、相手方と細かく条件を定めていきますので、一方がどうしても納得できない条件でM&Aが成立することはあり得ません。譲渡対価の金額や、支払方法、従業員の雇用について、経営権が移った後の経営方針の確認や、譲渡側の先生のこれからの働き方と報酬体系、事業・サービス形態についてなど、双方が希望を出し、納得できる形で最終契約をまとめますので、そこは相手方との話し合いにつきます。
歯科のM&Aに関しては、告示の義務がありませんので正確な数は不明ですが、ここ数年で明らかにM&Aの相談数、M&Aを用いて成長していこうとする譲受側の数が増えてきています。おそらく年間100医院ほどはM&Aが実行されているのではないかと思います。
ファンドや一般社団法人、他業種からのアプローチも増えてきている中、魅力があるけれども後継者がいない歯科医院・法人の出口戦略にとって、M&Aは必要不可欠な存在になると確信しております。スタッフの流動性も高まりさらなる採用難が押し寄せる2026年以降も、歯科のM&Aの数は増え続けていくのは間違いないので、今の内から様々な情報を収集しておくことをお勧めします。
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歯科のM&Aに関するより詳しい情報は、下記の記事をご参照ください。
1.歯科医院M&AのTOP
2.歯科のM&A事例
3.歯科のM&Aの失敗事例
4.歯科のM&Aのメリット・デメリット
5.歯科のM&Aのポイント
6.歯科のM&Aの特徴
7.歯科のM&Aの譲渡対価の相場観
8.歯科のM&Aの注意点