事業承継コンサルの選び方と費用相場|依頼できることと注意点をわかりやすく解説
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事業承継コンサルの選び方と費用相場|依頼できることと注意点をわかりやすく解説

事業承継コンサルは、事業承継を検討する経営者が声をかける相談先の一つです。「M&A仲介から届いた提案は、要は乗っ取りということなのだろうか」「コンサルに頼むといくらかかるのか見当がつかない」。事業承継コンサルという言葉を調べ始める経営者の多くは、制度の説明より先に、こうした不安を抱えています。

事業承継コンサルは、税理士やM&A仲介と役割が異なり、承継の手法をあらかじめ決めつけずに現状分析から実行支援まで伴走する立場です。費用は着手金・月額報酬・成功報酬を組み合わせた体系が一般的で、株価評価だけでも数十万円単位、会社の規模や財産内容によっては百万円前後までかかることがあります。

本記事では、事業承継コンサルに依頼できることとできないこと、費用相場の内訳、そして数ある相談先の中からどう見極めればよいかという判断軸に絞って解説します。


経営の正解は、一つではありません。 まずは出口戦略の『選択肢』を可視化する診断ツールを手に取り、 次なるステージへの展望を具体化する準備を始めてください。 プロの目利きで自社の『真価』を知ること。それが、後悔のない決断への第一歩です。

事業承継コンサルとは|税理士・M&A仲介との違い

事業承継コンサルとは、事業承継に関する相談を受け、現状分析から計画の策定、実行支援までを一貫して担う専門家を指します。税理士は税務・申告の専門家、M&A仲介は第三者承継(M&A)の交渉実務に強い専門家であるのに対し、事業承継コンサルは特定の手法に絞らず、会社の状況を整理したうえで最適な進め方を一緒に検討する立場です。

事業承継コンサルティングの一般的な業務範囲

事業承継コンサルティングの業務範囲は、大きく3段階に分かれます。最初の段階は現状分析で、株価評価や財務内容、経営者保証の状況などを把握します。次の段階では、親族内・従業員・第三者という3つの承継方法を比較しながら、会社に合った方向性を整理します。最後の段階が実行支援で、事業承継計画の策定から、後継者との対話の整理、金融機関や取引先への説明資料の準備までを伴走します。実務上は、この3段階を経営者一人で抱え込もうとして、途中で身動きが取れなくなる相談も少なくありません。3つの承継方法を横断して比較したい方は、こちらのコラムもおすすめです。
『事業承継の方法3類型を比較|親族内・従業員・M&Aの違いと選び方ガイド』

税理士・M&A仲介・事業承継コンサルの役割の違い

「要は乗っ取りということでいいのでしょうか」。M&A仲介から届いた提案資料を見て、こうした警戒心を抱く経営者は珍しくありません。M&A仲介の多くは、成約時に発生する手数料が主な収益源となる料金体系を採っています。そのため、相談の入口から第三者承継(M&A)ありきの提案になりやすい構造がある点は、押さえておいたほうがよい視点です。

税理士は日頃の決算・申告を通じて経営者との関係が深く、相談しやすい相手です。ただし税務の専門家である以上、後継者育成や組織づくりまで含めた承継全体の設計は対応範囲外になりやすく、税理士自身が「対応できない」「したくない」と答えるケースもあります。事業承継コンサルは、この2つの立場の中間に位置し、手法を絞らずに会社全体の課題を整理する役割を担います。税理士に相談する場合のメリットと費用については、こちらのコラムもおすすめです。
『事業承継を税理士に相談するメリットと費用|できること・できないこと』

事業承継コンサルに依頼できること・依頼できないこと

事業承継コンサルに依頼できる範囲を把握しておくと、相談の初期段階で話が噛み合わないという事態を避けやすくなります。

現状分析から実行支援までの一般的な支援範囲

依頼できる業務の中心は、株価評価や財務状況の把握といった現状分析、承継方法の比較検討、事業承継計画の策定、そして実行段階での後継者・取引先・金融機関との調整支援です。実行後も、組織づくりや資金繰りの相談に継続して応じる会社もあります。特定の手法へ誘導せず、会社の状況に応じて選択肢を広げる形で伴走する点に、事業承継コンサルへ依頼する意味があります。

税務申告・登記など他の専門家が担う業務との切り分け

一方で、税務申告書の作成・提出は税理士、株式や不動産の登記手続きは司法書士、契約書の法的なリスク確認は弁護士が担う業務であり、事業承継コンサル単独では対応できません。事業承継コンサルティング会社の中には、税理士法人や弁護士事務所と組織的に連携し、窓口を一本化しているところもあります。連携体制があるかどうかは、依頼前に確認しておきたいポイントです。実務上は、連携が整っていないまま契約し、税務や登記の局面でその都度別の専門家を探す手間が発生して、想定より時間がかかってしまう相談も見られます。 

事業承継コンサルの費用相場|着手金・月額報酬・成功報酬の内訳

事業承継コンサルの費用相場は、依頼する業務の範囲によって幅があります。まず、費用の構成要素を整理しておきます。

相談料・着手金・月額報酬の一般的な体系

初回の相談を無料で受け付ける会社は多く、そこから正式に依頼する段階で着手金が発生する体系が一般的です。着手金は、現状分析や事業承継計画の策定にかかる工数の対価として設定されます。実行支援を継続的に受ける場合は、月額報酬という形で顧問契約に近い体系を組むこともあります。金額は依頼する業務の範囲や会社の規模によって幅があるため、契約前に見積りの内訳を確認しておくことが欠かせません。

成功報酬型(レーマン方式など)の考え方

第三者承継(M&A)を伴う場合には、譲渡金額など基準となる金額に対して料率を掛け合わせる成功報酬型の体系が使われることがあります。代表的な考え方がレーマン方式で、基準額が大きくなるほど料率が段階的に下がっていく算定方式です。親族内承継や従業員承継が中心の場合は、成功報酬より着手金・月額報酬を主体とした体系になりやすい傾向があります。従業員承継の具体的な進め方は、こちらのコラムもおすすめです。
『従業員承継(社内承継・MBO/EBO)とは|進め方とメリット・デメリット』

事業承継コンサルティングの費用が変わりやすい要因

費用が変わりやすい最大の要因は、株価評価や財産の内容によって作業量が変わることです。実務の目安として、株価評価だけでも少なくとも20万円から30万円程度、会社の規模や財産の内容によっては100万円程度までかかることがあります。さらに、暦年贈与に合わせた株価算定・申告など、実行段階の対策を毎年続けていく場合は、累計で数百万円規模になることもあります。数千万円規模というと、実務の感覚としてはやや大きすぎる水準です。暦年贈与と並んでよく比較される事業承継税制について、使うべきかどうかで判断に迷う場合は、こちらのコラムもおすすめです。
『事業承継税制のデメリットと使わない方がいいケース|メリットとの比較』

報酬が高く感じられる場面は少なくありませんが、実務の現場ではこう説明することがあります。「報酬は高めに感じられるかもしれませんが、事業承継がうまくいけば会社はその先何十年、何百年と続いていくものなので、ちゃんと回収できていくんです」。目先の金額だけでなく、承継後に事業がどれだけ長く続くかという視点から費用を見直すと、判断がしやすくなります。 


事業承継コンサルの選び方|6つの判断軸

事業承継コンサルの選び方は、事業承継の相談先そのものの選び方と重なる部分もありますが、ここでは依頼先を比較する段階で確認しておきたい6つの判断軸に絞って整理します。

手法に中立か

親族内・従業員・第三者承継(M&A)のいずれかに最初から誘導せず、複数の選択肢を並べて検討できるかを確認します。特にM&A仲介は成約時の手数料が主な収益構造になっているケースが多く、相談の早い段階からM&Aありきの提案になりやすい点は、比較の際に意識しておきたい視点です。

税務・会計まで一貫して対応できるか

事業承継には株価算定や税務対策が深く関わります。コンサルティングと税務実務の窓口が分かれていると、計画と実務の間で情報が抜け落ちることがあります。税理士法人や会計事務所と組織的に連携しているか、あるいは社内に一貫して対応できる体制があるかは、依頼前に確認しておく価値のある点です。

業種の専門性・実績があるか

業種特有の許認可や商慣習、取引構造を理解しているかどうかで、提案の的確さは変わります。自社と近い業種の相談実績があるかどうかは、初回の面談で率直に尋ねてよい質問です。

手数料体系が明確か

着手金・月額報酬・成功報酬の組み合わせと、それぞれが発生するタイミングを、契約前にどこまで明確に説明してくれるかを確認します。見積りの内訳が曖昧なまま契約を急かされる場合は、いったん立ち止まって他の候補とも比較したほうがよい場面です。

実行後(PMI)まで伴走してくれるか

計画を策定して終わりではなく、承継実行後の組織づくりや取引先・従業員への対応まで継続的に関わってくれるかどうかも、判断軸の一つです。実務上は、実行段階で契約が終わってしまい、その後の組織の立て直しを経営者だけで担うことになったという相談が寄せられることもあります。

秘密保持の体制が明確か

事業承継の検討初期は、社内外に知られたくない情報が多い時期です。秘密保持契約の締結や情報管理の説明が、相談の前段階でどこまで明確にされているかを確認しておくと、安心して具体的な話を進められます。

 事業承継コンサルに相談する際の注意点

判断軸を踏まえたうえで、実際に相談を始める段階でつまずきやすい点を整理します。

M&A仲介と比較する際に確認したいこと

「うちみたいな小さな会社にコンタクトを取ろうとしている時点で、適当な仕事をしているのだろうと思ってしまいます」。M&A仲介からの営業手法に不信感を持つ経営者の声は、検索の現場でもよく見られます。事業承継コンサルとM&A仲介を比較する際は、手数料の最低額(ミニマムフィー)の有無、成約を急がせる説明がないか、承継方法を複数提示してくれるかを確認しておくと、判断材料が増えます。事業承継の相談先そのものの選び方は、こちらでさらに詳しく整理しています。
『事業承継は誰に相談すべき?相談先の種類と選び方をわかりやすく解説』

身内・顧問税理士との関係を保ったまま相談を始める工夫

「義父という間柄で、銀行や税理士に相談に行くのも躊躇される」という悩みを抱える後継者候補もいます。こうした場合、事業承継コンサルへの一次相談は、身内や顧問税理士を飛び越える形にならずに始められる選択肢になります。実務上は、こうした一次相談をきっかけに家族内の対話が整理しやすくなるケースもあります。「自走できている会社で、お金をかけずに引き継げる方法」を探している経営者にとっても、初回相談を無料で受け付けている会社が多いことは、最初の一歩を踏み出しやすくする材料になります。

 


【まとめ】事業承継コンサルは中立に選び、実行まで伴走してくれる相談先を

事業承継コンサルは、税理士やM&A仲介とは異なり、承継の手法を絞らずに現状分析から実行支援までを一貫して担う相談先です。費用は着手金・月額報酬・成功報酬を組み合わせた体系が一般的で、株価評価だけでも数十万円単位、実行段階まで含めると累計で数百万円規模になることもあります。金額だけを見るのではなく、手法への中立性、税務・会計まで一貫して対応できるか、業種の専門性、手数料体系の明確さ、実行後まで伴走してくれるか、秘密保持の体制という6つの判断軸で比較することが、後悔のない相談先選びにつながります。

事業承継全体の方法・進め方・税金を確認したい場合は、こちらのコラムもおすすめです。
『事業承継とは|方法・進め方・税金までの流れをまとめて理解できるガイド』

船井総研あがたFASでは、事業承継の手法を1つに絞らず、税務会計と経営コンサルティングを一気通貫で見る立場から、状況に応じた選択肢を一緒に整理する相談を受け付けています。

事業承継コンサル選びに迷う場合は、事業承継の無料相談も活用できます。

あわせて、事業承継の資料ダウンロードから判断材料を集めることもできます。


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【業界専門コンサルタントが担当】「出口戦略」診断で自社の価値を正しく守る。ベストな承継を実現するための第一歩。


よくある質問

Q. 事業承継コンサルとは何ですか?

事業承継コンサルとは、事業承継の相談を受け、現状分析から計画策定、実行支援までを一貫して担う専門家です。税理士が税務、M&A仲介が第三者承継(M&A)の交渉実務に強みを持つのに対し、事業承継コンサルは手法を絞らず、親族内・従業員・第三者承継を横断して会社に合った進め方を整理する役割を担います。税理士や弁護士など他の専門家と連携しながら、実行段階まで対応するケースもあります。

Q. 事業承継コンサルの費用相場はどのくらいですか?

事業承継コンサルの費用は、着手金・月額報酬・成功報酬を組み合わせた体系が一般的です。実務の目安として、株価評価だけでも20万円から30万円程度、会社の規模や財産内容によっては100万円程度までかかることがあります。暦年贈与に合わせた株価算定・申告など実行段階の対策を継続する場合は、累計で数百万円規模になるケースもあり、契約前に見積りの内訳を確認しておくことが欠かせません。

Q. 事業承継コンサルとM&A仲介会社にはどのような違いがありますか?

事業承継コンサルは承継手法を絞らず現状分析から実行支援まで伴走するのに対し、M&A仲介は第三者承継(M&A)の交渉・成約に特化しています。M&A仲介は成約時の手数料が主な収益源になっているケースが多く、相談の入口からM&Aありきの提案になりやすい点が、事業承継コンサルとの構造的な違いです。比較する際は、手数料体系や提案の中立性を確認しておくことをおすすめします。

Q. 事業承継コンサルに依頼する際、資格の有無を確認する必要はありますか?

事業承継コンサル自体には、業務を行うための必須資格は定められていません。そのため、担当者や運営会社が税理士・中小企業診断士などの資格を持っているか、税理士法人と組織的に連携しているかを確認しておくと、税務・実務面の対応力を見極めやすくなります。資格の有無だけでなく、業種の実績や連携体制もあわせて確認することをおすすめします。

Q. 事業承継コンサルはどのように選べばよいですか?

事業承継コンサルは、手法に中立か、税務・会計まで一貫して対応できるか、業種の専門性があるか、手数料体系が明確か、実行後まで伴走してくれるか、秘密保持の体制が整っているかという6つの判断軸で比較して選ぶことをおすすめします。1社に絞り込む前に複数の候補へ声をかけ、これらの軸で比較することが、後悔のない相談先選びにつながります。

 


植木 諒

(株)船井総研あがたFAS マネージャー

士業事務所でキャリアを歩み、法務・不動産の現場実務に精通。2018年の船井総研入社後は、財務コンサルティングを主軸に数多くの事業承継・再生案件を完遂してきた 。現在はグループの事業承継分野で中核を担う存在である 

土地家屋調査士・行政書士の資格を保持し、「事業・財産・組織」の3つの視点から包括的に支援 。現場実務から承継戦略までをワンストップで解決できる希少なコンサルタントとして、多くの経営者から厚い信頼を得ている。

植木 諒

(株)船井総研あがたFAS マネージャー

士業事務所でキャリアを歩み、法務・不動産の現場実務に精通。2018年の船井総研入社後は、財務コンサルティングを主軸に数多くの事業承継・再生案件を完遂してきた 。現在はグループの事業承継分野で中核を担う存在である 

土地家屋調査士・行政書士の資格を保持し、「事業・財産・組織」の3つの視点から包括的に支援 。現場実務から承継戦略までをワンストップで解決できる希少なコンサルタントとして、多くの経営者から厚い信頼を得ている。