不動産業界は今、用地仕入れの激化や管理戸数の奪い合い、さらにはDX化による生産性向上の必要性など、各セグメントで大きな転換期を迎えています。
本コラムでは、不動産開発・売買、賃貸管理、そして売買仲介という不動産ビジネスの主要3領域において、M&Aを成功させるために不可欠なチェックポイントと、各業態が直面している課題について詳しく解説します。
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まずは、自社の持つ資産や管理戸数、そして仕入れルートが市場でどのように評価されるのか、客観的な「現在地」を知ることから始めてください。
不動産開発・売買
不動産開発・売買事業の会社での一番のチェックポイントは、開発用地の仕入状態にあります。業界では仕入れなくして制約なし、仕入状態が売り上げを左右します。仕入方法、仕入ルート、仕入れ価格、含み益、融資状況などを確認しましょう。仕入調達力の確認が重要です。また仕入れた後、建売・分譲として売り出す場合には、土地の仕入れのみならず、建設施工は外注するケースが多いため、外注会社事情、外注監督、支払条件などの確認も必要になります。そして、数多い取引先コンプライアンスや、過去契約されたお客様とのトラブルが起きているケースもあるため、契約書内容、トラブル有無についてもチェックする必要があります。
当然、決算書、売上内容より、過去の業績に加え、今後の業績推移についても、用地仕入予定、用地所得から費用回収までの期間(資金繰り)、原材料・人件費などの高騰による、外注会社による建設での原価の上がり方、また売れ残り状態などの物件などを確認必要です。リスクとしては、やはり売れ残り物件について、最終的な売値評価から現実的な価値を反映させることも重要になります。シンプルなビジネスモデルであるが故に、見逃しがちな部分が多くありますが、時代背景から今までのように好条件での用地仕入、適正の建設外注、予定通りの価格・販売スケジュールとはいかない場合が多々出来てきていますので、上記のあげましたように業務プロセスに沿って、確認する事をお勧めします。
賃貸不動産管理
賃貸不動産管理事業の会社での一番のチェックポイントは、ビジネスの基本になる、管理物件の戸数、建物、売上費用、などの中身になります。賃貸管理委任契約書に基づき、入居者やオーナーに対する賃貸管理業務、建物などを保全する管理業務のサービス、その他管理体制などの確認が重要です。不動産管理業は、ストックビジネスにて、一定の管理料、工事売上、仲介売上、その他付帯売上が、固定的に収入としてあり、それらを運営する、人件費、原価、外注費などを、いかに抑えて利益を上げる事が目指す方向になりますので、その売上・費用の部分の確認は特に重要です。また今後、さらなる管理戸数の拡大、生産性を上げる効率運営、また競争激化での差別化できる付加価値サービス(物件入居率向上、家賃収入などオーナー資産活用など)についても、合わせて確認が必要になります。M&Aでは、固定収益が読めると、ニーズが高まっている業態ですが、あくまで想定通り業務が進められ、売上・利益を確保できるか、また未来に向けて成長できるかの観点で、確認する事をお勧めします。
不動産売買仲介
不動産売買仲介事業の会社での一番のチェックポイントは、1年を通して安定的に、売主からの売買物件媒介、買主への売買物件購入を仲介し続けられているかになります。一年での売上変動が大きい業態になりますので、基本は、毎月ターゲット、地域を絞り込み、売却物件の売主を集客し、媒介し続けられる戦略・戦術をもっているかがカギになります。ややもすると、属人的に、社長・幹部社員による、個人的な付き合いの中だけでの、売却物件仕入れになってしまい、売上0の月が続いて、年に1回大きい物件が動くという場合もあります。昨今では、それを避けるために、建売・分譲での自社仕入れ・企画・販売や、中古物件を買い取り再生販売など、自社独自のビジネスモデルを構築しているかが、今後を左右すると思います。過去の月次の試算表で季節変動を加味した売上推移、資金繰りを確認し、本質的には差別化したビジネスモデルがあるかが重要になると思われます。また地域密着型での事業展開の為、近隣の企業や工場の撤退、新築物件の建設などで、収益等の影響を受けやすい業界のため、近隣の不動産情報・市場動向の確認も重要になります。
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