不動産仲介業界(売買)における2024年のM&A動向の振り返り

不動産仲介業界(売買)は、地価上昇と取引件数の増加という追い風の中にあります。しかし、その華やかな数字の裏側では、2030年に向けた「業界の大再編」という構造変化が着実に進行しています。

本コラムでは、最新の市場データから紐解く不動産仲介業界の「現在地」と、異業種参入が加速するM&Aの最新事例、そして2026年以降の経営者が取るべき戦略について詳しく解説します。

「まだ先のこと」と考えているうちに、選択肢が狭まってしまうかもしれません。今年以降のさらなる採用難・競争激化に備え、今から「攻めの出口戦略」を検討しませんか?具体的な検討ツールのダウンロードや、専門家への出口戦略の相談を通じて、納得感のあるリタイアへの準備を今から始めることができます。

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まずは、自社が築き上げた地域での信頼や営業基盤が、市場でどのように評価されるのか、客観的な「現在地」を知ることから始めてください。

 不動産仲介業界(売買)の2024年市場動向

国土交通省「令和6年地価公示」では全国全用途平均で地価が2.3%のプラスと3年連続で上昇し、全体的に昨年よりも高い上昇率となりました。三大都市圏では上昇率が拡大し、地方圏でも上昇率が拡大傾向となるなど、上昇基調を強めています。

また、国土交通省「不動産取引件数・面積」によれば、全国の不動産取引件数は、2024年1月~2024年6月で243,469件(前年同期間比+6.6%)と増加傾向にあります。またその内訳として、戸建住宅104,208件(+6.3%)、マンション(区分所有)111,170件(+6.7%)、店舗4,064(+8.8%)、オフィス3,350件(+5.2%)、倉庫1,556件(-1.6%)、工場1,149(+10.8%)、マンション・アパート(一棟)17,972件(+7.4%)となっており、倉庫以外で増加となっています。前述した地価上昇傾向と併せ、取引件数も増加しているため、不動産仲介(売買)市場全体では好調と言えます。

一方、不動産業界には課題も多くあり、このまま好調な市場動向が続くとは考えられません。国土交通省も、て2019年に「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」を発表し、2030年頃までの間に想定される社会経済情勢の変化をいくつか挙げており、企業が対応すべき課題を示唆しています。少子高齢化・人口減少の進展、インフラ整備の進展による国土構造の変化、地球環境問題の制約、自然災害の脅威等の一企業が対応でき得る範囲に限りがある課題だけでなく、新技術の活用・浸透、働き方改革の進展等の一企業の努力で対応でき得る範囲が広い課題もピックアップされています。

不動産仲介業界(売買)の2024年M&A件数

不動産業界における、M&A件数は、レコフM&Aデータベースによると2024年1月~2024年9月は171件(データ種別をM&A、検索期間を2024年1月1日~2024年9月30日と設定し、「不動産業」を設定した際の件数データ)となっています。

不動産仲介業界(売買)のピックアップ事例3選

不動産仲介業を営む企業にとって、さらなる商圏・シェア拡大を狙うため、同業を買収するケースは依然としてありますが、近年では異業種・近隣業種による買収が目立ちます。不動産仲介業が、より生産性を出せる企業体へ成長するために、自社の足りない事業として、建築業、リフォーム業などの、関連業種企業の買収するケースが考えられます。また、不動産×ITに関するM&Aも増加しており、業務効率化への動きも見られます。

【事例1】 譲渡:消防用設備点検・工事会社/譲受:不動産売買・販売会社

大分県を中心に九州地方で不動産売買・販売業、管理業を展開する別大興産(大分県)は、大分県で消防用設備点検・工事を営む大幸防災商事(大分県)の全株式を取得しました。別大興産が管理する物件に対するサービスの提供により、シナジーを得つつ、グループ全体のサービス向上を目的とするものと考えられます。

【事例2】 譲渡:不動産売買・管理会社/譲受:不動産管理・開発会社

大阪に本社を構え、関西圏・関東圏・中部にて不動産業を展開するTAKUTO(大阪府)は、東京を中心に不動産売買・管理業を展開するワールドウィン・プロパティ(東京都)の全株式を取得しました。         TAKUTOは以前より関東圏で事業展開をしてきましたが、本件M&Aを通して、より強固なものとすると考えられます。

【事例3】 譲渡:注文・建売住宅、不動産売買会社/譲受:不動産リフォーム会社

不動産リフォーム会社であるニッソウ(東京都)は、注文・建売住宅、不動産売買を行う平成ハウジング(栃木県)を子会社化しました。建設・不動産事業の拡大を図りつつ、グループ全体のシナジーにより事業拡大していくものと考えられます。

建築業、不動産開発業の企業が、自社の直接販売網を確立する為、不動産仲介業(店舗展開)を買収するケースも出てきています。いずれにせよ、成熟した業界事情の中で、買い手側、売り手側ともに、より成長・シナジー効果を目指したM&A戦略が基本となっていくでしょう。
船井総合研究所では、長年の不動産会社に対するコンサルティング経験を活かし、M&Aを成長戦略の1つとして捉え、譲渡を検討している方、譲受を検討している会社様にご提案をさせていただきます。

まとめ:市場が好調な「今」こそ、次の一手を

不動産仲介業(売買)はフロービジネスの側面が強く、景気変動の影響を受けやすい業態です。だからこそ、市況が良く、自社の価値が高まっているタイミングで「出口戦略」や「グループインによる成長」を検討することが、オーナー経営者としての最も賢明な判断となります。

不動産賃貸管理業のM&A専門サポートチームがある当社では、不動産賃貸管理業専門のコンサルタントが、業界特化型M&Aのサポートをさせていただいております。お話をお伺いしながら現実的な出口戦略を一緒に検討することが出来ます。

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不動産/賃貸業界のM&Aに関する詳細な情報は、こちらをご覧ください。

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8.賃貸管理業界において成功するM&Aのポイント
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吉川 城

(株)船井総研あがたFAS チーフコンサルタント

大学卒業後、船井総合研究所に入社。賃貸支援部を経て、FA部門に異動し、不動産業界を中心に事業承継・M&Aコンサルティングに従事している。中小企業診断士。


吉川 城

(株)船井総研あがたFAS チーフコンサルタント

大学卒業後、船井総合研究所に入社。賃貸支援部を経て、FA部門に異動し、不動産業界を中心に事業承継・M&Aコンサルティングに従事している。中小企業診断士。