事業承継税制の税理士報酬・費用相場|手続き費用の内訳と選び方
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事業承継税制の税理士報酬・費用相場|手続き費用の内訳と選び方

事業承継税制の税理士報酬は、株価算定や特例承継計画の策定にかかる初期費用が数十万円程度、認定後5年間続く年次報告・継続届出への対応費用が20万円から30万円程度が一つの目安になります。

「お金をかけずに事業承継を進めたい」と考える経営者ほど、税制を使うことで専門家報酬という継続的なコストが発生する事実を、先に把握しておきたいはずです。 

本記事では、事業承継税制の活用にかかる専門家費用に絞って、内訳と依頼先による違い、安さだけで選ばないための基準を整理します。

事業承継全体の費用相場ではなく、税制活用の場面で発生する専門家費用という一点に絞って扱います。

税務会計を専門とする立場から、見積もり時に経営者が気になりやすいポイントを解説します。 


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事業承継税制とは|税理士報酬が発生する場面の全体像 

事業承継税制は、非上場株式を後継者が贈与や相続で引き継ぐ際の贈与税・相続税を猶予する制度です。

特例承継計画の作成から認定申請、そして認定後5年間の年次報告・継続届出まで、いくつかの段階で専門家の関与が必要になり、そのたびに税理士報酬が発生します。 

事業承継税制の申請から5年間の継続手続きまでの流れ 

税理士報酬が発生する場面は大きく3つに分かれます。特例承継計画の策定や事前の株価算定を行う準備段階、都道府県への認定申請や贈与・相続の実行を支援する段階、そして認定後5年間、都道府県への年次報告書や税務署への継続届出書を提出し続ける段階です。

実務上は、この3段階を分けて費用を確認しないまま総額のイメージだけで依頼を決めてしまい、後から追加費用に驚く経営者も見られます。

制度そのものの仕組みや要件の全体像については、こちらのコラムもおすすめです。

事業承継税制とは?納税猶予の仕組みと特例措置をわかりやすく解説』 

事業承継税制の税理士報酬・費用の内訳|着手金・成功報酬・顧問料 

事業承継税制の税理士報酬は、1つの契約ですべてが完結するわけではなく、段階ごとに区分された料金体系になっている事務所がほとんどです。 

事前診断・特例承継計画の策定にかかる初期費用 

事業承継税制を検討し始めた段階でまず発生するのが、適用可否を確認する簡易診断や、特例承継計画の策定にかかる費用です。

実務では、株価算定にかかる費用が最も大きな比重を占め、目安として数十万円程度が語られることが多く、会社の規模が大きくても100万円に達するケースはあまり多くありません。

あがたFASの一般的な実務観に基づく目安であり、確定的な相場ではない点には留意が必要です。株価が高い会社ほど事業承継税制の使い勝手が良くなる分、精度の高い株価算定をあらかじめ行っておく重要性は高くなります。 

認定申請・実行支援にかかる費用 

株価算定や特例承継計画の策定が終わったあとは、都道府県への認定申請や、実際の贈与・相続の実行を支援する費用が発生します。

この段階の費用は、資産規模や必要書類の量によって数十万円から数百万円程度まで幅が出やすく、対応する業務の範囲が広がるほど金額も上がっていく傾向があります。

株価対策の助言だけを受けるのか、贈与契約書の作成や税務署への申告書作成まで含めて依頼するのかによって、報酬体系そのものが変わってくる点は見落とされがちです。 

5年間の年次報告・継続届出にかかる顧問料 

認定を受けたあとも、税理士報酬は一度きりでは終わりません。特例承継期間にあたる最初の5年間は都道府県への年次報告書、その後も税務署への継続届出書の提出が続き、この対応にかかる費用は業界的には20万円から30万円程度が目安として語られることがあります。

ただし、この金額が申告のたびに発生する費用なのか、まとめて支払う一括の費用なのかは依頼先によって説明が分かれることがあり、見積もり時点で確認しておいたほうが安心です。

事業承継税制をそもそも使わずに承継を済ませた会社であれば、この継続的な費用を考える必要はありません。 

猶予税額に応じた成功報酬型の料金設定もある 

事務所によっては、猶予される税額に一定の料率を掛けて報酬を算定する、成功報酬型の料金設定を採用しているケースもあります。

定額の料金体系に比べると、猶予額が大きい会社ほど報酬総額も上がりやすい仕組みのため、見積もりを依頼する際は、定額なのか猶予税額に連動するのかという料金体系の前提そのものを確認しておく必要があります。 

事業承継税制の税理士報酬相場|規模・要件で変わる金額の目安 

事業承継税制の税理士報酬相場は、会社ごとに条件が異なるため、一律の金額として語ることは難しいというのが実情です。 

会社の資産規模による違い 

一部の専門家サイトで公開されている料金表を見ると、会社の総資産額や自社株式の評価額が大きくなるほど、検討から実行支援までの費用が段階的に上がっていく仕組みを採用している事務所が目立ちます。

資産規模が数億円程度までであれば数十万円から百数十万円程度、数十億円規模になると数百万円程度まで幅が広がるという公開例もあり、株価算定そのものの難易度が上がるほど報酬にも反映されやすい傾向がうかがえます。 

手続きの複雑さ・必要書類の量による違い 

資産規模が同程度であっても、株式が複数の株主に分散している場合や、資産管理会社に該当するかどうかの判定が必要な場合は、確認すべき書類や検討事項が増え、報酬もその分高くなる傾向があります。

実務上は、株価対策だけを依頼するのか、それとも人材承継や組織承継、経営承継まで含めて相談するのかによって必要な業務量そのものが変わり、報酬体系にも差が生まれます。 

依頼先(税理士単独/事業承継コンサル/M&A仲介)による費用構造の違い 

事業承継税制の手続きそのものにかかる費用は、税理士単独に依頼しても、事業承継コンサルに依頼しても、業界相場として大きな差が出にくい傾向があります。

一方で、事務所の規模や対応できる業務の幅によって費用に開きが出ることはあり、規模の大きい事務所ほどスキーム提案の選択肢が広がる分、報酬も高くなりやすいという傾向が実務ではみられます。

M&A仲介会社に相談する場合は、事業承継税制の手続き自体よりも会社全体の譲渡や第三者への引き継ぎに関する報酬体系が中心になるため、税理士や事業承継コンサルとは費用の性質そのものが異なる点も押さえておく必要があります。 

事業承継税制の費用の見方|安さだけで選ばない基準 

事業承継税制の費用は、複数の専門家の料金表を並べて安いかどうかだけで判断すると、見落としが生じやすい分野です。 

初期費用と5年間の継続費用を合わせた総額で比較する 

見積もりを比較する際は、株価算定や特例承継計画の策定にかかる初期費用だけでなく、認定後5年間続く年次報告・継続届出への対応費用まで合わせた総額で見る必要があります。

初期費用の安さだけに目を奪われると、継続費用の説明を受けていなかったことに後から気づき、想定外の負担になるケースも起こり得ます。 

対応範囲・アフターフォロー体制まで含めて比較する 

金額の多寡だけでなく、株価対策の助言にとどまるのか、贈与契約書の作成や税務署への申告対応まで一括で任せられるのか、認定後のトラブル対応まで含まれているのかといった、対応範囲の広さも比較の軸になります。

実務上、費用の安さだけで依頼先を決めて後悔したという直接の相談を受けたことはまだ多くありませんが、依頼内容の幅によって報酬体系や所要期間が大きく異なるのは事実であり、金額だけで判断するのは避けたほうが賢明です。 

複数の見積もりを取って基準を確認する 

資産規模や要件充足の状況によって金額が大きく変動するため、1件の見積もりだけで判断するのではなく、複数の専門家から見積もりを取り、金額と対応範囲の両方を突き合わせて基準を作っておくことをおすすめします。 

事業承継税制の税理士報酬で迷ったときの相談先 

事業承継税制の税理士報酬について具体的な金額を知りたい場合は、実際に専門家へ相談してみるのが最も確実な方法です。 

税理士に相談する場合の費用感 

事業承継税制の適用可否の判断や税額のシミュレーション、申請書類の作成は税理士に相談するのが基本です。

実務上は、税額シミュレーションの精度や過去の申請実績が依頼先によって差が出やすいため、費用だけでなく実績も含めて確認することをおすすめします。

事業承継を税理士に相談する際のメリットや費用の目安については、こちらのコラムもおすすめです。

『事業承継を税理士に相談するメリットと費用|できること・できないこと』 

事業承継コンサルに相談する場合の費用感 

株価対策だけでなく、人材承継や組織承継、経営承継まで含めて相談したい場合は、事業承継コンサルに依頼する選択肢もあります。

事業承継コンサルの選び方や費用相場については、こちらのコラムもおすすめです。

事業承継コンサルの選び方と費用相場|依頼できることと注意点をわかりやすく解説』 

事業承継全体でかかる費用を知りたい場合 

事業承継税制以外の費用、例えば親族内承継や第三者承継(M&A)を含めた事業承継全体でどれくらいの費用がかかるのかを知りたい場合は、税制活用にかかる専門家費用だけでなく、承継全体の費用相場を確認しておくと判断がしやすくなります。

事業承継全体でかかる費用の目安については、こちらのコラムもおすすめです。

『事業承継の費用相場|手法別・依頼先別の内訳をわかりやすく整理』 

【まとめ】事業承継税制の税理士報酬は内訳を理解し、総額で比較して選ぶ 

事業承継税制の税理士報酬は、株価算定や特例承継計画の策定にかかる初期費用と、認定後5年間続く年次報告・継続届出への対応費用に大きく分かれます。

事務所によっては猶予される税額に応じた成功報酬型の料金設定を採る場合もあり、依頼先による費用構造の違いを踏まえたうえで、金額の安さだけでなく対応範囲まで含めた総額で比較することが欠かせません。

まずは自社の資産規模や依頼したい業務の範囲を整理し、複数の専門家から見積もりを取ることから始めてみてください。 

事業承継全体の方法や進め方、税金までの流れをまとめて確認したい方は、こちらのコラムもおすすめです。

事業承継とは|方法・進め方・税金までの流れをまとめて理解できるガイド

自社に合った相談先の選び方に迷う場合は、こちらのコラムもおすすめです。

『事業承継は誰に相談すべき?相談先の種類と選び方をわかりやすく解説』 

税務会計と経営コンサルティングを一気通貫で担う船井総研あがたFASでは、事業承継税制の活用にかかる費用の内訳整理から、自社に合った依頼先の選び方や承継の方向性そのものまで、中立的な立場で一緒に整理し、実行まで伴走しています。 


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事業承継税制についてよくあるご質問

Q.事業承継税制の活用にかかる税理士報酬はいくらくらいですか?

 A.事業承継税制の活用にかかる税理士報酬は、株価算定や特例承継計画の策定などの初期費用が数十万円程度、認定後5年間の年次報告・継続届出への対応費用が20万円から30万円程度が目安とされることが多いです。 

会社の資産規模や依頼する業務の範囲によって総額は大きく変わるため、複数の専門家から見積もりを取って比較することをおすすめします。 

Q.事業承継税制の税理士報酬にはどのような内訳がありますか? 

A.事業承継税制の税理士報酬は、主に事前診断・特例承継計画の策定にかかる初期費用、認定申請・実行支援にかかる費用、認定後5年間の年次報告・継続届出への対応費用の3つに区分されます。

事務所によっては猶予される税額に応じた成功報酬型の料金体系を採用している場合もあり、契約前にどの区分の費用かを確認しておくことが大切です。 

Q.事業承継税制の依頼先は税理士とM&A仲介・事業承継コンサルで費用は違いますか? 

A.事業承継税制そのものの手続き費用に大きな差は出にくいものの、依頼先が対応できる業務の幅は異なります。

税理士は税額の猶予手続きに強みがある一方、事業承継コンサルは株式承継全体の設計まで含めて対応し、M&A仲介は会社全体の譲渡に関する報酬体系が中心になるため、依頼する業務の範囲によって報酬体系そのものの性質も変わってきます。 

Q.事業承継税制の費用は認定後もかかり続けますか? 

A.事業承継税制は認定後も、都道府県への年次報告書や税務署への継続届出書の提出が続くため、初期費用だけでなく継続的な対応費用も発生します。

年次報告・継続届出への対応費用は20万円から30万円程度が目安とされることがありますが、月額か一括かは依頼先によって説明が分かれるため、契約前に確認しておく必要があります。 

Q.事業承継税制の依頼先は費用の安さだけで選んでも良いですか?  

A.費用の安さだけで依頼先を決めると、継続届出のフォロー体制や対応できる業務の範囲が薄く、後から追加費用や対応漏れに気づくケースがあります。

初期費用と5年間の継続費用を合わせた総額で比較し、対応範囲まで含めて確認したうえで依頼先を選ぶことをおすすめします。

資産規模や依頼したい業務の内容によって金額は変わるため、複数の専門家から見積もりを取って比較する方法も有効です。

植木 諒

(株)船井総研あがたFAS マネージャー

士業事務所でキャリアを歩み、法務・不動産の現場実務に精通。2018年の船井総研入社後は、財務コンサルティングを主軸に数多くの事業承継・再生案件を完遂してきた 。現在はグループの事業承継分野で中核を担う存在である 

土地家屋調査士・行政書士の資格を保持し、「事業・財産・組織」の3つの視点から包括的に支援 。現場実務から承継戦略までをワンストップで解決できる希少なコンサルタントとして、多くの経営者から厚い信頼を得ている。

植木 諒

(株)船井総研あがたFAS マネージャー

士業事務所でキャリアを歩み、法務・不動産の現場実務に精通。2018年の船井総研入社後は、財務コンサルティングを主軸に数多くの事業承継・再生案件を完遂してきた 。現在はグループの事業承継分野で中核を担う存在である 

土地家屋調査士・行政書士の資格を保持し、「事業・財産・組織」の3つの視点から包括的に支援 。現場実務から承継戦略までをワンストップで解決できる希少なコンサルタントとして、多くの経営者から厚い信頼を得ている。