自動車販売/整備業のM&Aの注意点

皆様、いつも大変お世話になっております。株式会社船井総研あがたFAS マネージングディレクターの淵上幸憲と申します。

今回は「自動車販売/整備業のM&Aの注意点」について解説させていただきます。

自動車業界のM&Aの特徴は非常に難易度が高いことです。背景としては様々な契約を交わしてビジネスを展開されているケースが多いため、お付き合い先の合意を得ることができるかがポイントとなってきます。実際に独占交渉のタイミングでこの手の課題が出てくるケースが多いので、色々と準備をしておくことが大事になります。本ブログではポイントのみをお話させていただきたいと思います。

1.譲渡企業のお付き合い先企業との契約書を確認すること

仕入れをしている企業やFC加盟をしているところ、さらには部品を供給してもらっている企業などと複数の契約書を交わしているケースが多いです。その内容の中に株式譲渡をする場合においての内容が記載されているケースが多いため、事前に確認して慎重に進めることが大事になります。過去発生している案件の中で、その辺りでトラブルが発生し、先に進めなくなったことも多々ありますので、注意して進められたらと思います。

2.譲渡企業側の従業員の資格の有無や担当できるかどうかの確認をすること

例えば整備士資格を保有していたとしても3級、2級、1級、検査員なのかで扱える内容も変わってきます。さらにはずっと作業をしている方なのか少し前に現場は行っていない方なのかで統合後に何をしていただくかも大きく変化することがあります。この辺りも事前に確認しておかないとのちのトラブルになるケースが多いので注意しましょう。

3.在庫の管理の仕方を確認しておくこと

社長自らが在庫の仕入れをしているケースは多々散見されます。そんな中、統合後は退職をされるケースというのがあるため、そうなると譲受企業側で仕入れを行う必要も出てきます。そうならないためにも仕入れの担当は誰なのか、またはこれから出来る方はいるのかどうかなども確認を進めておくことが大事です。自動車販売業において商品がなくなってしまう、または業態がずれてしまうということは業績を大きく左右するため慎重にすすめていく必要があります。

4.経理の方が継続してくれるかどうか(担当を明確に)

M&Aが成立したあとに現経理担当が退職をされるケースは多々発生します。背景としては、社長の奥様またはご子息様が担当されているケースが多いため、業務の引継ぎが出来ずにそのままご退職ということになってしまいます。自動車販売事業や整備業の経理は難易度が高いため、退職されたとしてもすぐに別の担当者を採用できる可能性が薄いので、引継ぎするまでの期間はお願いするなどの仕組みを作っておく必要があります。

5.設備の状態を確認すること

整備工場での設備、鈑金工場の設備は高額なものが多いため、どれくらいの品質なのかをチェックしておく必要はあります。実際にはチェックをせずに統合後に全て入れ替える必要性が出てしまい、多額の投資がかかってしまうなどの事案は発生しているのでこの辺りも慎重に考える必要があります。

本ブログでは自動車販売/整備業のM&Aの注意点をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。どれも知っておけば事前に対策を取ることができる内容ですのでぜひ参考にしていただけたらと思います。

今回のブログを通じて、やはり友好的なM&Aを進めるにおいては準備力が大事だと感じます。突発的に色々発生してしまうと双方のストレスになり関係性の悪化に繋がります。そうなるとどうしても友好性が欠如してしまい、連携しにくくなってしまうので、この辺りは上手に進めることが大事だと改めて感じた次第でございます。

是非そうならないためにも、M&Aを進める段階、進める前の段階でも弊社までお問い合わせください。

自動車販売/整備業のM&Aに関する詳細な情報は、こちらをご覧ください。

1.自動車販売/整備業のM&AのTOP
2.自動車販売/整備業の2024年M&Aの振り返り
3.自動車販売/整備業のM&Aの特徴
4.自動車販売/整備業のM&Aのメリット・デメリット
5.自動車販売/整備業のM&Aの注意点
6.自動車販売/整備業M&Aの譲渡対価の相場観
7.自動車販売/整備業のM&A事例
8.自動車販売/整備業のM&Aの失敗事例

最後に、自動車業界向けのM&Aレポート「売主が必ず読む本」を下から無料でダウンロードいただけます。ぜひご覧ください。




淵上 幸憲

(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター

自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。

淵上 幸憲

(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター

自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。