自動車販売/整備業のM&Aの特徴

皆様、いつも大変お世話になっております。株式会社船井総研あがたFAS マネージングディレクターの淵上幸憲と申します。
今回は「自動車販売/整備業のM&Aの特徴」について解説させていただきます。
昨今では自動車販売及び整備工場のM&Aが多方面で増加しております。
ディーラー同士の統合、中古車販売店同士のM&A、カー用品と中古車販売店のM&Aとあげれば数々のスキームが出てきます。そんな中でどんな目的からのM&Aが加速しているのかについていくつか特徴を明確にしていきたいと思います。
特徴1:既存事業を成長させたいため
実際に中古車販売店同士のM&Aや整備工場同士のM&Aでは、譲渡企業に譲受企業の資本力や経営ノウハウが入ることによって成長するのではという期待から発生している案件が多いです。つまりは既存市場というよりは新規市場へ参入する1つの手段としてM&Aを選択しているというケースだと感じます。
この展開だと必然的に本社との距離が遠くなってしまうため、管理面では非常に難易度が高まってしまうことはありますが、それでも市場を拡大していきたいという強い意思をもっている譲受企業側の戦略として掲げられる場合が多いです。
特徴2:既存市場で関連事業を伸ばす
ガソリンスタンドがこれからの事業成長の不安を懸念して、油外収益強化に着手しております。そんな中自社でのノウハウがないので、中古車販売店や整備工場をM&Aして一緒に成長するという流れも出ております。自動車販売や整備事業とはガソリン事業については非常に相性が良く、利用していただいたその期間中はガソリン代がお得になるという特典を設けてCRMの強化なども促進している企業も多数出ております。
さらにはカー用品事業を展開している企業が中古車販売店や整備工場をM&Aするケースもこれに類似した特性があります。自動車を購入された方や車検を受けた方にカー用品の販売をすることによってカー用品自体の成長も見込まれるようになります。こういった相乗効果で既存市場での多方面のシェアをあげていく戦略も主流だと感じます。
特徴3:弱いところを強みで補填して参入
自動車販売店や整備工場はプロモーション面では他業界よりも大幅に遅れている部分があるため、IT企業がM&Aをして参入して急成長ということも発生しております。チラシまでの時代は良かったですが、インターネットが普及してHP、SNSなどのデジタル販促が伸びてくると、その時流についていけなくなり、衰退という企業もたくさん出ております。
だからこそ強みを持っている企業が自社ではノウハウがない領域へM&Aという手段を用いて参入して成長していくという流れです。自動車関連の事業は保険や制度などでも守られている分野であり、かつ売上貢献度も高い事業であるためIT企業にとってはとてもプラスです。
特徴4:統合して基盤を強く
各種メーカーで生じているケースが多いですが、数店舗で展開されているディーラーを地場の有力ディーラーと統合をして大きく成長させるというケースも多々発生しております。国内市場においてもディーラー店舗数は多く、統合をして店舗あたりの資本力を高めたほうがより時流に沿ったチャレンジができ、よりお客様に高い価値を提供できるといった前向きな戦略ではあります。一方でディーラー展開している企業の勢力図は大きく変化するので、業界にいろんな変化をもたらす要素であるともいえます。
本ブログでは自動車販売/整備業のM&Aの特徴をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。近年のニュースからでは、様々な戦略に基づいて新しい動きが出ているのが印象的な感じがします。これからM&A戦略を活用して成長したい企業では、どんな方向性で動いていくのかを決めるよいきっかけになれば幸いでございます。
これ以外にも様々なスキームはありますが、改めてなぜM&Aをする必要があるのかも含めて考える場を設けることも大事です。実際には時流であるからという理由で着手をしてしまう企業も多くあり、その場合は大抵失敗に終わってしまいます。そうならないためにもまずはしっかり考えておき、本当に必要なのかを明確にすることが大事です。
ぜひ少しでも自動車販売/整備事業のM&Aに興味がある場合は、弊社までお問い合わせください。
自動車販売/整備業のM&Aに関する詳細な情報は、こちらをご覧ください。
1.自動車販売/整備業の2024年M&Aの振り返り
2.自動車販売/整備業のM&Aの特徴
3.自動車販売/整備業のM&Aのメリット・デメリット
4.自動車販売/整備業のM&Aの注意点
5.自動車販売/整備業M&Aの譲渡対価の相場観
6.自動車販売/整備業のM&A事例
7.自動車販売/整備業のM&Aの失敗事例

淵上 幸憲
(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター
自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。

淵上 幸憲
(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター
自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。