自動車販売/整備業のM&A事例

皆様、いつも大変お世話になっております。株式会社船井総研あがたFAS マネージングディレクターの淵上幸憲と申します。

今回は「自動車販売/整備業のM&A事例」について解説させていただきます。

弊社としても様々なM&Aを展開しておりますが、M&Aでは想定外のことがたくさん生じます。そこで今回は1つの事例に基づいて、双方の立場で学びがある内容に仕上げておりますので最後までお読みいただけたらと思います。

本件は、譲渡企業(自動車販売店:S社 年商規模21億円)と譲受企業(自動車販売店:T社 年商規模150億円)の内容を紹介していきます。

エピソード1:譲渡検討段階(譲渡企業側) S社へのインタビュー

「3年から5年後くらいにM&Aを検討するなかで色々進めようと決心した」

実際に弊社とお話させていただく中で、社長のご年齢や後継者が現段階ではいないことを背景にM&Aは1年後に展開を考えていても、貴社にとってより良いお相手様がすぐに出てくるかどうかはわからないのでより長期的に準備を進めたほうが良いと船井総研の方に教えていただき、少しずつ動いていこうという決断に至りました。

当時を振り返ると不安なことはもちろん多くて、株式を譲渡するということは一応肩書は社長であっても今までと全く変化するのではないかという不安しかなかったです。ただそんなことも赤裸々に相談させてもらうと、当社は友好的なM&Aを展開しようと考えて行動している企業としか付き合いをしないと決めていますので、ぜひそこはご安心ください。と力強く仰っていただきました。これはのちの進め方にも感じたところですが、とても良かったです。

エピソード2:トップ面談(譲渡企業側) S社へのインタビュー

「経営観や統合後の未来までお話出来て感動した!」

トップ面談は経験したことがなかったので、どんなスタンスで行えば良いのかが全くわかりませんでした。しかし、船井総研の方が過去の事例に基づき、たくさん聞いたほうがよいということと、さらに我々に気になることを言っていただけたら、我々から聞きますので楽しんで参加してください。と言っていただけたので、ある意味何も意識せずに参加できたのが良かったです。

実際にT社の社長様とお会いするととても低姿勢で気さくにお話いただける方だったのでものすごく安心しました。さらに人を大事にした経営ということを熱くそして力強くお話いただいたので、とても安心しました。どんな人柄であるかは事前に船井総研の方を通じて伺っておりましたが、それ以上に好印象で、この方と一緒に経営活動できるなら従業員もほんとに幸せだろうなと感じました。ここで覚悟が決まったという感じがしました。

エピソード3:デューデリジェンス(譲受企業側) T社へのインタビュー

「安心していただくために、どっしり構えてください!」

私も譲受企業としてM&A戦略をすすめるのは初めてでしたので、独占交渉の先といえどもどんな感じで関わるのがよいかが全くわかりませんでした。

そこで船井総研の方に質問をしてみると、まず相手の立場になって考えてみると、株式を譲渡するのはどこまでいっても不安が生じるものです。そんな中で色々要求をするとより不安を仰ぐ形になるので、姿勢としてはどっしり、すべてを受け入れるマインドが大事です。私がこれは大変だという時はしっかり先方とやり取りしますので、社長はどっしり構えていてください。といわれました。最初はそれでよいのかと思っていた点はありましたが、振り返るとその姿勢って本当に大事だと感じました。

エピソード4:調印式(譲渡企業側) S社へのインタビュー

「晴れ晴れとして何か新しいスタート地点に立った気分」

実際に調印式もさせていただき、色々説明もいただきました。時間としては事前に準備してくれたこともあり、2時間くらいで全て完了した流れではありました。そんな中で、実施する前まではこれがゴールでこれから何しようかなと思っていた点はありましたが、改めてビジネスやプライベートも含めて、調印した段階で景色が明るく見えて、新しい人生が開かれた感じがありました。

これは文章にするのが難しいと思いますが、どこか爽快な感覚です。さらに統合後にもT社の社長様はすべての従業員と面談をしていただき、たまに伺ってみると雰囲気自体も活発な感じになっていて良いと思っています。

私もM&Aを決断したタイミングから改めて振り返ってみると、本当に必要だと思うもっとまえからスタートしてみて良かったと思います。そうでなければT社のような素晴らしい企業と出会うことがなかったので、もしかしたらまだ私が最前線で指揮していたかもしれません。

船井総研の方には本当に感謝しています。

本ブログでは自動車販売/整備のM&A事例をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。こんな事案がありますという紹介よりも、M&Aというプロセスを通じて何を感じたのかを本ブログでは掲載させていただきました。

私もM&A仲介を担当させていただく中で、双方の幸せを本当にかんがえられているのかという軸に立ち返る時は何度もありました。M&Aは本当に難しく、または幸せを実現できる戦略だと感じています。

こういった友好的な幸せを実現する案件を日本に増やしていきたい覚悟なので、本ブログをお読みいただいている皆様と色々連携できたらと思っております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

また弊社では様々なコンサルティングも行っておりますので、経営活動においてちょっとしたことでも構いません。ぜひ少しでもお話したいなと感じていただいた方は弊社までお問い合わせいただけたと思っております。

自動車販売/整備業のM&Aに関する詳細な情報は、こちらをご覧ください。

1.自動車販売/整備業の2024年M&Aの振り返り
2.自動車販売/整備業のM&Aの特徴
3.自動車販売/整備業のM&Aのメリット・デメリット
4.自動車販売/整備業のM&Aの注意点
5.自動車販売/整備業M&Aの譲渡対価の相場観
6.自動車販売/整備業のM&A事例
7.自動車販売/整備業のM&Aの失敗事例

淵上 幸憲

(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター

自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。

淵上 幸憲

(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター

自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。