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M&Aは売り手企業のノンネームシートや企業概要書(IM)の資料に基づき買い手が検討し、トップ面談を経て基本合意契約に進みます。
その後、デューデリジェンスを踏まえて最終合意契約締結、対価の支払いに進むわけですが、この対価についてどう準備を進めたら良いか質問を受けることがあるため、今回はこの支払資金について触れていきたいと思います。
M&Aにおける株式譲渡や事業譲渡の対価(以下、譲渡対価)の支払いについて、原則的にいえることは、"最終合意契約締結と同時に行う"という事です。
金額としても大きく、契約と同日に入金処理を行いトラブルを避けるためです。
自己資金に余裕があり、譲渡対価を全て自社で賄うことができれば、準備について気にする必要はございませんが、一般的には金融機関からの資金調達が必要となります。
金融機関としても買い手企業がある程度、自己資金から譲渡対価を支払うことを望みますが、一般的には譲渡対価の25%は自己資金で支払う余裕が必要だと見受けられます。
さらに譲渡対価が大きくなればなるほど、金融機関はいわゆる"のれん"に対しては、不動産などの担保が取れない融資になることから、神経質にならざるを得ず、稟議に時間を要します。
タイミングとしては、基本合意契約を締結する直前には金融機関に相談をしておく必要があります。
実際に、最終合意契約をする時期になってから譲渡対価を支払う資金調達ができていないなどのトラブルが発生することもあるため、買い手企業としては注意が必要です。
金額が大きくなればなるほど、金融機関を数行から協調融資を得ることも多くあります。資金調達についても早めの準備が必要ですね。
中野 宏俊
(株)船井総研あがたFAS 執行役員
財務コンサルティングの業務経験に加え、事業承継・事業再生コンサルティングの支援経験を多く持つ。2017年10月に船井総研入社後、M&Aコンサルティングにより29件の案件成約を担当。 現在、船井総研グループにおける事業承継・M&Aコンサルティングの中核的な役割を担う。
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