基礎知識

M&Aと不動産投資、どちらが良いのか?

不動産取得とM&Aでの不動産取得の違いとは?

企業が不動産を取得するのと、M&Aで不動産を取得する違いは何でしょうか?
企業が更なる発展のために、工場を新設することになったとします。この際に、まず必要となるのは、工場を建てるための土地です。

そして、その土地に工場を建てるとことになります。気に入った土地に、最新の設備を入れるなど好きな建物を建てる事ができるので、自社にとってベストな工場を建設できますが、デメリットも存在します。

不動産取得のデメリット:時間と初期投資

デメリットとは、時間が犠牲になるという事です。土地を探して、設備などを選んで工場を新設することになりますので、工場が出来上がるまでに時間がかかってしまう可能性が大いに考えられます。

結果的に工場の稼働による企業業績(利益)貢献は、工場建設計画を立ててから、かなり先になってしまいます。

M&Aのメリット:即効性と事業シナジー

一方、M&Aを考えてみると、すでに同業態の工場を保有している企業ごとM&Aをしてしまうというやり方です。

M&Aを実施することで、現在稼働中の工場をそのまま手にすることになります。
結果、すぐに業績に貢献することができます。
M&Aを実施するには、資金が必要となりますが、その分業績貢献までのスピードを上げることができるわけです。
これがM&Aと不動産投資との違いと言えるでしょう。利益をあげるまでの時間を短縮したい企業にとってはM&Aも選択肢になり得るということです。

M&Aがもたらす事業貢献:スピード以外のメリット

前述のとおり、M&Aをすることで業績(利益)貢献までのスピードを上げる事ができます。
では業績貢献のスピード以外に、M&Aをする意味はあるのでしょうか?それは、リソースを有効活用できるという点です。

人的リソースの確保:採用・育成コストの削減

再度、前述の工場で考えてみましょう。自社で土地を買って工場を建設したとします。
これで工場は出来上がりましたが、まだこの工場を稼働させることはできません。理由は、工場で働いてもらう従業員が不足しているためです。
確かに不動産を取得するのと同じくらい人材の採用にも時間がかかります。

もちろん、現在の自社の人的リソースの中で、現在の事業に影響なく別の工場に移せる人員がいれば問題ありませんが、簡単なことではありませんよね。

自社の人的リソースを避けない場合は、新たに採用して教育をする必要があります。
さらに稼働までの時間がかかりますし、採用・教育のコストが必要となります。

M&Aをすれば、現在稼働中の工場がそのまま手に入るわけなので、買収先の従業員もそのまま手に入れることが可能です。
もちろん、管理者の派遣など人的リソースを使うことがゼロになるわけではありません。

しかしながら、M&Aをすることで、有限である自社の人的リソースをそれほど使わないで済む可能性が高いと考えられます。新たな工場からの業績(利益)貢献を期待できるという事です。

外部リソース(サプライヤー・取引先)の継承

人的リソースは内部だけではありません。外部のリソースに関しても目を向けみると、
例えば、ビジネスをしていくうえで、サプライヤーとの付き合いは重要です。

取引先を新しく開拓するのは時間もかかるし、信頼関係を構築するのはさらに時間がかかると思われます。
すでに同業種の工場を保有している場合などは、同じサプライヤーかもしれません。
その場合は、以前よりも同一サプライヤーへ大量発注をすることが可能です。

結果、現在よりも仕入れコストを下げる事が期待できます。買収先の工場だけでなく、自社の仕入れコストも下げる事が期待できる可能性があります。

自社が同業種の工場を保有していない場合、買収した工場が付き合っている外部のサプライヤーは自社にとって新たな関係会社と言えるでしょう。こうした外部の業者とのコネクションが手に入るわけです。

この様に単純に不動産を購入するのと異なり、M&Aはより自社のビジネスに密接に関係することになるのです。

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大西 由訓

(株)船井総研あがたFAS シニアコンサルタント

中小企業サポートのエフアンドエムにて個人事業主・法人の支援をした後、雑貨企画販売業のシンシアの財務担当役員に就任。船井総合研究所に入社後は、不動産業を中心に複数の案件成約に携わり、現在は不動産・建設M&Aを統括。

大西 由訓

(株)船井総研あがたFAS シニアコンサルタント

中小企業サポートのエフアンドエムにて個人事業主・法人の支援をした後、雑貨企画販売業のシンシアの財務担当役員に就任。船井総合研究所に入社後は、不動産業を中心に複数の案件成約に携わり、現在は不動産・建設M&Aを統括。