セカンドオピニオンを活用したM&A交渉術（売手）｜船井総研グループのM&A・事業承継コンサルティング

国の指針とセカンドオピニオンの重要性

中小M&Aガイドラインが示す「セカンドオピニオン」の重要性

中小企業庁が提示している中小M&Aガイドラインでは、M&Aにおけるセカンドオピニオンの重要性が強調されています。これは、国としても、国内でM&Aが増加していくにつれ、仲介に加えてセカンドオピニオンという選択肢を持つことで、M&A取引をより安全かつ適切に進めることができると考えているためです。

仲介の役割と売り手の不安

M&A市場における仲介の現状とセカンドオピニオンへのニーズの高まり

現在のM&A市場においては、アドバイザーの多くが仲介という立場で、売り手と買い手の利益相反にならないよう配慮しながら取引を進める役割を担っています。ただ、初めてM&Aを検討される売り手の皆様の中には、不安を感じられる方も少なくないかもしれません。「より良い条件とするため買い手に交渉するためのアドバイスが欲しい」と考えるのは、決して不自然なことではありません。このような状況を背景に、M&A件数の増加とともに、セカンドオピニオンの利用も徐々に増加傾向にあります。

セカンドオピニオンが有効なケース

こんな場合はセカンドオピニオンを検討すべき：7つのケース

もちろん、すべてのM&A取引においてセカンドオピニオンが不可欠というわけではありません。しかし、以下のようなケースに該当する場合は、専門家である第三者にセカンドオピニオンを求めることで、より適切な判断や意思決定に繋がる可能性が高まります。

セカンドオピニオン検討の具体例：仲介への不安から交渉支援まで

仲介会社の担当者の進め方が雑である、コミュニケーションが円滑に進まないなど、担当者に不安を感じる場合
仲介会社の担当者が、根拠や十分な説明を示さないまま、契約を急がせようとする場合
仲介会社が算定した自社の企業価値に納得がいかない場合
買い手候補の要求が強く、どのように交渉を進めるべきか悩んでいる場合
買い手候補との交渉が順調に進んでいるか判断しかねている場合
M&Aの検討開始から一貫して、自社のみにアドバイスしてくれる専門家を求めている場合
仲介会社の担当者に相談しにくい問題を抱えており、解決のための助言を必要としている場合

セカンドオピニオンのメリット

交渉力向上と安心感

セカンドオピニオンを活用することで、ご自身の意向をどのように交渉に反映させるべきか、具体的なアドバイスを得ることができます。また、M&Aにおける総合的な相談役として、安全に取引を進めるための心強い味方となるでしょう。

仲介のメリットと、状況に応じたセカンドオピニオンの必要性

仲介にも、もちろんメリットはあります。優秀な仲介担当者であれば、売り手と買い手の双方の意見を丁寧に聞き取り、双方にとって最適な条件を調整することで、売り手・買い手それぞれにアドバイザーが付くよりも、一般的に成約の可能性は高まります。しかし、仲介担当者の能力や相性によっては、セカンドオピニオンの必要性が生じることもあります。

まとめ

中小企業庁のガイドラインで強調されるように、M&Aの増加に伴い、取引の安全性と適切性を高めるためセカンドオピニオンの重要性が増しています。仲介者が中立的な立場であるのに対し、売り手はより良い条件を求めるのは当然であり、担当者への不安や企業価値への不満、交渉の進め方に迷う場合に第三者の専門家による客観的な意見は有益です。

セカンドオピニオンは、交渉戦略や条件反映への具体的なアドバイスを提供し、安全な取引を支援します。仲介にもメリットはあるものの、担当者の能力や相性によってはセカンドオピニオンが必要となるケースも存在します。M&Aに不安を感じる場合は、専門家への相談をお勧めします。

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