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【プログラミング教室M&A事例】 後継者不在のスクール事業を若き経営者にバトンを渡し、スポーツ教室とプログラミング教室でスクール事業の可能性に挑戦する。

株式会社アミタ 元代表取締役 新田 泰啓様

一般社団法人スポーツパーク 代表理事 杉山 隆仁 様

2024年6月にM&Aが成立した株式会社アミタの元代表取締役 新田様と、一般社団法人スポーツパークの代表理事 杉山様にお話を伺います。

-まずは新田様にお伺いさせていただきます。アミタのご創業からの歩みについて教えてください-

私はかつて存在した外国語学校を経営する会社で30年ほど勤めていました。私自身パソコン自体は得意ではなかったが、スタートアップの教室作りや広告宣伝、経営などに携わりました。少し自由で楽しく仕事をやりたいと思い、独立してリーマンショックの年にアミタを設立しました。

横浜市青葉区を中心に、町田市玉川学園、川崎市宮前区に4校開校し、大人向けパソコン教室を皮切りに、スマホ教室、キッズプログラミング教室と複合型ICT教室及び地域のITコンビニなど、幅広く事業を展開してきました。

-ご自身で創業された会社の株を譲渡されるということは非常に大きな決断だったと思います。新田様がM&Aで事業承継する選択肢を検討された経緯を教えてください- 

会社の5年後、10年後の将来について、私自身後継者もおらず、年齢的にも体力的に厳しくなってきたと感じており、会社の従業員や顧客、取引先を守り、事業を継続していくためにはどうすれば良いかと考えたときにM&Aに着目いたしました。

また、サラリーマン時代にM&Aの話(買主として)を何回か関わっていたので、あんまり抵抗感もありませんでした、もちろん状況が違い、今回は私が売主の立場ですけど(笑)。


-今回M&Aという選択肢に踏み切ったきっかけは何でしょうか?-

 一番のきっかけはやはりコロナですね、

また、船井総研さんには7年ほど前からコンサルティングをお願いしておりまして、事業承継の悩みを相談したら直ぐに相談に乗ってくれました。その後船井総研さんがスピード感を持って相手先を探してくださり、何社も相手となり得る企業さんと面談を重ねる中、M&Aに可能性を感じ、やり切りたいと思いました。


-スポーツパークを譲渡先に決めたポイントを教えてください-

 杉山さんのお人柄と熱意に魅力を感じて、この人になら安心して会社を任せられると思いました。スポーツパークさんは、スポーツイベントやヨガスタジオの運営をされており、アミタの事業とも親和性がありそうだと感じました。また、これまでにも多くのM&Aを成功させており、事業承継の実績が豊富だったことが決め手となりました。

 

-中小企業の経営者の方の中には、事業承継に悩んでおられる方も多いです。その選択肢としてM&Aを考えている方もいると思いますが、経験者である新田様から伝えたい事はありますか- 

M&Aは、会社持続的に成長させる有効な手段の一つだと思います。後継者不足や経営の不安など、事業承継に関する悩みをお持ちであれば、M&Aという選択肢を前向きに検討してみることを勧めます。

 

スポーツパークの歴史を教えてください- 

なんというか、サラリーマン時代の趣味から法人を設立しました。

私は監査法人と採用コンサル法人で勤めるかたわら、休日にインターネットの掲示板で仲間募り、地域の体育館を借りて、フットサル、バドミントンやバレーボールなど、いろいろなスポーツをやるのが趣味でした。

そこで、口コミによりどんどん参加者が増えて、数チームでの大会も開催できるようになり、地元だけでなく、近県からも人が集まって規模が大きくなっていきました。

その反面、運営の負担が増して、ボランティアの限界を感じて、一度は辞めようかとも思ったのですが、せっかく沢山の方に集まっていただき、「続けてほしい」という声もあったので、法人化してアルバイトを雇い、組織的に運営することにしました。

2017年に一般社団法人スポーツパークを設立し、私は勤めていた会社を辞めてスポーツパークの運営に専念することにしました。

 

-スポーツパークとしてM&Aへ取り組んだきっかけと今までの実績について教えてください-

コロナ禍が大きなきっかけです。

緊急事態宣言が発令された当時、公共施設の利用が全部できなくなり、各種大会やイベントの開催ができなく、一時期売上0円の危機に晒されました。

そこで、スポーツを軸にしつつ別事業も展開しなければならないと思い、一から新規事業を立ち上げることも模索したのですが、時間とノウハウが必要でうまく行きませんでした。

そこでM&Aという手段に気づき、シナジー効果が見込める企業をM&Aをすることで、事業の多角化と規模拡大を目指すことを積極的に取り組むようにしました。

2022年愛知県でスポーツ用品販売をする株式会社ユナイテッドスポーツの譲受を皮切りに、ヨガスタジオ、ダンススクール、水泳レッスン教室等のM&Aをしてきました。

 

当初株式会社アミタの事業承継に関心を持たれた理由を教えてください-

 今まで東海地方のみでしか事業活動をしておらず、どこかのタイミングで関東にも事業進出したいとずっと考えていました。アミタさんは、地域に根ざしたICTスクール事業を展開しており、当社スポーツイベント事業との親和性が高いと感じたのが主な理由で、従業員の方々が教育熱心で、地域社会に貢献したいという強い思いをお持ちだったことも魅力的でした。


-M&Aから1年以上経過しましたが、何か変化や感じたことはありますか- 

M&Aによって、アミタさんの持つICT教育のノウハウを当社に取り入れることができ、シナジー効果を実感しています。特に店舗展開においての立地、集客などの考え方が凄く勉強なり、それを参考にして昨年12月にヨガスタジオを新たに出店してまだ月日がそこまで経ってないですが、損益分岐点プラスになるところまで集客できました。

また、新田さんよりDX化などの提案を受け、各種ツールの導入で、従業員同士の交流が活発になり、事業の効率化と企業文化の融和が進んでいると感じています。本当に感謝しております。

 

-それでは最後にお二人にお伺いいたします。M&Aされてよかったでしょうか-

新田様:とってもハッピーですね。杉山さんのおかげで若年層の採用がうまくいき、今後会社の若返りも見えてきて、事業も継続して発展していくと期待しています。M&Aという選択肢を選んで本当に良かったと思っています。

杉山様:本当によかったです!アミタのノウハウよりも、新田さんに出会えたことが一番良かったと心底思っていて、沢山のものを頂き、本当にありがとうございます。今後この事業はさらに成長し、地域社会への貢献も拡大していきたいと考えております。

 

新田様、杉山様、この度は貴重なお話をありがとうございました。

※株式譲渡契約書の調印式の写真


担当コンサルタントより 


株式会社船井総研あがたFAS マネージングディレクター 山本瑛(アミタ様のM&Aを担当)

アミタ様とスポーツパーク様は終始スムーズにご成約まで進むことが出来たことにホッとしております。スポーツ事業とスクール事業をかけ合わせることによるシナジー効果のお話が非常に興味深いものがありました。今後は義務教育の教師の働き方改革も進み、部活は地域移行し、民間のスクール事業は更に成長していきます。このM&Aは、まさに地域の貢献に繋がるM&Aだったと確信しております。本当にありがとうございました。

山本瑛

(株)船井総研あがたFAS マネージャー

上場企業の上席執行役員営業本部長として、グループ企業全体のM&A戦略による経営支援や資本提携、グループ再編に携わると共に営業部門を統括。船井総合研究所に入社後は、毎年、年間約10件のM&Aを成約に導く。過去最短でマネージャーに昇格。プレイヤーとして第一線で活躍しながら、複数業種のチームメンバーを統括している。