福岡水産加工業を地場の若き経営者が事業承継。サステナブルな水産インフラを構築し、世界の水産業界にとって最も必要とされる会社を創造する
それでは最初に、今回M&Aによって水産加工業を運営する会社を株式譲渡されました、株式会社玄天の旧代表取締役でもあり、親会社の株式会社オクトフォースマネジメントの代表取締役でもある田中様にお話をお伺いさせていただきます。
― まずは株式会社玄天について教えてください。-
(株)玄天は令和1年に㈱オクトフォースマネジメントのグループ会社として参画して頂きました。
玄天は30年以上にわたり、水産加工の分野で実績を重ねてきた企業であり、職人による鮮魚加工からOEM対応まで幅広い加工機能を有しています。九州各地の市場や仲卸を中心とした多様な仕入れネットワークに加え、刺身加工・寿司ネタ加工における高い技術を強みに、全国の量販店・百貨店・外食企業などへ商品を供給してきました。
また、HACCPに準拠した衛生管理体制を構築しており、安全性と品質を両立した生産ラインを有している点も大きな特長です。
-今回なぜ、水産加工業の株式を譲渡検討されたのか、背景をお伺いできますか?-
(株)玄天が(株)オクトフォースマネジメントのグループに加わって頂いた頃は、売上利益も順調に上昇傾向が続いておりました。しかしながら、その後コロナ禍によって東京からの遠隔マネジメントも難しくなる一方で、水産物の仕入れ価格の急上昇が続くなど、。、ゆくゆくはビジネスモデルの転換が必要だと感じていました。
また、オクトフォースグループの投資戦略やファンド戦略にもこの6年間で変化があり、本事業が経営資源を投下すべきコア分野から外れていくなか、出口を模索する必要も出ていました。
そのような時に、オクトフォースマネジメントの執行役員であるメンバーに相談したところ、長年信頼しているコンサルタントを紹介したいということで、船井総研のM&Aコンサルタントである山本さんを紹介して頂きました。山本さんは食品製造業や食品加工業等のフード関連事業の経験や知見を非常にたくさんお持ちだったので、船井総研さんに課題解決に向けたコンサルティングをお願いしたいと思ったのが、株式譲渡を検討した背景です。
-M&Aを進めていくにあたり、大変だったところがあればお教え下さい-
大変だったところは分散株主の集約や、優先株の取り扱いなどが大変でした。また、我々は東京を中心としたマネジメントを行っておりましたので、やはり現地でしか分からない状況の把握や資料集めなどは時間がかかりました。それでも、財務部門責任者や営業部門責任者も巻き込みながら進め、本件プロジェクトに参加して頂いたメンバーには非常に頑張って頂いたと感謝しています。また、船井総研さんからのアドバイスも非常に適格で、他案件と比較しても比較的スムーズに進めることができたのではないかと思います。
―本案件のM&Aアドバイザーとして、船井総研あがたFASがM&Aのご支援をさせて頂きましたが、どのような印象をお持ちでしょうか?―
過去に多くの他社仲介会社様とお付き合いさせて頂きましたが、船井総研あがたFASさんは非常にスピーディーで、アドバイザリー手数料も他社比較しても非常に安価したので非常に満足しています。また、何よりも同じ福岡市内の企業様をすぐに提案して頂いたことに驚いています。まさに、我々が探し求めていた素晴らしい譲受企業様をご紹介頂き感謝しています。
―最後に、改めて、今回のM&Aの感想をお聞かせください。また、M&Aで株式譲渡を実体験した経験からアドバイスができることがあればお教え下さい。-
先ほども申し上げましたが、非常に困難なM&Aだったと想像していましたが、プロジェクトメンバーや船井総研さんのご支援で、わずか5か月ほどで成約することができました。我々のように様々な課題で悩まれている経営者様も多いと思いますが、できるだけ早い段階で船井総研さんのような専門家にご相談することをオススメいたします。
次に、(株)玄天の株式譲受された、株式会社ベンナーズの代表取締役、井口様にお話をお伺いさせて頂きました。
―まずは株式会社ベンナーズについて教えてください。-
ベンナーズは、日本の食と漁業を守り、水産業界から最も必要とされる会社を目指している会社です。ベンナーズという社名の由来は、エジプト神話に登場するベンヌという不死の霊鳥です。 日本の水産業界にとって最も必要とされる会社になるまで、最後まで決して諦めないという強い思いを込めて創業しました。
現在はフィシュルという、全国各地で水揚げされた天然魚・未利用魚を活用したお魚ごはんのミールパックを、定期的にご自宅にお届けするサブスクリプションサービスを事業展開しております。また、飲食業にも参入しており、海鮮丼専門店「玄海丼」というブランド(屋号)で「美味しい魚をお腹いっぱい」をコンセプトに、全国の漁港で水揚げされた鮮度抜群の鮮魚を使用した海鮮丼を提供する事業を展開しています。
-今回なぜ福岡水産加工事業を買収検討されたのか、背景をお伺いできますか?-
弊社は福岡市を中心に冷凍水産物の製造・販売及び飲食店の運営をしていることもあり、会社が成長していく過程の中で、自社製品を製造加工できる工場拠点を探しておりました。そのような中、船井総研さんからのご提案があり、紹介頂いた際は本当に探していたとおり、福岡市内の工場を保有する企業様でびっくりしました。
-M&Aを進めていくにあたり、大変だったと思ったところやご不安なところがあればお教え下さい。-
初めてのM&Aということもあり、デューデリジェンスにおいて財務税務・労務・法務をしっかりと監査していく上で、当然ながら様々な問題が浮上する中で、ひとつづつ課題を解決する必要がありました。そのような中、売主様と一緒に課題解決に向けて調整していく作業が大変でした。しかしながら、売主様も一所懸命に対応してくださり、買収監査を行って頂いた士業の先生方や、船井総研の山本さんからの適切なアドバイスもり、一つづつ丁寧に課題解決に導いて頂きまして、皆さんの協力を得ながら乗り越えることが出来ました。
―本案件のM&Aアドバイザーとして、船井総研あがたFASがM&Aのご支援をさせて頂きましたが、どのような印象をお持ちでしょうか?―
船井総研あがたFAS様には、難しい調整をたくさん行って頂きました。正直、たくさんの交渉にお付き合い頂けたこと、大変感謝しております。また、譲渡後に出てきた新たな問題についても真摯に対応頂けたことも非常に安心感につながりました。船井総研さんは売って終わり、買って終わりでなく、そのあとのフォローについてもしっかり行って頂いたことも非常に助かりました。
―今後M&Aによる成長戦略があれば是非お教えください。―
まず、このような素晴らしい譲渡企業様と企業提携できたこと、非常に嬉しく思います。今後もこのような(株)ベンナーズグループの成長戦略にM&Aは必要だと考えておりますので、弊社の「作り手よし、食べる人よし、そして社会よしな世界を新たなビジネスモデルと技術で実現する」というミッションの実現に向けて、取り組んでいきたいと思います。
本当にこの度は素敵なご縁を頂きまして、ありがとうございました。
担当コンサルタントより
株式会社船井総研あがたFAS マネージングディレクター 山本瑛(株式会社玄天様のM&Aを担当)

株式会社玄天様はオーナー様のみならず、財務責任者様、営業責任者もプロジェクトにアサイン頂き、チームとして本件を進めて行くことができ、非常スムーズに進めることができました。また、我々が一番適した譲受企業様と考える、(株)ベンナーズ様に譲り受け頂いたことは非常に喜ばしい限りです。アグレッシブに挑戦する新しい若き経営者様のもと、更なる事業成長ができることを期待しております。ありがとうございました。