M&Aでの株価(企業価値)はどうやって決まるのか?
- 企業価値評価
M&Aという言葉を耳にしない日はないのではないか、というぐらいに、中堅中小企業にもM&Aが一般的になりつつあります。
船井総研にも毎月100件以上の問合せがあります。
その中で最も多いのが、「自社の企業価値はいくらぐらいなのか?」というお問合せです。
結論から言いますと、「売主と買主の交渉で決まる」が正解です。
ただし、それでは中々、検討のしようがないので「基準値」というものを定める必要があります。
その「基準値」の算出方法には様々な手法がありますが、中堅中小企業で一番多い算出方法が「時価純資産法」となります。
時価純資産法の算出方法は下記のとおりです。
① 決算書の貸借対照表に表記されている簿価純資産を時価に直す
② 「実態利益=営業活動において得られる実質的な利益」を出す
③ 実態利益に業界の基準倍率をかける
③ の「業界の基準倍率」は業界によって異なりますが、業界や商品のライフサイクルとリンクする部分があります。
導入期・成長期のビジネスであれば、倍率は高くなりますし、成熟期・展開期・安定期(衰退期)になればなるほど、倍率は下がってきます。
譲り受ける側からすれば、今後、伸びていくビジネスであれば、倍率を高くしても投資回収できる見込みは増えます。
一方、衰退していくビジネスであれば、投資回収するリスクが高くなるので、倍率が下がってくるという形になります。
また、地域によっては人口減少などが著しい場合などは、倍率に影響が出るケースもあります。
ただし、冒頭に申した通り、結局のところは「売主と買主の交渉で企業価値が決まる」のです。
一般的には時価純資産法の金額で取引されるケースが多いのですが、私も過去経験したM&Aでは、時価純資産法では5億であった企業が10億円以上の取引額で成立したケースもあります。
逆のケースもしかりです。
時価純資産法では4億あった企業が、2.5億で取引が成立したケースもあります。
とはいえ、基準値を知ることは大切ですので、是非、今はまだ譲渡を考えていないというオーナー様・経営者様も企業価値算定(無料)をお申し込みください。
2004年船井総合研究所に中途入社。以降、成熟産業を中心に事業再生案件に従事。金融円滑化法や金融支援に伴う再生支援実績は40件を超す。M&Aでは3件の法的整理(会社更生法2社・民事再生法1社)に伴うスポンサー募集をはじめ、中規模以上のアドバイザリー業務に従事。不採算事業売却や成熟事業売却などのM&Aを得意とする。一般社団法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会準会員。
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