タクシー業界の経営者がM&Aを考えるきっかけ

1、タクシー業界の経営者がM&Aを考えるきっかけ

経営者の方々が、M&Aで譲渡を検討するきっかけは、さまざまなことがございます。

大きく分けると、経営者ご自身の状況を理由とするものと、運営するタクシー会社(自社)の状況を理由とするものとが挙げられ、例えば以下のような理由がございます。 

経営者ご自身の状況

  • 経営者ご自身の年齢を考慮し、事業承継の時期が到来しているが、経営を任せられる後継者がいないとき
  • 経営者ご自身の体力や健康に不安を感じたとき
  • 経営者ご自身のセカンドライフを考慮し、時間的余裕が必要だと認識したとき

 運営するタクシー会社(自社)の状況

  • 自社の業績が悪化したとき
  • 従業員(ドライバー等)の離職が続いたときや、従業員(ドライバー等)の確保が難しいとき
  • 車両の入替など、多額の設備投資が必要となるとき
  • 金融機関との取引等で、資金面・調達面での不安を感じたとき

ただ、経営者が「退くこと」は意外と難しく、米国の著名なファミリービジネスの研究者である、ジャスティン.B.クレイグ教授は、4L理論として、経営者のライフステージを以下の4段階で考えることを提唱しています。

L1:ビジネスを学ぶ

L2:ファミリービジネスを学ぶ

L3:率いることを学ぶ

L4:退くことを学ぶ

そして、経営者にとって、4段階目の「退くことを学ぶ」ということが意外と難しいのだと指摘しています。

 前述のように、懸念事項が発生したとき(有事)に、M&Aを考えるきっかけになることが、非常に多く、本来であれば、ライフステージを考慮して、「平時」から十分に時間を掛けて、検討すべきことであるにも関わらず、「今はまだ早い。」「後継者にバトンタッチするより、自分が経営する方がうまくいく。」と、その検討を後回しにしている経営者が多いのが実態です。

もちろん、経営者が「退く」ということは、大きな大変な決断、ご本人にとっても非常に寂しいものであり、M&Aの場面では涙を流されることも多くあります。また、経営者の方が、M&Aを考えるようになったとしても、次に掲げるように、一長一短でプロセスが進むものではなく、その一度行った決断が「揺らぐ」ことがあるのも、当然の話なのかもしれません。

 2、M&Aを考えるときの問題点

経営者の方が、M&Aを考えるようになったときに、発生するような問題点は以下のようなものがあります。

M&Aという選択肢が、本当に最適なのか

企業が永続、成長続ける方法は、M&Aだけではもちろんありません。親族への承継や、従業員への承継などもその選択肢になります。周りに適正な人材がいれば、関係者の理解も得られやすく、スムーズに承継がなされることも期待できます。

ただ、そのような意思・資質をもった後継者がいるのか、株式の承継におけるタックスプランニングや、株式取得資金の調達など、解決すべき課題も多いのが現実ですし、その課題解決のため、長期的な検討も必要になってきます。

M&Aをやるタイミングは今なのか

タクシー事業を運営する企業様では、新型コロナの影響などから回復は進んでいるものの、今の状態では、なかなか、満足する株価が付かない可能性が高いケースもございます。本当にM&Aを今実行すべきなのか、自社で、タクシー事業をもっとバリューアップをしたのちに、M&Aを検討することも考えなくてはなりません。 

本当に、M&Aで自社に最適な相手が見つかるのか

また、実際にM&Aを検討開始したときに、M&Aの条件面だけではなく、自社の風土、経営者や自社の従業員との相性なども考慮して、本当に最適な相手が見つかるのかということも考えなくてはなりません。 経営者の皆さまにおかれましては、これまで経営をされてこられた自社への想いや、自分と一緒に働いてきてくれた従業員の皆さまへの想いというものもあるかと思います。

M&Aという場面での単なる「取引対価」だけではなく、その他の面も理解をしてくれる相手探しは決して簡単なものではありません。 

3、タクシー業界のM&Aについてのご相談は、船井総研あがたFASまで

船井総研グループは、設立以来、55年に亘り、経営コンサルティングだけではなく、経営「者」コンサルティングを行って、経営者に伴走することを心掛けてまいりました。その想いは、M&Aや事業承継の場面でも同様であります。企業の持続的成長を実現するために、総合的な支援を行いながら、M&Aにおいては戦略策定から実行、PMI(M&A後の統合プロセス)まで、一貫したサービスを提供しています。

また、タクシー業界の専門のコンサルタントと、M&Aコンサルタントが経営者の想いに伴走させて頂き、最適なタイミングの検討、最適な相手探しに尽力させて頂くのはもちろんのこと、会社の事業計画、事業承継計画だけではなく、「経営者」として、「人生で何を成し遂げたいのか」「仕事以外の夢は何か」といった、経営者の人生計画にも伴走させて頂きたいと思っています。

松本 武

(株)船井総研あがたFAS チーフコンサルタント

大学卒業後、ノンバンクへ入社。 営業・法務・管理部門を担当する中、当該ノンバンクが投資ファンドに買収されたことにより、その後、投資ファンド側でのM&A(企業買収・売却)や事業再生支援に従事、買収企業でのハンズオン支援などにも携わる。 2019年船井総合研究所に入社。M&A部門にてエネルギー業界、人材派遣業界、サービス業等幅広い業界でM&A成約のサポートを行っている。

松本 武

(株)船井総研あがたFAS チーフコンサルタント

大学卒業後、ノンバンクへ入社。 営業・法務・管理部門を担当する中、当該ノンバンクが投資ファンドに買収されたことにより、その後、投資ファンド側でのM&A(企業買収・売却)や事業再生支援に従事、買収企業でのハンズオン支援などにも携わる。 2019年船井総合研究所に入社。M&A部門にてエネルギー業界、人材派遣業界、サービス業等幅広い業界でM&A成約のサポートを行っている。