M&Aにおけるみなし配当について解説いたします。
みなし配当とは
みなし配当とは、法人税法第24条1項に規定されている、余剰金の配当であり、これを法人税法上配当金とみなしたものを指します。法人税法23条に規定されている余剰金の配当、または分配等とは異なります。
みなし配当が生じるケース
みなし配当は、自社が発行した株式を買い戻すときや、合併時など株主がお金を受け取る際に発生します。みなし配当が発生するケースは以下が挙げられます。
・合併(適格合併による交付は除く)
・資本剰余金から配当金の支払い
・会社解散で生じた残余財産を分配
M&Aでみなし配当が生じるケース
M&Aでみなし配当が生じるケースは、以下が挙げられます。
会社分割
会社分割とは、社内の事業を他の会社に継承することです。会社分割には、事業をほかの会社に継承し、対価を受け取る吸収分割と、事業部を独立させ、新しい会社を設立させる新設分割があります。
また、会社分割には、会計帳簿に記録された資産・負債の評価額である簿価で譲渡する適格分割と、時価で譲渡する非適格分割があります。会社分割の際には、吸収分割で、かつ非適格分割の際にみなし配当が発生する可能性があります。
会社合併
会社合併とは、2つ以上の会社を1つの会社に吸収することです。どちらかの会社に合併される吸収合併と、新設した会社に合併される新設合併があります。
税務処理方法
みなし配当は、ほかの法人から金銭などを交付されたときにのみ生じます。出資額の合計が、交付の対象となった株式に対応する部分の金額を超える場合、超過額がみなし配当となります。
法人がみなし配当を受け取った場合、みなし配当を受取配当金として計上し、源泉徴収額を所得税・住民税・事業税として計上します。個人がみなし配当を受け取った場合、保有している株式が上場企業か非上場企業かで税務処理が変わります。
上場企業の場合は、申告分離課税で一定の税率を課税されるか、総合課税で通常の所得税を納税するか選択します。非上場企業の場合は申告分離課税を行えず、総合課税で課税されます。よって、みなし配当の額が高額になる場合、株主に非常に高い税が課される場合があるので注意が必要です。
みなし配当は複雑ですが、課税方法によっては非常に高額となるケースもあります。そのため、仕組みを理解しておくことが大切です。
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