なぜ企業成長のためにホールディングスカンパニーをつくるのか?ホールディングス化のメリット
- コングロマリット化・ホールディング化
「ホールディングスって響きがなんかかっこいいよね!どうやってつくるの?」
最近、会員様より、このようなホールディングス化のご相談をいただく機会が多くございます。
〇〇ホールディングスという響きが何となく、一つのステータスのような目標のようなイメージが確かにございます。
東証1部、2部に上場している企業数は、2,634社(日本取引所グループ2019.5.30時点発表)ありますが、そのうち「〇〇ホールディングス」といった社名の企業数は290社(当社調べ)、実質持株会社とされる企業数は622社(当社調べ)ございます。これは東証1部、2部に上場している企業数のうち23.6%がホールディングス化しているという実態であり、企業成長のためには組織づくりが必要である結果を表しています。多角化している企業にとってホールディングス化は、IPOの一種の登竜門のようなものです。
一般的に企業成長の道筋を考えますと
①創業(個人事業からのスタート)
②法人成り
③単独経営あるいは多角化(ホールディングス化)
④IPOあるいはM&Aあるいは親族承継
といったライフサイクルを歩み、創業から企業が成長を続けていき、最終的にはIPOか事業承継のためのM&Aか親族承継のいずれかに収束することになります。
とはいえ、③の複数社経営から④のエグジットまでは、なかなかの距離間があるといっていいでしょう。
そのような状況において、経営者・オーナーの目標となるのが、ホールディングス化です。
さすがにホールディングスがかっこいいからという理由だけで、実行!とはいかないので、ホールディングスカンパニーのメリットについてまとめてみました。
・親会社はグループ全体、子会社は自社の経営戦略をそれぞれ考えることで、役割分担ができ、経営者の属人力から組織力として成長スピードが向上する
・ホールディングスの株主であることで、親族への安定的な配当収入を残せる
・株式所有と会社経営の分離がなされることで、意思決定がスムーズになる
・子会社社長、子会社役員と新たなポストが出来ることで従業員の士気向上が期待できる
・M&Aや新規事業が展開しやすい・子会社ごとの事業リスク分散が可能となる
・一元管理によるコスト削減と節税効果の可能性
と、メリットはさまざまございます。ただ一方で、子会社経営陣の育成や場合によってはコスト面、税金面それぞれ負担が増加するデメリットもあります。
ホールディングスにするための手順は次の4つのステップで行います。
STEP1現状調査:グループ当時体制の見える化や適切なグループ戦略を立案します
STEP2最適化検証・基本計画策定: スキーム、資産・負債配分に加え、グループガバナンスや人員配分、組織機能の検討、収支シミュレーション、税務・労務・法務のリスク検証を行い、基本方針を確定します
STEP3人材育成・事業戦略策定:次世代の経営者・経営幹部の育成研修、各子会社の経営計画を策定します
STEP4実行支援:ホールディングス化の手続きのスケジュールを立て、実行していきます。
ホールディングス化のスキームや資産・負債配分に目が行きがちですが、実はグループガバナンスや組織機能の検討を十分にしておかないと、せっかくのホールディングス化の効果が出ないことがあります。船井総研のホールディングス化支援では、「成長戦略型」×「全方位最適化」とし、実行支援までをサポートしています。
ゆくゆくはわが社も上場(IPO)したい!と上場を目標にお考えの経営者は多数いらっしゃいます。そのためには、今まで経営者がワンマンで成長させてきた会社から、組織力で成長していく体制にするタイミングが必ず訪れます。
ホールディングスカンパニーは、IPOあるいは、より一層の企業成長の舞台を整えるいわば「個人商店の脱却のための体制づくり」です。
現在、船井総研のM&A支援部ではホールディングスカンパニーづくりに対する無料経営相談を実施しております。お気軽にお問い合わせください。
船井総研入社後は専門サービス業の経営コンサルティング部門の統括責任者として多数のM&Aを経験。現在は、M&A部門の統括責任者をつとめる。買って終わり、売って終わりではなく、M&A後の企業成長を実現するマッチングに定評がある。過去経営支援を行ってきた企業は200を超える。
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