基礎知識

会社が買収された場合の役員報酬はどうなる?M&A後の役員・従業員の処遇について徹底解説!

いつもお読みいただきありがとうございます。 50年以上にわたり、中堅・中小企業の経営に深く伴走してきた船井総研グループから、経営者様が最も心を砕かれる「譲渡後の処遇」についてお伝えします。

M&Aにおいて、役員報酬や従業員の処遇は、オーナー経営者様が最も「人」としての責任と、ご自身の「引退後の生活」を天秤にかけるデリケートな領域です。

これらを最良の条件で着地させるためには、単なる交渉術ではなく、自社に最適な「譲渡手法(スキーム)」の選択がすべての鍵を握ります。実務的な解説に入る前に、まずは以下の診断で、貴社が進むべき「正しい出口」の方向性を確認してみてください。

経営の正解は、一つではありません。 まずは出口戦略の『選択肢』を可視化する診断ツールを手に取り、 次なるステージへの展望を具体化する準備を始めてください。 プロの目利きで自社の『真価』を知ること。それが、後悔のない決断への第一歩です。

【全業種対応】「出口戦略」診断で自社の価値を正しく守る。ベストな承継を実現するための第一歩。本記事では、会社が買収された場合の役員報酬について、M&A後の役員・従業員の処遇について解説いたします。

買収とは

買収とは、株式を得ることで企業の経営権を獲得することをいいます。発行済み株式の過半数を取得すると、取締役の選任や解任などの普通決議を成立させることができます。このため、多くの場合、買い手企業は売り手企業の株式の50%を取得することが一般的です。売り手企業は、会社を売ることで経営権を引き渡す代わりに、現金を受け取るのが一般的と言えます。

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役員退職金とは

役員退職金とは、企業の役員が退職した際に受け取る給付金のことです。一般的な退職金は、規定に定められていますが、役員退職金は就業規則の退職金規程にかかわらず支給できます。買収の際、事前に退職金の給付に関する条件や金額などが事前に合意されているケースがほとんどです。買収によって経営陣が変わる場合、新たな経営陣との調整が必要になることもあります。

買収後の扱いは?気になる給与や処遇【株式譲渡編】

買収において、一般的な方法が株式譲渡です。株式譲渡における買収後、役員の報酬はどうなるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

【役員編】買収後の給与や処遇

株式譲渡買収後、役員の報酬の処遇は基本的に変わりません。役員報酬・退職金ともに買収先企業が決定するためです。ただし、役員報酬の場合は、買収時に決定しているケースがほとんどです。

それは、買収時の金額の中に役員報酬が入っているためです。多くの場合、買い手企業は、買収時にかかる費用の中と合わせて役員報酬を支払うため、買収時に決まっていることが多いです。

【従業員編】買収後の給与や処遇

株式譲渡買収後、従業員の報酬や処遇は基本的に変わりません。株式譲渡の場合、従業員にとっては、基本的に経営権が移転するだけなので、従業員の報酬や処遇は基本的に変わらないと言えるでしょう。

買収後の扱いは?気になる給与や処遇【事業譲渡編】

事業譲渡とは、会社の事業の一部またはすべてをほかの会社に売却することを言います。事業譲渡した際と株式譲渡した場合都では若干対応方法が異なるので、見ていきましょう。

【役員編】買収後の給与や処遇

事業譲渡をする場合、役員報酬・退職金は変わりません。事業譲渡した場合、売却した事業は別会社に移りますが、その他の事業は変わらないためです。

株式譲渡との違いは、経営権が変わらないと言えるでしょう。また、事業を売却したことによる売却益は、法人に入らないためでもあります。そのため役員が譲渡益を手に入れることはありません。

【従業員編】買収後の給与や処遇

事業譲渡をする場合、従業員の報酬や処遇は以下のようになります。

1.給与は雇用契約により再決定する

2.退職金についても再度契約を締結し直す必要がある

基本的には給与に関しては前年踏襲の場合が多いですが、注意すべきは退職金です。退職金は勤続年数によって異なります。そのため再契約を結ぶ際、前の会社での勤続年数を考慮するかどうかを交渉するのが肝といえるでしょう。

会社売却時に気を付けたい2つのこと

待遇は、M&Aの手法によっても変わる

先にも記載した通り、M&Aの手法によって役員や従業員の手法が異なります。自社にとって何が大切なのかを考慮し、M&Aを検討することが大切です。

基本合意書の締結の際に待遇の旨を記す

すべてが決定されるわけではありませんが、基本合意書を締結する際に、従業員や役員の待遇に関して記載するようにしましょう。口約束だけでは、確実性は担保されません。双方の会社の見解の違いをなくすためにも、基本合意書内に盛り込むようにしましょう。

まとめ

まとめると、株式譲渡と事業譲渡では従業員や役員の処遇は異なります。どのような方法が自社にとって最適なのかそれも踏まえて検討しましょう。

いかがでしたでしょうか。 役員や従業員の処遇は、M&A手法によってそのプロセスも確実性も大きく異なります。「口約束」による安心ではなく、基本合意の段階から戦略的に条件を組み込むことこそが、経営者としての最後の責務です。

自社にとって、そして関わる人々にとって最良の形は何なのか。主導権を握れるうちに、まずは診断レポートで「自社が取るべき戦略の現在地」を把握することから始めてください。

知識を得るだけでは、未来は変わりません。 激変する環境下で、貴社の選択肢が狭まってしまう前に『攻めの出口戦略』を。

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光田卓司

(株)船井総研あがたFAS 取締役

2008年株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は専門サービス業の経営コンサルティングに従事し、2019年より専門サービス支援部部長に就任。併せて、多数のM&A支援に従事。2022年同社M&A支援部部長に就任、同社M&A部門の成長を牽引した。2025年1月、株式会社船井総研あがたFASの取締役に就任。

光田卓司

(株)船井総研あがたFAS 取締役

2008年株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は専門サービス業の経営コンサルティングに従事し、2019年より専門サービス支援部部長に就任。併せて、多数のM&A支援に従事。2022年同社M&A支援部部長に就任、同社M&A部門の成長を牽引した。2025年1月、株式会社船井総研あがたFASの取締役に就任。