歯科

「王道」の歯科承継と次世代への種まき。トップランナー築山氏が説く、真の予防医療を社会実装するための戦略的提携

歯科業界において、臨床の質の追求と次世代の育成を両立させ、圧倒的な支持を得ている経営者がいます。

米国歯周病学会ボード認定医であり、つきやま歯科医院を率いる築山先生です 。

築山先生は、歯科医療を全身の健康を守るためのインフラと定義し、医科歯科連携を通じた真の予防医療の実現に挑戦しています 。

今回はインタビューを通し、築山先生が掲げる「王道」の診療哲学と、良質な歯科医療を次世代へ繋ぐための出口戦略について話を伺いました。

築山先生プロフィール

米国歯周病学会ボード認定医、米国歯科修士、PHIJコースディレクター。日本社会に理想的なGP(総合診療医)と専門医の対等な連携の構築を目指す。ロールモデルとなる歯科医院を作るため、つきやま歯科医院において若手歯科医師の教育に力を注ぎながら、科学的根拠に則った質の高い歯科医療を提供するための専門医療センターを立ち上げる。歯科医療に医療の視点を導入した診査、診断、治療、結果のモニタリング、予防プラン、メインテナンスを世界基準で提供している。

◆ 診療哲学と10X:未来への投資としての教育

築山先生の活動の根幹には、科学的根拠に基づいた世界基準の歯科医療を日本社会に浸透させたいという強い願いがあります。

先生は、業界の未来を担う若手歯科医師の教育に心血を注いでいます。

「全身の健康を視野に入れた歯科医療の実践を軸に、医科と歯科の垣根を越えた予防医療の実現を目指しています。その一環として、研修1年目を対象とした無料教育機関【10X(テンエックス)】を運営しています。毎年約150名が受講しており、これは歯科業界の未来への投資です。若いうちから高い思想に触れることが、業界全体の質の底上げに繋がると確信しています。」

臨床家としてトップを走りながら、ボランティアで教育に携わる姿勢は、単なる利益追求を超えた公益への強い責任感から生じています。

未来の歯科医療を支える種まきを絶やさないことこそが、先生の説く王道の歩みです。

◆ 歯科M&Aの本質:カリスマ経営からの脱却と事業承継の責任

後継者不在による廃院が増加する一方で、新規開業には多額の投資が必要な現代。

築山先生は、戦略的譲渡がこれからの歯科業界において間違いなく時流になると断言します。しかし同時に、根強い業界の課題についても鋭く指摘します。

「多くの院長先生は、引退直前まで出口戦略を考えない傾向にあります。特に組織が大きく、創業者のカリスマ性で成り立っている医院ほど、早期の検討が必要です。属人性に依存したままでは、いざバトンタッチしようとした際に文化の承継ができず、結果として患者様やスタッフを困惑させてしまいます。元気なうちに、自分が不在でも医療が回る仕組みを作り、属人性を緩和しておくこと。それが、地域医療を守る経営者としての責任といえます」

先生は、単なる現金の回収(リタイア)としての譲渡ではなく、築き上げた医療を存続させるための【計画的なエグジット】の重要性を説きます。

◆ 戦略的提携の基準:志を同じくする「人」との共創

つきやま歯科医院グループへの参画希望は、現在スタディグループなどを通じて外部からも多く寄せられているといいます。

築山先生は、提携の基準を単なる数字ではなく「人」の魅力に置いていると語ります。

「自法人の勤務医に限らず、志を同じくする【いい男】であれば、提携を通じたグループ化を積極的に進めていきたいと考えています。最近では、私の診療コンセプトに共感し、一緒にやっていきたいという受講生の先生方からのオファーも増えています。ただし、規模が大きくなればなるほど、クオリティの担保は大きな課題となります。目が届く範囲を超えて展開する場合、診療品質をどう維持するか。そのためには、ドクターやスタッフ全員に対する教育システムの更なる強化が不可欠です。」

信頼できるパートナーとの縁を、強固な教育基盤によって支える。

この【信頼×システム】の両輪が揃って初めて、質の高い歯科医療の多拠点展開が可能になります。

◆ 未来を切り拓く肯定的な選択としての譲渡

築山先生の見据える未来は、医科と歯科の垣根を越えた「真の予防医療」の社会実装です。

この壮大なビジョンを実現するエンジンとして、先生は戦略的譲渡を肯定的に捉えています。

「これからは資本の力に飲まれるのではなく、志を同じくする仲間と共創していく時代です。単なる医院の売買ではなく、私たちが培ってきた予防医療のモデルを、提携を通じてより広いエリアへ広めていく。10Xのような教育システムとM&Aを掛け合わせることが、地域の歯科難民を救い、日本全体のウェルビーイングに寄与するための最短ルートになると確信しています」

志を同じくする歯科医師との縁を大切にし、戦略的譲渡を前向きな成長戦略として実装していく。

この姿勢こそが、これからの歯科経営における新しいスタンダードになります。

◆ まとめ:医院の価値を次世代へつなぐために

築山先生が語る提携のあり方は、単なる事業の譲渡ではなく、先生が守り続けてきた王道の歯科医療を次世代へ繋ぐためのバトンタッチです。

歯科業界において、戦略的譲渡や提携はもはや避けるべきことではなく、質の高い医療を永続させるための賢明な進化といえます。

先生が心血を注いで築き上げた医院を、より大きなミッションの一部として昇華させること。

早い段階から出口戦略を検討し、信頼できるパートナーと共に未来を設計することこそが、地域医療を守る最善の道となります。

共創の時代における戦略的提携は、先生の歯科医師としての誇りを未来へと繋ぐ確かな一歩となるはずです。


長谷川光太郎

(株)船井総研あがたFAS チーフコンサルタント

国内大手メーカー勤務を経て、2018年に船井総研に入社。歯科医院の経営コンサルティングに従事し、現在は歯科医院・医療法人の事業承継全般の支援を行っている。医療法人特有の事業承継に関わる知見を有し、譲渡側・譲受側双方からの信頼が厚い。

長谷川光太郎

(株)船井総研あがたFAS チーフコンサルタント

国内大手メーカー勤務を経て、2018年に船井総研に入社。歯科医院の経営コンサルティングに従事し、現在は歯科医院・医療法人の事業承継全般の支援を行っている。医療法人特有の事業承継に関わる知見を有し、譲渡側・譲受側双方からの信頼が厚い。