介護業界におけるM&Aの主なメリットとは?
介護業界におけるM&Aの最も顕著なメリットは、経営資源の強化です。特に中小企業にとっては、単独では実現が難しい規模の拡大やサービスの多様化が可能になります。具体的には、以下のようなメリットがあります。
①市場シェアの拡大:M&Aにより他社の顧客基盤を取り込むことで、即座に市場シェアを増やすことができます。他地域に拠点展開して、一からご利用者様を増やすよりも、既に展開されている他社をM&Aする選択をされるケースが増えています。
②競争力の向上:規模の経済を享受することで、コストを削減し、サービスの質を向上させることが可能となります。
③ノウハウの取得:特に、介護福祉分野の他業態に進出する場合、M&Aによってスピーディにノウハウを吸収し、競争力を高めることができます。
④人材の確保:介護福祉業界の人手不足は慢性化していると言えます。M&Aを通じて人材を獲得したい、というケースも増えています。
介護の業界再編による経営効率の向上
介護業界で業界再編が起きている背景は、M&Aによって経営効率を大いに向上させることが期待されているためです。複数の企業が一つになることで、お互いの強みを活かし効率的な運営が実現します。この効率化は、以下の方法で図られます。
①重複業務の排除:M&Aによって、同じ業務や機能が二重になっている場合に、それを一つに統合することが可能です。
②スケールメリットの追求:規模が大きくなることで、調達コストや運営コストが削減され、利益率に寄与します。
③人材の確保:M&Aによって、有能な人材が集まることで、チーム全体のパフォーマンス向上が期待できます。
④業務プロセスの統合:異なる企業文化や業務フローを融合させることで、より効率的な業務プロセスが構築できます。
⑤リソースの共有:M&Aにより、物的なリソースや技術的なノウハウを共有することができ、各サービスの質を均一化できます。
介護業界のM&Aのデメリット(課題)
介護業界のM&Aのデメリット(又は課題)には以下のようなものが挙げられます。
①企業文化の融合の難しさ
異なる企業、法人がM&Aで一緒になる場合、これまでのやり方や文化の違いから摩擦が起こることがあります。これを乗り越えられるかどうかをトップ面談やDDを通じて見極めることが重要です。
②不安感の増加/士気の低下
M&Aによって職場に不安をもたらし、従業員は自身の将来に不安を感じ移り気になることがあります。また、企業の方向性が変わることで、従業員の士気が低下し、業務に対するモチベーションが減少する懸念もあります。
③人材の流出
最悪の場合、M&A後に自社のサービスの核となるスキルを持つ従業員が他社へ転職してしまうリスクがあります。
M&Aの検討にあたっては、上記のようなメリット・デメリットを吟味して慎重に進めることが必要です。弊社では、客観的な立場から、貴社・貴法人にとってのメリット・デメリットを整理するお手伝いをしておりますので、お気軽にご相談ください。

その他、介護業界のM&Aについてはこちらからご確認ください。
1.介護M&AのTOP
2.介護業界の動向とM&A
3.介護業界M&Aのメリット・デメリット
4.介護業界のM&A事例
最後に、船井総研グループでは介護業界向けのM&Aレポートを無料で配布しております。この機会にぜひダウンロードの上、ご覧くださいませ。
