M&Aにおける小さな会社の基本合意
- 小規模M&A
M&Aの手続きでは、売却条件の合意(基本合意)からデューデリを実施して、最終契約に至るという流れが一般的です。
そして、売り手側は経験がなくても、買い手側は経験豊富な場合が多い。こういう場合、ときどき発生することが「基本合意後の条件変更」です。
不動産の取引でも、M&Aでも、基本合意で決まった事柄とは別に、清算手続きや、資産の時価評価が発生します。これはたとえば不動産の時価評価や、売掛債権や前受け金・前払い金の確認など、買収価格を左右する項目も含まれます。
作業としては細かいことも多いですが、金額に与えるインパクトもそれなりに大きい場合があります。
基本合意には至ったのだが最終的に破談になってしまった・・・
という事案を見ていますと、この合意後のDDプロセスで売り手か買い手のいずれかに看過できないことが発生したということになります。
事案によって売り手優位・買い手優位になることがあり、買い手が値切りを入れた場合や、売り手が値段を上げようとした場合などもあります。
おおよその価格合意が基本合意でできていても、この清算手続きや時価評価によって値段が動くことがあります。なので、当初から資産性のないものはB/Sから外しておくことも大切です。
ただ、それ以上に、手慣れた買い手は清算条件にいろいろと注文をつけて取引を有利に運ぼうとする傾向もあります。
M&Aにおいては、基本合意までいけばOKというわけではなく、むしろやっと入り口に立てたという場合も多々あります。
最終合意・決済にいたるまで、いろんな交渉事・両者の見解のすり合わせが発生するため、ぜひアドバイザーに相談の上で妥協できること・妥協できないことを明確にして交渉にのぞむことが大切になります。
我々にもどうぞお気軽にご相談くださればと思います。
2008年銀行に新卒で入行。与信管理・調査部門を4年半程度経験後、21012年頃より、銀行にてM&Aアドバイザリー業務に従事。その後、2019年船井総研に参画後も、引き続きM&Aアドバイザリー業務に従事。
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