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葬祭業M&A活発化の背景と事例

  • 葬祭業 M&Aレポート
葬儀 M&A

葬祭業の業界再編のスピードが急速に拡大しています。なぜ葬祭業のM&Aが拡大しているのかを解説します。

葬祭業のM&A活発化の背景①~後継者問題~

近年、葬祭業のM&Aが活発化してきています。譲渡を検討される葬儀社様で一番多いのは後継者が不在という点です。今までは先祖代々、家族で経営者を引き継いでいくのが一般的であった葬儀社。ご子息・ご令嬢が不在、もしくは、いるけれども違う職業についており戻ってこない、という理由から譲渡を検討されるオーナー経営者様が多いという現状です。

葬祭業のM&A活発化の背景②~2040年以降の死亡者数減少を見据えて~

一方で、30代~40代の経営者様からの譲渡相談も多くなってきています。そのようなオーナー経営者様の多くは、お子様がいらっしゃる、いらっしゃらないに関わらず譲渡検討を行うケースも増えてきています。2040年前後から加速していく死亡人口減少を見据えてのことです。

例えば、現在15歳の息子様がいらっしゃっても、2040年には33歳。そこで経営者のバトンを引き渡しても、いばらの道が待っているのは誰の目から見ても明白です。死亡人口が減っていくことを考えると、エリア拡大、もしくは、別事業への展開を考えなければ企業の存続は怪しくなってきます。

確実に見えているいばらの道。自分の子供を進ませるぐらいなら、今、企業を永続的に発展させてくれる別の方に譲渡することがベストの選択肢ではないか。そういったことを考え相談していただくことが多くなってきています。

葬祭業のM&A活発化の背景③~生産性の向上~

家族葬が一般的になってきています。コロナ禍の中で、一日葬、火葬式(直葬)の割合も多くなってきました。今後もコロナの状況が落ち着いても、葬儀の小規模化は続いていくことが予想されます。

また、2019年から順次施行されている働き方改革関連法案の影響もあります。従業員様の休日の確保はもちろんです。その他残業時間の管理など、24時間365日営業の葬儀社にとっては耳の痛い話も多くなってきています。

これらの市場環境や外部環境によって、葬儀業界は「生産性の向上」が重要なテーマとなっています。労働集約型のビジネスである葬儀業界では、件数に比例して生産性が向上していく傾向にあります。船井総研の葬儀社のお付き合い先の中でも人時生産性(総粗利/総労働時間)が5千円台の葬儀社もあれば、1万円台の葬儀社もあります。

そのような状況の中で、規模を拡大し人的交流を含めたスケールメリットをいかすことによる生産性向上のためのM&Aが活発化してきています。

葬祭業のM&A事例~専門葬儀社×専門葬儀社~

専門葬儀社同士のM&Aも活発化しています。その中にもパターンは様々です。同一商圏内でのM&Aもあれば、上場企業グループにグループインする形でのM&Aも多くなってきています。

生産性の向上を求めるのであれば、同一商圏内でのM&Aが有効的な手段となります。

一方で上場企業のグループに入ることにより資本力を手にすることで出店スピードを上げ、件数を増やし生産性を向上させていくことも可能となります。

例としまして、同一商圏内でのM&A事例としては和歌山市内における「ヴィクリエイト×辻本葬祭」などがあげられます。

上場企業のグループイン事例としては、「きずなホールディングス(当時はアドバンテッジパートナーズ)×花駒」「きずなホールディングス×備前屋」などが挙げられます。

こちらの事例もご覧ください。

葬祭業のM&A事例~ファンド×専門葬儀社~

ファンドが専門葬儀社をM&Aを行う事例もあります。ファンドが絡むM&Aは売上額が20億~50億規模の会社を譲渡するケースで見られます。またロールアップ(追加買収)として、初期投資先と業績連動が見込むことのできる葬儀社をM&Aすることもあります。

例としましては、「アドバンテッジパートナーズ×家族葬のファミーユ」「NSSK×東海典礼」などが挙げられます。

葬祭業のM&A事例~互助会×互助会~

互助会同士のM&Aも多くあります。特に互助会の場合は、一般のお客様から「前受金」を事前に受領しているため、途中で経営破綻してしまうと大きな問題になります。そのようなことが起こらないよう業界団体内で経営体質の健全化に努めています。

しかし、どうしても自社だけで経営が成り立たなくなった場合は、所属している団体内での統廃合も行われております。

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