基礎知識

企業の価値はどこにあるのか?

M&Aの実務において「バリエーション」という業務があります。「その会社にいくらの価値があるのか?」を算定するものです。その企業価値について解説いたします。

企業の価値はどこにあるのか

M&Aの場合、客観的に算定したバリエーションを元に売り手と買い手の駆け引きがあり、当然、売り手は少しでも高く売りたい、買い手は少しでも安く買いたい、ということであり、そこでの駆け引きの仲介役をアドバイザーが行います。

私どもがコンサルタントに付かせて頂く中で、「その会社の価値がどこにあるのか?」ということを調査・分析する中で、買い手側が意外な部分を売り手企業の価値として見出したり、その逆で売り手が自社の企業価値として考えていたものが、意外と買い手が企業価値として評価しなかったりします。

では、どこに価値があり、どこに価値がないのかを解説したいと思います。

業種・業界・業態で変化する

船井総研あがたFASには各業種のプロフェッショナルがいますので適切は「価値評価」ができていると自負しております。企業の価値はその業種・業界によって、大きく違ってきます。当然、BSやPLから見て取れる資産価値やのれん価値というものが軸にはなりますが、業種固有の価値の軸があります。

これまでの事例を参考に解説します。

技術か機械か

特殊な製品を製造している町工場の売り案件があり、売り手の経営者は「自社の技術力」「自社の技術者」に価値があると考えて、そこを高く評価(高い売却価格)して欲しいと考えていたが、買い手は「技術・技術者」には価値は感じず、そこの製造機械がかなり自社で手が加えられており、新品の機械以上に価値があるということで、その製造機械に高い価値を見出しました。

施設か拡張可能性か

とあるサービス事業において、売り手は自社が持っている施設(建物)に価値があると考えていたが、買い手はそこの価値ではなく、その敷地内に増床できる場所が十二分にあったので、増床すれば競合に勝てる算段が十分に付くので売上が一気に上がることが見込まれるので、その「空いている場所」に高い価値を見出しました。

不採算とみるか高レバレッジとみるか

赤字の事業会社であったが、売上が伸ばせる余地が十分にあったので、節税対策としての価値もありました。

等々・・・。

M&Aにおいては、売り手と買い手の思惑が全て一致している訳ではないのは当然のことですが、それがマイナスに作用するだけではなく、前述のように思惑は違っても、お互いにプラスに転じることもあります。自社の価値を客観的な目線で知りたい場合は、ぜひ、ご相談下さい。

M&Aコンサルタント選びからご相談いただけます

M&Aはご経営者に大きな決断を要します。決断を迷う場合も、傍にコンサルタントがいるかいないかで、ご経営者の負担が大きく変わります。船井総研グループでは、50年以上経営者と伴走してきた実績がございます。是非、事業承継について少しでも気になることがございましたら、ご相談ください。船井総研グループでサポートさせて頂きます。

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光田卓司

(株)船井総研あがたFAS 取締役

2008年株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は専門サービス業の経営コンサルティングに従事し、2019年より専門サービス支援部部長に就任。併せて、多数のM&A支援に従事。2022年同社M&A支援部部長に就任、同社M&A部門の成長を牽引した。2025年1月、株式会社船井総研あがたFASの取締役に就任。

光田卓司

(株)船井総研あがたFAS 取締役

2008年株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は専門サービス業の経営コンサルティングに従事し、2019年より専門サービス支援部部長に就任。併せて、多数のM&A支援に従事。2022年同社M&A支援部部長に就任、同社M&A部門の成長を牽引した。2025年1月、株式会社船井総研あがたFASの取締役に就任。