M&Aの売り手にとっては何だかんだと言っても、「高く売れること」に越したことはありません。
売り手の売却価格算定(バリエーション)をさせて頂く中で、その会社が「高収益体質にあるか」ということは売却価格に大きく影響します。
船井総研はあくまでコンサルティング会社ですので、売り手のアドバイザーに付く場合でも売却までの期間に
その会社を「高収益体質にする」お手伝いをさせて頂いていますし、買収する側をお手伝いする場合にも、
その買収側が「高収益体質」でないと、M&Aをしてからのバリューアップは難しくなります。
船井総研では今、「高収益経営研究会」というものを立ち上げ、高収益な企業体質にするためのコンサルティングを強化しています。先日もその研究会の集まりにおいて、参加者である経営者の皆様に自社の事業を振り返り、これまで収益が上がってこなかった事への反省のようなものを述べていただいたのですが、その話を集約すると、大きく以下の4つになりました。
1.そもそも、営業利益を上げようという経営をしてこなかった。
(赤字になれば困るので黒字にはしないといけない・・・という程度)
2.もともと本業では利益は出ているが、様々な新規事業をやってきており、その事業が赤字になって全体の収益の足を引っ張っている。
3.同じ業種をやってきているが、その時代時代にあった事業モデルへ変換できていなかった。
4.景況感以外の何か1つの指標が要因で、利益が出る時と出ない時の差が極端に出る事業モデルだった(原材料費が上がる、燃料費が上がる、平均気温が低い等々・・・)。
これらを逆に見ると、
①営業利益率を意識し
②本業に特化して
③時代にあったビジネスモデルに変化させ続け
④外部環境に影響されない強みを持つ
ということが高収益体質作りの基本なのかと感じさせられます。
また、この高収益経営研究会のテーマである、「営業利益を業界平均の3倍、10%以上」出すことの「目的」として、
私は「事業成長のための投資資金の確保のため」と捉えています。
利益が出るから投資ができて、投資ができるから利益を出せる体質にできる、利益が出るからまた投資ができる・・・・
という善循環になります。
逆に、利益が出ないから投資ができない、投資ができないから利益を出せる体質にできない・・・・
という悪循環になります。
理想的なトリプルスリーは、
①収益性:営業利益率10%以上
②成長性:売上成長率10%以上
③効率性:ROE(当期純利益÷株主資本)10%以上
といったところでしょうか。
上記のようなポイントを押さえ、事業戦略の参考としていただければと思います。