基礎知識

M&Aの新しい活用方法

M&A」が企業経営において1つの方法であるということが認知されてきています。

M&A=他社への事業売却・他社からの事業買収」というスキームの新しい活用方法が船井総研においても増えてきています。

■コア事業に集中する環境を作るために

コア事業に集中する環境を作る方法の1つとして、M&Aによる不採算事業・不採算店舗の整理・売却(カーブアウト)」があります。一般的な M&Aは当たり前のように「会社を全て売却する」というものですが、最近では「一部の事業部門、一部の店舗の売却」というニーズが非常に高くなっています。

①不採算の事業部門・店舗を売却することでコア事業・コア店舗の経営を健全化させる

②経営者の思い入れの薄い事業部門・店舗を売却して、思い入れの強い事業部門・店舗を伸ばす

③収益の出る事業部門・店舗を売却することで資金調達をし、急場の資金繰りの悪さを乗り切る(これは決して、いい手段ではありませんが・・・)

また、「不採算部門・不採算部門」を売却した後、「その売却によって得た資金」で、コア事業を更に伸ばしていくために、別の会社の事業部門・店舗を「買収」するということも可能になり、実際にそのようにしている企業も増えています。

■資本と経営を分離するために

事業承継において、子息などが後継者になく、従業員の誰かに会社を継がせる場合、一番の課題は「社長業は継がせることはできても、株式の承継が難しい(できない)」というものがあります。特に土地や建物に資産価値が高い会社の場合はそれが顕著です。その際には、「資産を保有する会社」と「事業を運営する会社」に分けて(分割して)、それぞれを別々に承継させるという方法があります(細かいスキームに関しましては本文では省かせて頂きます)。それによって、「事業を運営する会社」を財務的に身軽にして、子息以外の第三者(従業員など)に継がせることができたりします。

これらのように「M&A」は経営戦略の1つとして活用されています。

光田卓司

(株)船井総研あがたFAS 取締役

2008株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は専門サービス業の経営コンサルティングに従事し、2019年より専門サービス支援部部長に就任。併せて、多数のM&A支援を業務に従事。2021年同社M&A支援部部長に就任、同社M&A部門の成長を牽引した。2025年1月、株式会社船井総研あがたFASの取締役に就任。

光田卓司

(株)船井総研あがたFAS 取締役

2008株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は専門サービス業の経営コンサルティングに従事し、2019年より専門サービス支援部部長に就任。併せて、多数のM&A支援を業務に従事。2021年同社M&A支援部部長に就任、同社M&A部門の成長を牽引した。2025年1月、株式会社船井総研あがたFASの取締役に就任。