モビリティ業界特化型 M&Aで幸せな未来を実現するためのレポートvol.2

「北陸No.1のカーディーラーへのチャレンジ!年商90億円企業のM&A戦略とは」

「北陸No.1のカーディーラーへのチャレンジ!年商90億円企業のM&A戦略とは」
について皆様にお話させていただきます。こちらの企業は株式会社古城モータースでございまして、富山県高岡市にて創業し、今では石川県の白山市まで拠点を広げて急成長している自動車販売及び整備を実施している企業でございます。2014年以降で整備工場のM&Aを2件実施して、その後も譲渡企業も含めて業績アップを実現されています。特にその成長のポイントは下記の2点でございますので、ぜひお楽しみにしていただけたらと思います。

①M&Aで重要なことは「積極的なコミュニケーション」
同社社長の川橋社長へインタビューをさせていただくと、とにかくM&Aが成立したあとは社長及び幹部陣から積極的に呑み会を開催することだと仰っておりました。これが仕事上での相談しやすい環境になり、実績にも影響を与えるということでした。川橋社長は過去2回のM&Aを実施されており、その後譲渡企業側の社員との面談を実施して一番気になるのは壁をつくられている雰囲気であったそうです。この壁をいかに払拭することが相応の業績アップに繋がると考えて、会社側として社員一人当たりの月間支給額を5,000円にしてとにかく交流の場を設けるようにしたとのことでした。そうすると会社連携ももちろんですが、既存社員の中でも部門連携が円滑になり、組織の観点では良い効果が出てくるようになったそうです。

②お互いの良いところを尊重し高めあうこと
M&Aでは譲受企業側が譲渡企業側の良さを把握して、それをほめて伸ばすことが大事だということです。さらにその長所が譲受企業側の短所を保管し合う形に持っていくことが全体の成長に繋がり、業績もぐんと上がるということでした。実際に同社では譲渡企業の整備士がもつ高い技術力が参考になり、今では実務研修にて教えてもらう場を設けているとのことです。これを半年くらい実施して全体の技術力は向上したとのことでした。当たり前ですが、長所を活かせる環境をつくることでこれもまた連携力を高めるきっかけになるでしょうし、それが統合後の双方の幸せをつくるきっかけとなると感じました。

③必ず全員と面談をして理解してもらうこと
社長自らが譲渡企業側の社員と面談をして、会社としての方向性や期待していることを直接伝えることが大事だとありました。また統合後の最初の1か月で、まずは安心して働ける環境を用意することを伝えないといつまで壁がとれないと川橋社長はおっしゃっておりました。M&Aは企業同士の統合ではありますが、考え方はヒトとヒトの関わりと同じで、
双方が開示できないと信用もできなければ安心も出来ません。M&Aは結婚と同じとありますが、まさにその通りですね。

~最後に~
今回は「北陸No.1のカーディーラーへのチャレンジ!年商90億円企業のM&A戦略とは」についてお伝えいたしましたがいかがでしたでしょうか。私が川橋社長へインタビューをさせていただく中で感じたのは、「積極的に交わる」ということの重要性です。また譲渡企業側からは不安が多いので積極的な開示は難しいですが、だからこそ譲受企業側から積極的に自己開示をして信用してもらうことが第一ステップとして大事なんだと改めて感じました。その手段としてコミュニケーションの場を組織として設けて、お互いの長所を知り、そして活かすことが出来たらそれが双方の成長に繋がるのだということです。私は双方が幸せになるM&Aの在り方について常に追求していきますが、このベスト事例も改めて参考になりました。

ではまた来週の第3弾のブログもお楽しみにしていただけたらと思います。

淵上 幸憲

(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター

自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。

淵上 幸憲

(株)船井総研あがたFAS マネージングディレクター

自動車販売等モビリティ業界のコンサルティングとプロジェクトで豊富な実績を有する。中古車販売、整備、コーティング、レンタカーの業績アップでは1年で売上2倍の実績を持つ。経営の様々なテーマに精通し、成長戦略策定や事業承継・M&Aコンサルティングで高い評価を得ている。